大宮駅西口が「バスタ」整備で一変?駅周辺開発と連携も どこまで検討進んだのか
JR大宮駅西口に「バスタ」のような集約型の公共交通ターミナルを整備する構想があります。どこまで検討が進んだのでしょうか。
「大宮駅西口交通結節点事業」とは
JR大宮駅西口に「バスタ」のような集約型の公共交通ターミナルを設けることが検討されています。これは国土交通省・関東地方整備局が「大宮駅西口交通結節点事業」として推進している事業で、駅周辺まちづくりと連携して整備することを視野に入れています。1982年の新幹線開業にあわせて再開発された西口ですが、「バスタ」の整備をきっかけに再度変化するかもしれません。
大宮駅西口駅舎(画像:写真AC)。
現在、大宮駅周辺のバス乗り場は分散しており、高速バスは主に西口「そごう」前やソニックシティ前にある停留所から発着します。しかし、これらのバス乗り場は屋外にあり、待合室やトイレもない簡素なものとなっています。利用者は立ったままバスを待つしかありません。
関東地方整備局はこれまで、「大宮駅西口交通結節点事業計画検討会」を2回開いており、整備の方向性を示していますが、建設する場所は決まっていません。今後、候補地の選定を経て事業計画を策定する予定で、これから検討が深度化していく段階です。検討会には関東地方整備局のほか、埼玉県、さいたま市、埼玉県バス協会、JR東日本などが参加しています。
この「バスタ大宮」には交通機能のほか、休憩施設などのサービス機能、一時滞留場所や防災備蓄倉庫といった防災機能、交流機能を導入する方針です。大規模災害発生時には、東日本各地から東京駅や新宿駅に向かう高速バスの通行が制限されるため、その受け皿とすることも視野に入れています。
施設内には高速バスや鉄道以外に、電動キックボードなどのパーソナルモビリティや超小型モビリティの乗り入れも想定。バスタを整備するだけではなく、駅施設と連携し、鉄道やバスを活用した貨客混載による物流効率化も支援するとしています。
候補地は決まっていないものの、第2回検討会では、「そごう」や「DOM」など、新幹線開業時に建設されて約40年が経過した駅前商業施設について「今後、大宮駅のターミナル機能強化のため更新の余地がある」と指摘しています。これらの施設は現時点で更新計画はありませんが、今後の動向が注目されます。また、大宮駅とさいたま新都心駅の間のエリアについても、高速埼玉新都心線があり、高速アクセスが良好としています。
さいたま市は現在、「大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想」を推進しており、駅の改良や東口駅前の大規模開発などが検討されています。この構想では、駅の東西を結ぶ新たな通路を整備することが盛り込まれており、西口の人の流れも変化することが見込まれます。
第2回検討会で示された「まちづくり・交通結節点の考え方(案)」によると、バスタの整備と大宮GCS構想などを一体で進めるとしており、駅周辺で複数の大型プロジェクトの検討が本格化する予定です。