北欧サーブと南米エンブラエル「蜜月」に 新輸送機へ向け協力強化 その先に“新戦闘機”か
ブラジルとスウェーデンが協力。
北欧と南米の軍需産業が協力強化
スウェーデンの航空機・軍需メーカーであるサーブはブラジル時間の2023年4月11日、リオデジャネイロで開催された、南米最大の防衛イベントであるLAADにて、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエルと覚書に署名し、その内容を発表しました。
ブラジル国旗を尾翼にあしらったグリペン(画像:ブラジル空軍)。
覚書ではとくに戦闘機サーブ39「グリペン」とエンブラエル製の輸送機C-390「ミレニアム」に焦点が当てられています。
これまでスウェーデンは輸送機に関しては、C-130Hを改修して使い続ける予定でしたが、2023年3月に老朽化した同機6機を交換するための選択肢を考えると発表していました。今回の覚書では、C-390でスウェーデン空軍の戦術航空輸送要件を満たすことを目指し、サーブの機器と同機のシステムの統合を図るなどし、両社が協力していくようです。
さらに両社は、ブラジル空軍が使用している「グリペンE」向けに、サーブからエンブラエルへの技術移転を強化することも盛り込まれています。同機はエンブラエルがブラジル国内での組み立てを行っているもの。これは2060年までの「グリペン」の強化と、将来の戦闘機開発のためと思われます。
この件に関してエンブラエルのCEOであるスコ・ダ・コスタ・ジュニア氏は「2社は協力して、ブラジルに続く優れた能力を提供し続けています。この合意は成果を最大化しながら、ブラジルを超えて、サーブとエンブラエルの間の新しい分野への協力を拡大するための重要なステップです」と述べました。