相模鉄道の列車が都営三田線などに乗り換るようになり3か月が経過しようとしています。これにより、東京から電車1本とバスだけで、日本一の高速SAである東名・海老名SAまでいくことも可能になりました。

乗り換え不要で海老名へ行けるように

 ヨコハマネイビーブルーと呼ばれるカラーリングが特徴な相鉄線の車両が、2023年3月18日のダイヤ改正により都営三田線や東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道に乗り入れを開始して、もう3か月近くになります。


下り線の海老名サービスエリア(斎藤雅道撮影)。

 この乗り入れにより、三田線系統では東京都板橋区の西高島平駅から、神奈川県の海老名駅まで長大な直通路線が実現しました。相鉄線のユーザーにとっては、東京都心や埼玉方面へのアクセスの選択肢が増え、移動時間の短縮などがクローズアップされています。しかし三田線側の住民にとっては、横浜方面へのアクセスの選択肢が多少増えたものの、どこか地味です。

 三田線の行先案内では「海老名」の文字が日常的に現れるようになりました。海老名、エビナ……その名を聞いて思い出される“観光スポット”といえば、東名高速の「海老名SA」でしょう。調べると、電車1本でたどり着く海老名駅から、公共交通機関と徒歩のみでSAまで到達できるというので、行ってみました。

 実は海老名SAは一般道側から歩行者の出入りが可能な作りになっており、海老名駅前から海老名市のコミュニティーバスを利用して簡単に行けます。バスは駅前の2番バスターミナルから発車し、SAの上下線のどちらも入口近くに停車するようになっています。乗車してから到着までは15〜20分程度です。

 しかし、コミュニティーバスは1時間に1本程度でしか運行しておらず、タイミングが合わない場合が多々あります。その場合は、路線バスを使用します。相鉄バスの綾11か綾12に乗り、「国分寺台第8」バス停まで行きます。

 ただし、このルートだと、バス停から海老名SAまで10分以上は歩きます。高速道路のガードを目指し、その下をくぐると上りのエリア、手前を左折すると下りのエリアに行くことができました。

ギネス記録を持つメロンパンは下り線のSAにある

 海老名SAは上下合わせて1日の平均利用者が10万人を超えるとされ、特にグルメが有名です。そのなかでもメロンパンは最も有名といって差し支えないと思われます。


「ぽるとがる」のメロンパン(斎藤雅道撮影)。

 海老名SAでいくつかあるメロンパンのうち、最も有名なのは、下り線のベーカリー「ぽるとがる」のそれです。SAが開業50周年を迎えた2018年には、48時間で2万7503個を販売するという偉業を達成し、これは「48時間の菓子パン販売個数世界一」としてギネス世界記録に認定されています。

「ぽるとがる」メロンパンはメロンのような緑色と、通常のものに比べて大ぶりなサイズで、外側がクッキーのようにサクサク、中は指で軽く触っただけで跡が残るほど柔らかくなっているのが特徴です。

 また、上り線「箱根ベーカリー」の「箱根スペシャルメロンパン」も海老名SAのメロンパンとして有名です。上り線にはほかにも、横浜名物の「崎陽軒」、小田原のかまぼこや神奈川県、静岡県の練り製品などを取り揃える「かまぼこ八兵衛」などがありフードコートも充実しています。

 また、上下線とも限定メニューなどが豊富です。下り線のカルビーキッチンには「ポテトチップス桜えび塩味」、上り線のPAOPAOには塩味のエビ入り肉まん「海老名まん」があるなど、海老にまつわるものが多くありました。

 ちなみに、下り線の歩行者入口は、完全に裏口といったつくりですが、上り線の入口はしっかりした店舗風の建物となっています。一般道側にも駐車場があるので、あえて高速道路に入らずに一般道経由でクルマを使って訪れるのもよいかもしれません。