名鉄28年ぶり運賃値上げ 24年3月から初乗り10円増 特別車両券も90円値上げ
特別車両には、新たに閑散時間帯割引料金が設定されます。
名鉄名古屋本線の西枇杷島駅にて(2019年6月、草町義和撮影)。
名古屋鉄道は2023年5月26日(金)、上限運賃の改定を2024年3月に実施するため、国土交通大臣宛てに鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表しました。
改定率の平均は10.0%。内訳は普通運賃の平均改定率が10.5%、通勤定期の平均改定率が11.6%です。通学定期は家計負担に配慮し据え置かれます。
初乗り運賃は10円(きっぷ)の値上げに。ただし、7kmまでの区間は改定率を抑えるとしています。例えば名鉄名古屋〜知立間をきっぷで移動すると、現行の510円から「570円」となります。なお知多新線、豊田線、羽島線、空港線に設定されている加算運賃は変更しません。
また、「ミュースカイ」や「パノラマsuper」(1・2号車)など特別車両の料金についても、現行の360円から「450円」に値上げします。車内精算の場合は「500円」となります。ただし、同時にネット予約サービス限定の閑散時間帯割引料金を設定。平日の午前9時台から16時台、および土休日は「300円」とします。
名古屋鉄道で運賃値上げが行われるのは、消費税率変更に伴うものを除くと、1995(平成7)年以来およそ28年ぶりです。同社は運賃改定の理由について、「当社が主な事業エリアとしている中京都市圏は、三大都市圏の中では人口密度が低く、マイカー保有率も高いことから移動における公共交通の分担率が低水準であり、鉄軌道事業としては従前から厳しい環境にありました。そのような中、新型コロナウイルス感染症による通勤利用者の減少などにより、輸送需要はコロナ前水準に戻らない見込みであるとともに、電力料金や資材価格の高騰による経費増加の懸念もあり、厳しい状況は今後も継続する見込みです。一方、鉄軌道事業を継続し、永く社会に貢献し続けるためには、安全・安心・安定輸送の確保に必要な既存設備の更新に加え、社会環境の変化に合わせた投資が必要不可欠となります。事業継続に必要な対応を着実に実施していくために、不足する費用の一部についてお客さまにご負担をお願いするため、運賃改定の申請を行いました」としています。