AIでゲームキャラ化した市川。ホラー……

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AIでゲームキャラ化した市川。ホラー......
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は市川紗椰がハマった画像生成AIの遊び方について語る。

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ワンテンポ遅れて私にやって来たチャットGPTブーム。ほかの文章から新たな文章を生成した結果には「なるほどねー」で終わりましたが、テキストから画像を生成する機能にハマりました。出来栄えに感心することもあれば「なぜこの結果!?」と笑ってしまうことも。隙あらばひとりで楽しんで時間を無駄にしています。

ハマったきっかけは、『カウボーイビバップ』の実写版の役者さんたちを見たこと。あまりにも原作の再現度が高くて、「AIが作った偽物の人間に見えるな」と思ったのが始まりでした。

こうした経緯もあり、とりあえずアニメの実写化を試したくてAIに「sailor moon as a real person」と入力。すると不気味なコスプレイヤーみたいな画像が出たので、あらためてAIが得意そうなサイバーパンク風を指示。すると、『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎの髪飾りがレーダーっぽくなり、服にはビニールっぽい光沢が加えられました。脚には改造された痕があり、背景の街にはえげつないネオンが。ほー。チョロくてすみません、この作品、見たい。

次は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャストをアニメ風にするよう指示。『NARUTO−ナルト−』の岸本斉史(まさし)さん風のタッチで、少しダンディなドク、友情・努力・勝利が大好きそうなマーティ、やたらとスタイルがいいジェニファーができ上がりました。ただ、なぜか全員服を交換。ドクが赤いダウンベストをまとっていました。

続いて『スター・ウォーズ』をスチームパンクの世界観にすると、ダース・ベイダーのヘルメットにやたらと歯車らしき装飾がつき、ヨーダの頭にはゴーグルが加わりました。煙も相まって様になってるけど、よく考えたら、スター・ウォーズの世界にこういう惑星あるような気が......。ちなみにサンリオ風のヨーダは、ほぼほぼ『マンダロリアン』のベビーヨーダこと、グローグーでした。

そう、この遊びの真骨頂は、完成度の高さではなく、やばい出来栄えを愛(め)でること。例えば、『ONE PIECE』のキャラクターを『ドラゴンボール』の世界に移すと、色違いの悟空が大量に生まれました。黒髪に赤い服のルフィ悟空、オレンジ髪に緑の服のナミ悟空、青髪に赤い肩のフランキー悟空。

髪型的に、ゾロだけ悟飯(ごはん)がベースになったのもツボでした。ドラゴンボールの世界のキティちゃんもよかったです。端的に言うと、パステル色の胴着を着た白い猫。目は真っ黒な点で、耳の形は少しプーアルぽい。雑にも程があって最高です。

一番のお気に入りは、ティム・バートン風のけろけろけろっぴ。作成されたのは、6本足のカエルでした。ぎょろっとした目は、しっかりと両目で違う方向を見ている。確かにホラーだけど、ティム・バートン特有のファンタジー要素や丸みを帯びた造形は皆無。カエルであること以外はけろっぴ要素ゼロ。ここまで気持ち悪いカエルのイラスト、人間はなかなか描けないかもしれません。これがAIの本領発揮か。

刻々と進化を続けるAI。おかしなAI画像を生成してくれるのは今のうちかも。

●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。テキストがうまく書けなかったのか、モネ風のニンジャタートルズは、睡蓮に囲まれて忍者の格好をした"ガチの亀"が生成された。公式Instagram【@sayaichikawa.official】