完成いつ? 東京圏「デカい新道路プロジェクト」5選 渋滞緩和の″決定打″たち
東京周辺で、大きな道路建設プロジェクトがいくつか進行中です。いずれも開通すれば、周辺道路の混雑緩和に大きく期待がかかるものです。
東京圏の道路建設プロジェクトの主役級
戦後の人口増加とともに発達を続けてきた東京周辺の道路網。しかし、大渋滞や慢性的な混雑は今も各所で見られ、十分にはほど遠い状況です。建設が進む新たな道路の中でもmまさに現在進行形で、特にインパクトの強い道路事業を紹介します。
大泉IC・JCTを南から望む。すでに目白通りをまたぐ橋が1本架かっている(画像:Google)。
●外環道(関越〜東名)
都心から放射状に延びる幹線道路を束ねる東京外かく環状道路(外環道)は、東関東道・首都高湾岸線の高谷JCT(千葉県市川市)からぐるっと反時計回りに、関越道の大泉JCTまでがつながりました。しかしその先、中央道、東名、湾岸線川崎方面へはまだ未開通です。
事業が進んでいるのが「東名JCT(仮)」までで、それまでの区間とは全く異なる「大深度地下シールドトンネル」での建設となっています。
当初は2020年の開通予定でしたが、技術的な困難で延期。その後陥没事故の対処、安全対策をふまえた工法見直しなどで、現在は見通し不明の状況です。現在、本線シールドの本格的な再稼働は見送られていますが、JCT・ICのランプ部も掘進が進んでいます。
●圏央道 横浜区間(横浜湘南道路・横浜環状南線)
首都圏辺縁部をぐるりと囲む圏央道は、9割の区間が開通済みです。未開通部は藤沢市・横浜市内の計16.4km。新湘南バイパス藤沢ICから栄JCTまでの「横浜湘南道路」と、国道1号に接続する戸塚ICから栄JCTを経て、横浜横須賀道路の釜利谷JCTに至る「横浜環状南線」です。
気になる開通予定ですが、2025年度とされていたのが、2022年8月に白紙に戻りました。シールドトンネル工事の施工計画見直しなどがその要因で、今後掘削状況を見てあらためて公表するとしていますが、現時点でまだ未定のままです。とはいえトンネル以外の施設は進捗しており、栄IC・JCTのランプも大詰めに近い姿となっています。
一般国道バイパスも続々と進行中
●日野バイパス・八王子南バイパス(日野〜高尾)
国道20号甲州街道は、都心〜多摩エリアの唯一の大動脈として容量が限界に達していて、バイパスの整備が強く求められています。
杉並区〜府中市では「東八道路」が全通間近になっていますが、まだまだ工事途上の段階なのが、その先の日野バイパス・八王子南バイパスです。日野市役所のあたりから西南西へまっすぐ伸びていき、圏央道の高尾山ICへ接続します。
約15kmの大掛かりなプロジェクトのうち、高尾山ICから東へ2.6kmが2010年に先行開通。それ以外の区間は同時進行中で、各所で整地や側溝設置が始まっています。八王子市内は地下バイパスで一気に抜けていき、スムーズな東西連絡が図られます。山岳トンネルがあまり無いため工期は比較的短くなりそうですが、用地取得がスムーズに進むかどうかがカギになってきます。
●東埼玉道路(八潮〜松伏〜春日部)
国道4号バイパス(新4号)のさらにバイパスとして、新たに埼玉南部の南北軸を担います。外環道の「草加八潮IC・JCT(仮)」から北へ分岐し、松伏町を経て新4号に合流し、春日部市の庄和IC(国道16号交点)へ至る計画です。
この道路は地上の側道にあたる一般部と、自動車専用の高架部に分かれます。無料の側道部分は越谷総合運動公園までの5.7kmが完成し、そこから新4号までの8.7kmも事業中、そのうち浦和野田線までの3.8kmは「開通目標2025年度」が公表されています。
追いかけるように、高架部の工事も進行中。新4号に合流してから庄和ICまでの有料高架部のみ、事業化がまだの状況です。
●和光富士見バイパス
国道254号(川越街道)のバイパスとして、新たに埼玉南部の東西軸を担います。外環道の和光北ICからまっすぐ北西に伸び、富士見市内で川越へ通じる富士見川越バイパス(旧富士見川越有料道路)へつながります。
今のところ外環道から西に少しだけ開通済みで、次は2023年7月に、逆側から志木市役所付近までが開通予定。残りの区間も用地取得率は9割を超え、工事の本格開始が近くなっています。
この区間には「モデル工事」として、現地に120mだけ「完成形」が作られています。地元住民に「こんな道路になるんですよ」という見本を示すもので、両端は仕切られて通行はできません。