消滅していく「渋谷駅旧外回りホーム」82年の日常解体中 レンガ積みが露出も「完全消滅」間近
渋谷駅の山手線外回りホームは、2023年1月8日に役目を終えました。現在は解体工事が進んでいますが、どんな風景になっているのでしょうか。
1月8日に営業終了
2023年1月9日の始発より、渋谷駅の山手線ホームが大きく変わりました。内・外回りホームが1つのホームに集約され、西側にあった外回りホームは役目を終えたのです。
そして現在、この旧外回りホームは解体工事が進められており、次第に見慣れたかつての面影を無くしつつあります。
解体が進むかつての渋谷駅外回りホーム(乗りものニュース編集部撮影)。
渋谷駅外回りホームの歴史は戦前の1940(昭和15)年までさかのぼります。東側は貨物線が並走し、その東側も東急のターミナルがあって拡幅できないため、「ホーム/線路/ホーム/線路」という変則的な位置関係のまま82年間も続いてきました。
閉鎖から3か月を迎える現在、ホーム解体工事はかなり進行しており、北端から南端まで、すでに建築物の大部分に手が入っている状況です。
ハチ公口側で銀座線がまたいでいく周辺は、壁の向こうにあったコンクリートブロック積みとレンガ積みのような構造が露出し、82年の歴史の重みをまざまざと見せています。一部は除去されてハチ公広場がホームから覗ける状態に。もはや昨年まであった姿はどこにもなく、寂しくもあります。
中央改札も同じで、上り階段がかろうじて原型をとどめている状況。ホームの丸い柱には案内板がのこされていますが、周囲の壁はコンクリートが露出し、「一瞬で滅びたばかりの文明」といった様相になっています。
南側は比較的かつての姿を残しており、南改札へ下りる階段やベンチ、案内板などがあります。9号車あたりにあった丸いブース「駅長事務室」も、そのまま残されています。仮設の駅名標が2枚と、「82年間ありがとう!」という幕が貼られたままでした。