路線名「鮎川停車場線」、その駅もうありません!

その名も都市計画道路「鮎川停車場線」 そんな駅はもうない!?

 茨城県は2023年4月10日、日立市内で整備を進めていた都市計画道路「鮎川停車場線」850mが5月24日に開通すると発表しました。


常磐線のアンダーパスが開通する都市計画道路「鮎川停車場線」(画像:Google)。

 国道6号と、その海側に並走する国道245号を結ぶ路線で、JR常磐線をアンダーパスします。県は、「常磐線で分断されていた地域の人流や物流の円滑化や、市内で慢性的に発生している交通渋滞の緩和につながるほか、緊急輸送道路網が強化され、県北地域の防災機能強化にも大きく寄与する」としています。

 なお、路線名は「鮎川停車場線」ですが、鮎川という駅はもう存在しません。鮎川駅は、2005(平成17)年まで、常磐線に並走して営業していた私鉄「日立電鉄」の終着駅でした。駅跡はアンダーパスから北へ350mほどの国道245号沿いにあります。

 実はこの鮎川停車場線から、さらに“海上”へと延伸する計画があります。

 鮎川停車場線は今後、国土交通省が整備する「日立バイパスII期」区間と接続します。日立バイパスは日立市旭町から北へ、海に高架橋が張り出した国道6号のバイパスとして知られますが、これはI期区間にあたり、旭町から南へ3.0km、海際や海上を延伸させる事業がII期区間です。鮎川停車場線は、日立バイパスと国道6号の連絡を主に担うようになります。

 日立市街は海と山が近いこともあり、国道6号、245号とも要所で混雑が発生しているとされています。その解決策として期待される日立バイパスII期区間。現在、用地の取得などが進められています。