東急電鉄がリニューアルした「SDGsトレイン」を報道陣へ公開。車両は目黒線と東急新横浜線用3020系です。東横線などでも期間を延長し2026年3月末まで運行する予定ですが、なぜ3020系にも装飾を施したのでしょうか。

ホームドアに配慮した装飾

 東急電鉄が2023年4月17日(月)、リニューアルした特別企画列車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」を、元住吉検車区(川崎市中原区)で公開しました。「SDGsトレイン」は2020年9月より東横線、田園都市線、世田谷線で運行されてきましたが、このたび車体デザインや車内掲出物を一新。4月からは、運行路線に目黒線と先月開業した東急新横浜線を追加します。


リニューアルした特別企画列車「SDGsトレイン 美しい時代へ号」。車両は東急3020系電車(2023年4月17日、大藤碩哉撮影)。

 公開された車両は東急3020系。これは目黒線と東急新横浜線用の電車です。3020系も追加した理由について、東急電鉄の広報担当者は「東急新横浜線の開業により、既存の地下鉄線に加え相鉄線方面にも長距離走行し、広くPRできるためです」と話しました。

 ただ3020系は4月17日時点で、新横浜駅から先の相鉄線へは乗り入れられません。広報担当者によると、車両の機器を理由に挙げました。ただし、せっかくの特別企画列車なので工事を実施し、近いうちに相鉄線内へも直通できるようにするとのことでした。

 車体デザインは従来のモザイク調のものから、虹を想起するようなカラフルなものへ。これは「SDGs」の象徴である17色を混じり合わせたグラデーションです。なお装飾が客室窓から上部に施されているのは、下部はホームドアで絵柄が隠れてしまうからです。

 東急電鉄が「SDGsトレイン」を運行させる理由は、その認知度向上を図るためだけではなく、東急グループや参画する企業・自治体・団体の具体的な取り組みを周知する目的もあります。そしてこの取り組みは、関西の私鉄である阪急阪神ホールディングスも行っており、同じく「SDGsトレイン」を運行しています。

 一私企業としてのアクションだけではなく、様々なプレイヤーと手を取り合うことで、困難な社会課題の解決にともに立ち向う共創につながっていく――東急電鉄の「SDGsトレイン」は期間を延長し、2026年3月末まで運行される予定です。