(撮影:彦坂栄治/まきうらオフィス)

写真拡大

「こんなにたくさんの年上の役者さんたちがいる現場は本当にひさしぶりです。しかも演劇畑の人ばかりなので、水が合うというか、一緒に芝居をしていて超楽しい。やっぱり僕、おじさん好きなんですよ(笑)」

そう語るのは、ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系・木曜21時〜)で、東京から山あいの小さな集落に移住したミステリー作家・三馬太郎を演じる中村倫也(36)。

地元の消防団員を演じる生瀬勝久ら“おじさま”たちとの息の合った演技が視聴者の心を捉え、今夏ナンバー1の注目作に躍り出た。

「太郎って、ふだんは無味無臭だけど、時として急に動きだすような、人と違うタイミングでアクセルを踏む人。彼との共通点をいえば、気になったことをすぐ調べることかなあ。ハヤブサ地区になじんでいくにつれて、太郎らしさがどんどん出てくると思います」

原作は、池井戸潤最新作にして初の田園ミステリー。『下町ロケット』以来8年ぶりの縁に感動するいっぽう、出世作でもある『ホリデイラブ』のスタッフ陣との再タッグを楽しみにしていたという。

「35を過ぎたころから、若いときにお世話になった人との縁を大切にしたいと考えるようになりました」

本作は結婚後初の連ドラとなるが、心境の変化は?

「何も変わらないです。世間の人は、“結婚して責任感が生まれる”と言いますけど、僕、もともとそういうものを持って生きてきたんです。それは仕事でも同じことで、主役だろうと脇役だろうと、自分がやることは変わらない。確かに、自分の見られ方は変わったとは思いますが、自分の中にあるものは変わらないし、ブレない強さが身についていると思います」

そして、役者として芽が出るまでの時間があったからこそ、自分自身が鍛えられたとも。

「いろんなものを見て、いろんなことを考える時間があった。知らないうちに血や肉になっているものなんだなあって、この年齢になると改めて実感します」