中国の空をエアバス機が初めて飛んだのは1985年のことだそう。

今後20年で貨物仕様含め約8500機の需要アリ

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2023年4月6日、中国天津にあるA320旅客機の組立ラインを増設すると発表しました。

 これはフランスのマクロン大統領訪中に関連して発表された内容で、彼と習近平国家主席による立会いのもと、エアバスと天津保税区投資有限公司および中国航空工業公司、双方の関係者が協定に署名することで決まりました。


中国・天津にあるエアバスの最終組み立て工場(画像:エアバス)。

 2023年4月現在、エアバスは、ドイツのハンブルク、フランスのトゥールーズ、アメリカのモービル、そして中国の天津、この4か所にA320シリーズの最終組み立てラインを設けています。天津の最終組み立てラインは2008年に開設され、これまでに600機以上を出荷してきた実績を持っており、2023年3月には同ラインとして最初となるA321neoの引き渡しも果たしています。

 エアバスでは、中国の航空需要は今後20年間で年5.3%ずつ増加すると予測しているそう。これは世界平均の3.6%を大幅に上回る数値です。これにより、2041年までに8420機の新造機需要(貨物用含む)が期待できると見込んでいることから、このたびの組み立てライン増設に踏み切ったとしています。

 なお、新たな組み立てラインの設置によって、エアバスでは2026年までに月産75機にまで生産数を増やす計画です。