PCゲームプラットフォームのSteamを運営するValveが、AIで生成されたアセットを使用して作成されたゲームをブロックしていると報告されています。

Steam Might Be Banning Games Made With AI Art

https://kotaku.com/valve-ai-art-generator-steam-crypto-ban-metaverse-pc-1850590856



ゲーム業界専門の調査企業であるGameDiscoverCoの創設者であるサイモン・カーレス氏が、Reddit上で話題になっている「AI生成コンテンツを含むゲームがSteamで禁止されている」というスレッドをTwitterで共有しました。





話題になっているRedditのスレッドは以下。報告者がAIで生成されたコンテンツを含むゲームをSteamでリリースしようとしたところ、Steamから「ゲームの知的財産が1つ以上の第三者に帰属していると考えられます。特に、このゲームには第三者が所有する著作権で保護された素材に依存していると思われるAIによって生成されたアートアセットが含まれています。この種のAI生成コンテンツは法的所有権が不明瞭であるため、AIをトレーニングしたデータセットで使用されるすべてのIPに対する権利を所有していることを肯定的に確認できない限り、これらのAIアセットが含まれている状態でゲームをリリースすることはできません」というメッセージが送られてきたそうです。

Valve is not willing to publish games with AI generated content anymore : aigamedev

https://www.reddit.com/r/aigamedev/comments/142j3yt/valve_is_not_willing_to_publish_games_with_ai/



また、別のRedditユーザーも同様の理由からAI生成コンテンツを含むゲームのリリースを拒否されたと報告しています。この報告者は「優れたAIツールの登場により自分の仕事の価値がないと感じるようになったという報告を複数見ましたが、AIを使用したことで仕事が認められなくなってしまうという逆パターンを経験しました」と記しました。

I'm depressed because I CAN'T USE AI ANYMORE due to legal stuff! [Vent] : DefendingAIArt

https://www.reddit.com/r/DefendingAIArt/comments/14lybmc/im_depressed_because_i_cant_use_ai_anymore_due_to/



Steamの配信プログラムであるSteamworksには、「Steam上で公開できない事項」に「暗号通貨やNFTの発行または交換を可能にするブロックチェーンテクノロジーに基づいて構築されたアプリケーション」という表記があります。一方で、AI生成コンテンツが明示的に禁止されているわけではありません。

2022年にDall-E 2やMidjourneyなどの画像生成AIが広く利用可能になって以来、AIが作成した画像の著作権を確認することは非常に困難です。画像生成AIなどは正しく動作するようにするために大規模なデータセットを必要としています。AIが作成したコンテンツの著作権が認められるのかについてはさまざまな議論があり、アメリカ著作権局は当初「AIが作った芸術作品に著作権はない」と主張していたものの、AIで生成したコンテンツに「著作権保護の基準を満たすような修正」が人の手で加えられた場合は著作権が認められるという新しいガイダンスを発表しました。

AIが生成した絵や文章に著作権は認められるのか?アメリカ著作権局がガイダンスを発表 - GIGAZINE