「気分が悪い時は次で下りる」大事です。

輸送人員は対2021年度でプラス10.2%

 東急電鉄が「安定運行・遅延抑制に向けたご理解とご協力のお願い」と題して、駅構内や列車内でのマナーについて呼び掛けています。2023年5月下旬に同社ウェブサイトに掲載された主な内容は、整列乗車、ドア付近を空けること、駆け込み乗車(の防止)、手荷物の置き場所でした。
 
 コロナ禍を経た鉄道業界は、その輸送人員が回復基調にあります。東急電鉄は2022年度の実績を、対2021年度でプラス10.2%と発表しており、2023年度の通期予想は対2022年度でプラス3.1%と見込んでいます(対2019年度はマイナス14.1%)。


写真はイメージ。混雑した車内で手荷物を床に置かれると、別の人がつまづくなど周囲の迷惑となる場合がある(画像:akulamatiau/123RF)。

 こうして以前のように利用者が戻れば、混雑も同時に発生します。特にテレワークなどが浸透した現在、久々に鉄道を利用したという人もいるでしょう。上記4項目のマナーについて、東急電鉄はイラスト付きで以下のように呼び掛けています。

●整列乗車
スムーズなご乗車のために、整列乗車にご協力ください。なお、整列乗車の方法は駅により異なる場合があります。ホーム上の案内をご確認ください。

●ドア付近を空けてください
列車内において、ドア付近のお客さまは、降りるお客さまのために一旦ホームへ降りていただきますようご協力ください。

●駆け込み乗車
駆け込み乗車は、他のお客さまとの衝突やケガの恐れがあります。また、電車が遅れる原因にもなりますので、慌てずに次の電車をご利用ください。

●お手荷物の置き場所
混雑した車内では、手荷物が周りのお客さまの迷惑にならないようにご注意ください。

迷惑行為トップ5とは

 日本民営鉄道協会が2022年10月1日から11月30日にかけて実施した「駅と電車内のマナーに関する調査」によると、迷惑行為のトップ5として挙がったのが「座席の座り方(詰めない・足を伸ばすなど)」「騒々しい会話・はしゃぎまわり」「乗降時のマナー(ドア付近で妨げるなど)」「手荷物の置き方、持ち方」「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」でした(回答者:3305人)。

 車内などでは、自分では気づかない箇所で他人の迷惑になっている場合があるため、乗車する前から“周囲への配慮”を意識するとよいかもしれません。


マナーポスターの一例(画像:東急電鉄)。

 東急電鉄は同時に、以下についても呼びかけを行っています。

●分散乗車とオフピーク通勤・通学
朝ラッシュの時間は特に運転本数も多いため、1本の列車の遅延が後続列車にも影響していき、大幅な遅れにつながってしまいます。混んでいるドアを避けたご乗車(分散乗車)に協力いただく、あるいは時間をずらしたご利用(オフピーク乗車)の検討をお願いいたします。

●車内で体調が悪くなった場合
車内で体調が悪いと感じたら、無理をせずに次駅で降車いただき、近くの駅係員までお声掛けください。駅でお休みいただく、あるいは緊急搬送要請をするなど適切に対応します。