東京湾岸道路の“未開通部”5年で整備!? 首都高の新出入口も 川崎の巨大プロジェクト始動
大風呂敷が広がったぞ!!
一般人立入禁止の島「扇島」の開発計画まとまる
川崎市は2023年6月2日、「JFEスチール株式会社東日本製鉄所京浜地区の高炉等休止に伴う土地利用方針(案)」を中心とした「川崎臨海部 大規模土地利用転換」の概要について発表しました。市が「100年に1度のビッグプロジェクト」と位置付ける壮大な計画がついに始動します。
奥が扇島。製鉄所やエネルギー関連施設が立地。首都高湾岸線が通っているが出入口はない(ドラレコ画像)。
今年9月に予定されているJFEスチール東日本製鉄所の高炉休止に伴い、製鉄所が所在する「扇島」など、臨海部に約400ヘクタールもの新たな土地が生まれることから、その周辺地区も含めた土地利用転換の方針をまとめたものです。これに関連する道路などのアクセス整備についても方針が示されています。
東扇島と並び、川崎臨海部の最も海側に位置する扇島は現在、国際条約により一般人の立ち入りが制限されています。首都高湾岸線が通っていますが、出入口はなく通過するだけ。島へのアクセスは、本土側からの海底トンネル(水江町〜東扇島)と扇島大橋(東扇島〜扇島)のみが担っていますが、これらはJFEの「構内道路」という位置づけで関係者しか通れず、公道からのアクセスが存在しません。
そこで、2028年度からの一部土地利用転換開始に向けた“最低限のアクセス”として、次の道路を整備するとしています。
・国道357号(東京湾岸道路)東扇島〜扇島の橋梁
・国道357号の扇島内
・首都高湾岸線の出入口4ランプ(東京方向のみ都市計画決定済み。横浜方面含む)
さらに、東扇島への交通付加の対策として、現在建設中の水江町と東扇島を結ぶ「臨港道路東扇島水江線」のランプ追加、扇島内のアクセス道路などを整備していくとしています。
中長期的には、土地利用に応じた交通需要に対応すべく、東扇島〜扇島だけでなく、内陸の扇町と扇島を直接結ぶ道路の整備を検討するほか、BRT、鉄軌道を含めたアクセスにも対応していく構えです。
ちなみに、扇島の土地利用については、製鉄所周辺の「先導エリア」を「水素を軸としたカーボンニュートラルエネルギーの受入・貯蔵・供給の拠点」「高度物流拠点や港湾物流拠点の形成」とし、2030年の概成を予定。それ以外のエリアについては、公園や商業・文化エリア、生活エリアなどが予定されていますが、今後ゾーニングについて調整していくということです。