練馬IC渋滞の特効薬? 関越道「新座料金所スマートIC」計画の今 その先に“大江戸線の延伸計画”が?
関越道の起終点・練馬ICは一般道だけに直結しているため、しばしば出口渋滞が発生します。その手前で下りられたら渋滞を回避できるのに……。それを叶えるかもしれない「新座料金所スマートIC」計画、いまどうなっているのでしょうか。
練馬ICの手前に「新座料金所スマートIC」計画
地方を中心に整備が進んだ高速道路のETC専用「スマートIC」が、東京に近い交通量の多い場所でも増えてきました。中央道には府中スマートICがあるほか、常磐道の三郷料金所スマートICは2023年4月現在、全方向の出入りに対応する“フル化”工事が進行中。今後は外環道や東関東道でもスマートICが建設されていきます。
関越道の練馬IC。首都高とつながっていないため、出口から本線まで渋滞する(画像:pixta)。
そうしたなか、以前から地元で計画がありながら事業化に至っていない東京圏のスマートICのひとつに、「新座料金所スマートIC」(仮称、埼玉県新座市)があります。新座料金所は、関越道の本線料金所です。東北道の浦和料金所には浦和IC、常磐道の三郷料金所には上述したスマートICが併設されているのに対し、関越道にはこうしたICが存在しません。
関越道の上り線は、終点の練馬ICが首都高ではなく一般道とだけつながっているため、交通量の多いときは本線にまで出口渋滞が続くこともあります。それより手前のICとなると所沢ICがありますが、練馬ICと約9.4km離れているうえ、練馬方面へはまともな道がないに等しく、細い街路をくねくねと進まなければなりません。
そこで新座料金所スマートICができれば、練馬IC出口渋滞に巻き込まれる前の“ちょうどいい位置”で高速道路を出ることも可能になりそうです。
とはいえ、新座料金所の周りは住宅や事務所が取り囲んでいる状況。地図上で接続道路として考えられるのは、料金所南側で交差している県道22号保谷志木線ですが、新座市都市計画課によると、「保谷志木線ではICが接続するには狭すぎる」といい、別の路線を考えているそうです。
その、今は存在しない新たな接続道路の整備が、スマートIC計画のカギを握るようです。
もっと広い道路に接続するぞ!
新座市都市計画課によると、スマートICが接続するのは都市計画道路「保谷朝霞線」を予定しているといいます。この道路は、東京都の都市計画道路「調布保谷線」の延伸部にあたります。
調布保谷線は「多摩南北道路」5路線の最も東の路線として位置付けられているもの。調布IC付近の国道20号から北へ延び、東八道路、青梅街道、新青梅街道と交わりつつ、現在は西東京市(旧保谷市)と埼玉県の境でぷっつり途切れています。
これをさらに新座市側へ延伸させ、その途中でスマートICが接続する計画だそう。その位置は新座料金所より北側と考えられます。
ただし、西東京市境から約1.7km(産業道路まで)は事業が進んでいるものの、関越道との交差部までは未だ事業化されておらず、「(そのルートと)ICの形をどうするかということを並行して検討を進めている段階」といいます。
新座料金所付近。スマートICの建設計画がある(乗りものニュース編集部撮影)。
スマートICのさらに先に「大江戸線延伸」が?
実は、新座市がもうひとつ、スマートICとほぼセットで計画を考えてきたものがあります。それは「地下鉄大江戸線の新駅」です。
都営地下鉄大江戸線を光が丘から西へ延伸させる計画もまた、練馬区西部や新座市で長年にわたり要望が繰り広げられている案件です。2016年には国の交通政策審議会が取りまとめた答申で、武蔵野線 東所沢駅までの延伸が“進めるべき”プロジェクトに位置付けられています。
この途中に「新座中央駅」(仮称)が設けられる見込みです。市はこれをスマートICと連携させ、交通の拠点とするビジョンを打ち出してきました。
スマートICや新駅の周辺は現在、市街化調整地域に指定されており、開発が制限されています。とはいえ、大江戸線の延伸は練馬区内の区間すら未だ事業化されておらず、まだまだ先の話。新座市都市計画課によると、スマートICのほうがより現実味を帯びているといい、逆にスマートICができれば、大江戸線新駅の計画を実現させる一つの要素になり得ると話します。