JR東日本は5月16日、2025年度の完成を目指して高輪ゲートウェイ駅前で進めている再開発事業について、街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定した。

KDDIと共同でスマートシティ構築を目指し、街の中に存在するデータを収集・分析する基盤「都市OS」や、蓄積したデータをもとにして現実の環境を仮想空間上に再現する技術「デジタルツイン」を導入する。鉄道データや商業データ、ロボットなどを活用して新たなサービスを開発し、将来的には人口減少や環境問題などの社会課題解決に活かすとしている。

また、南北約1キロ以上にわたって、東海道五十三次にちなんだ広場「53 Playable Park」を整備。環境保全をテーマにしたビオトープや、現場から発掘された明治時代の鉄道遺構「高輪築堤」見学できるエリアを設ける。高輪ゲートウェイ駅の南側(品川方)には公園に繋がる新たな改札口を設ける。

▲高輪の「高」の字をイメージしたロゴマークを発表するJR東日本の深澤祐二社長(左)とKDDIの郄橋誠社長

街の完成時点で、高輪ゲートウェイ駅の1日の乗降人数は約13万人になると見込む。都内で開いた会見でJR東日本の深澤祐二社長は、「この街には日本各地や世界中から企業や大学が集まり、クリエーターが訪れる。共創によってまだ見ぬ化学反応を起こし、世界中からこの街に投げ込まれる課題に対して新たなイノベーションを起こしていく」と力を込めた。

再開発事業は、かつて品川駅の北側にあった旧田町車両センターを縮小・改組して生まれた約9.5ヘクタールの敷地で進められているもの。高輪ゲートウェイ駅を中心に、オフィスや商業施設などが入居する複合ビル3棟と、エキシビションなどが開催できる文化創造棟、住宅棟の5棟の再開発ビルを建設している。このうち、複合ビル2棟と文化創造棟は2025年3月に先行開業する。複合ビル棟には「JWマリオットホテル東京」が開業するほか、KDDIが千代田区飯田橋の本社機能を移転させる予定。