このままでは販売しないらしい。

公道と一般道両方に耐えられる設計に

 イギリスの自動車メーカー・ケータハムは2023年5月23日、バッテリーEVのコンセプトカー「EVセブン」を発表しました。


EVセブンを横から(画像:ケータハム)。

 ケータハム・セブンは1957年以来、基本的な姿を変えずに、今まで生産されているモデルです。もともとロータスの軽量スポーツとして登場し、1973年にケータハムがその製造・販売権を取得、いまに至っています。その極めてクラシカルなクルマのEVコンセプトモデルが登場します。

 このコンセプトカーは軽量な電気自動車の実現可能性を検証するもので、モータースポーツ用パワートレインを製造するスウィンドン・パワートレイン社と共同開発。公道、サーキット両方での走行に耐えられるよう、ワイドボディーのセブンのシャシーをベースに、専用のモーターやインバーター、変速機をセットにした「e-Axle」を採用しています。

 また、バッテリー液浸冷却は、ケータハムの技術パートナーであるモチュール(MOTUL)が供給する誘電性流体を使用し、バッテリーセルに直接接触させることで、最適な熱管理により充電速度の向上とバッテリー寿命の延長を実現。これはスーパーコンピューターなどの冷却に使われることもある最新技術とのことです。

 なお、車両重量は700kg未満を見込んでいるといい、おおよそ日本の軽自動車並みになるようです。

 ただケータハムは、このままの形で市場流通させる計画はないといいます。CEOのボブ・レイシュリー氏は「このプロジェクトはEVパワートレインがお客さまの個々の使用ケースに対して、どの程度有効なのかを確認するためのテストベッド。ケータハム車特有の車両特性を実現する方法を学び、適切なタイミングで、この車両を市場に投入するつもりです。だからこそ、今がこのコンセプトを試すときなのです」としています。

 このEVセブンコンセプトは、2023年7月にイギリスで開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで一般公開されます。