JR東日本の大崎駅付近には現在、「宙に浮いた」状態となっている「大崎短絡線」の整備構想があります。今後はどうなるのでしょうか。

「大崎短絡線」整備の目的とは

 JR東日本の大崎駅付近には現在、「宙に浮いた」状態となっている「大崎短絡線」の整備構想があります。


湘南新宿ライン(画像:写真AC)。

 これは品川区西品川三丁目から大崎一丁目までの延長約1.1キロの路線で、横須賀線の東京方面行き線路から左へ分岐し、大崎駅構内の新宿方面行き線路へ接続するものです。
 
 武蔵小杉方面から北上してきた湘南新宿ライン他と横須賀線は西大井駅北側で平面分岐しているため、対向列車の進路を支障する構造となり、ダイヤ上のボトルネックとなっています。
 
 もともとダイヤが乱れやすいうえに、2019年には相鉄・JR直通線の列車も加わったことで、ボトルネックは悪化。大崎短絡線はこの平面交差を解消し、輸送の安定性向上を図ります。
 
 JR東日本は事業化のため2007年1月に環境アセスメント計画書を提出しましたが、2007年3月に審査意見書を受け付けたところで動きが止まっており、事実上「宙に浮いた」計画になってしまっています。
 
 この計画は今後どうなるのでしょうか。JR東日本は「計画を中止したわけではなく、輸送の安定性向上の寄与に資する事業ですが、地域住民のご理解が必要不可欠であると考えております」と話します。
 
 同様のケースではかつて、池袋駅の南側で分離される埼京線と湘南新宿ラインの平面交差が課題となっていました。2004年に駅北側で埼京線南行きが湘南新宿ラインをまたぐ配線になったことで解消され、大幅に湘南新宿ラインが増発されています。