かつて現在とは別のところにあった「高松空港」。役目を終えた旧空港はいま、どのようになっているのでしょうか。実際に行ってみました。

1989年に現空港がオープン

 香川県の空の玄関口である高松空港は、高松市中心部から直線距離で約15km南に位置しています。かつてこの空港は別のところにありましたが、1989年に現在の場所へと移転されました。その跡地は現在、どのようになっているのでしょうか。


旧高松空港の航空写真(画像:国土地理院)。

 旧高松空港は高松市林町に位置していました。市街地からは約6km南南東に離れた場所です。1944年に設置された陸軍飛行場をルーツに、民間空港として供用がスタート。そのときの滑走路は1200mのものが1本、駐機場は5つだったそうです。

 しかし航空需要の増大とともに、機材の大型化・ジェット機化が進められると、滑走路の延長が求められることに。旧空港では滑走路延長が困難だったことから、現在の位置に新たな空港を作ることになりました。

 その後、旧高松空港の跡地は「香川インテリジェントパーク計画」に基づき再整備されています。これは、「様々な産業支援機関や研究開発機関が集積し、産学官連携による研究開発・新規産業創出の拠点づくり」(国土交通省)を目的とした施設群に、旧空港の跡地を活かすというものです。

旧高松空港に行ってみた

 そのような旧高松空港の跡地に実際に行ってみました。

 かつて駐機場やターミナルビルがあった場所は、「サンメッセ香川」という総合コンベンション施設が建っています。滑走路があった区画は大学や図書館、研究所などが立ち並んでおり、一部は広大な駐車場としても使用。滑走路東端部の区画は住宅メーカーの社屋が、西端部は大手レンタルDVD店が建っていました。


旧高松空港の石碑(山口真紀子撮影)。

 空港として運用を終えて35年近くたつ2023年現在、この区画は、航空写真で見ると「旧空港を生かした施設群」らしさは残るものの、跡地を探索するかぎりではその”面影”はほとんどありません。強いて言うなら、「サンメッセ香川」前の道路がやけに真っ直ぐなくらい、といったところでしょうか。

 ちなみに、「サンメッセ香川」の駐車場脇には、ここが旧空港であったころを示す石碑が、ひっそりと掲げられています。