箱根駅伝と『翔んで埼玉』に共通の “戦略ミス”…ファンが懸念する「ローカルから全国へ」のリスク
6月27日、青山学院大の原晋監督が自身のTwitterを更新。箱根駅伝の “全国化” が1年限りで終わることに疑問の声をあげた。
箱根駅伝といえば、2023年の第99回大会で、平均世帯視聴率は往路で27.5%、復路で29.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。関東ローカル大会でありながら、いまや正月の “国民的行事” となっている。
強豪・青山学院大を率いる原監督だが、選手にとって関東以外の大学へ進学する選択肢が増える、戦力が地方へ分散されることで競技の裾野が広がる、などの理由から「全国化すべき」というのが持論。
実際、2024年に開催される箱根駅伝は、100回記念として全国の大学が参加することになった。出場枠が例年の20校から23校に拡大する。だが、101回大会からは従来の形式に戻し、20校で実施するという。
わずか1回だけの全国展開に、原監督は
《まさに茶番劇に終わりそうな箱根駅伝全国化問題(中略)加盟校のみならず、多くの国民のご意見に耳を傾けるべきだと思います。皆さんはどう感じられますか?》
とツイートし、納得がいかない様子を見せた。
「とはいえ、ネット上では “従来形式派” が圧倒的なようです。《関東学連主催の関東大会ならば、全国化する必要はないです》《全国の大学は、全日本で頑張ってください》との意見が目立ちました。
原監督は28日にも、《箱根駅伝全国化は陸上界発展のみならず、今日本が抱えている東京一極集中に伴う地域経済疲弊再生に寄与する大きな問題》と指摘していますが、《地域活性化につながるかというと疑問》と、なかなか共感は得られないようです」(週刊誌記者)
一方、ジャンルは違えど、まったく同じ角度からダメ出しされているのが、GACKTと二階堂ふみが主演を務める映画『翔んで埼玉』の続編だ。
2019年公開の前作は、興行収入37.6億円の大ヒットを記録。そして、11月23日に封切られる続編タイトルが『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』だと好評されたのだが……。
「続編は、GACKT演じる麻実麗と二階堂演じる壇ノ浦百美をはじめとする『埼玉解放戦線』が東西対決に挑むオリジナルストーリー。
6月28日、YouTubeにアップされた特報映像では、麗が『いまここで戦わなければ日本全土が大阪になってしまう』と嘆いたり、百美がたこ焼きを食べながら『なんでっしゃろ?』と関西弁を話すシーンが見られます。
しかし、『翔んで埼玉』がヒットしたのは、ターゲットを埼玉と関東(千葉、神奈川、東京)の関係性がわかる人たちに絞ったから。
作中に出てきたさいたま市関連のネタなどは旧浦和、旧大宮、旧与野の大きさや位置関係を把握してないとさっぱり意味がわかりませんが、逆にわかる人は『与野はすっこんでろ!』のセリフで大爆笑できた。
続編では地域を広げることで新たな客層を取り込む狙いがあると思われますが、“関西ローカルネタが出てきても笑えない” という懸念もファンからあがっています」
箱根駅伝も『翔んで埼玉』も “関東ローカルだから面白い” が正解か。