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ありがとう、侍ジャパン！

侍ジャパン、WBC世界一改めておめでとうございます。そして、ありがとうございます。素晴らしい夢を見させてくれた選手・監督・コーチ・関係者すべてのみなさんに深く感謝したいと思います。永久に野球史に残る宝物のような時間でした。今から早くも次の大会が楽しみになるような、遠くに楽しい予定が生まれたような、元気と勇気をもらうことができました。

そんな感動の世界一から少し時間が経ち、ようやく涙も涸れ、平常心が戻ってきました。涙のなかで水に流れていた出来事や、今はそんなこと気にしている場合じゃねぇと放置されてきたこと、そういった些末なことも備忘として記録しながら、この感謝の気持ちを伝えたいと思います。感謝100％、全員MVP、フルリスペクト、そんな気持ちでいっぱいです！



2023WBC栄光の侍ジャパンメンバーへの感謝のメッセージ

★★★★★ダルビッシュ有さん★★★★★★

2009年の世界一を知る唯一のメンバーとして、アメリカとメジャーリーグを誰よりも知る頭脳として、合宿初日からチームに合流してくれたチームの支柱（※精神的支柱かどうかは判断保留）。「ダルビッシュがきた」その事実が今回のジャパンをドリームチームにする第一歩であったし、世間に大きな波を広げた出発点でもあったので、感謝しかない。投手・ダルビッシュ有としては出るたびにキッチリ1本ずつホームランを打たれており（※1本は誤審と推定）、毎回チームを危機に追い込むまぁまぁ微妙な感じではあったが、ベテラン枠とは得てしてそんなものであるので、「ダルビッシュさん拝観料」と思って受け入れて当然だろう。逆に言えば「メジャーの最上級投手が参加していたとしてもこんな感じだったのでは？」というタラレバ封殺としても機能していたし、そのぐらいの感じだったからこそ決勝戦の8回表が4番・アレナドさんから始まったのに9回表で2番・トラウトさんまで回すことができたとも言えるので無問題。たくさんおごってくれてありがとうございます！

↓「焼肉決起集会をやったチームは負ける」という都市伝説をも粉砕！


★★★★★戸郷翔征さん★★★★★★★

初戦中国戦と決勝アメリカ戦に登板。アメリカ戦で2番手としてマウンドにあがった際、緊迫感のあるピンチの場面でターナーさんを三振に取ったフォークはピカイチの1球だった。世界のどこにいっても打たれない最高のボールだった。一方、もう完全に記憶も薄れてきているが、中国戦では「中国がこの大会で打った唯一のホームラン」をポコンと献上しており、打たれるボールと打たれないボールの差が大きいように見受けられた。世間ではそれをギャップ萌えと言うのかもしれないが、3年後のWBCでは「アメリカ戦もしくは阪神戦の戸郷」でまた侍ジャパンに集ってほしい。中国代表リャン・ペイ選手を代弁して、素敵な思い出をありがとうございます！

★★★★★松井裕樹さん★★★★★

強化試合・中日戦での0回3分の2で4失点の大乱調は、「大貧民ではスペードの3がジョーカーに勝つ」みたいな現象を「中日最強説」として世間に流布する混乱を招いた。その前のWBC球を用いた練習試合でも大乱調となっており、ボールが指にかからない感じがアリアリ。たまらず大谷さんが試合中に握りアドバイス講座を開催するなど「2015プレミア12の再現は勘弁してくれよ…」でみんなの心がひとつになった。所属チームでは守護神として試合終盤に活躍するなか「中国戦を頼むぞ」などと比較的序盤の戦いでの奮闘を期待されるのは不満もあっただろうが、日本の期待に応えて韓国戦の1イニングにすべてを出し切ってくれたことには感謝するばかり。よかった、本当によかった。最後まで帯同してくれてありがとうございます！

★★★★★佐々木朗希さん★★★★★★

3月11日という大切な日に行なわれたチェコ戦と、大事な大事な準決勝メキシコ戦で先発し、先発の役目を果たしてくれた。チェコ戦で死球を与えたあとお詫びお菓子を持っていったという逸話や、メキシコ戦でスリーランを浴びたあと「やっべぇ」と濡れた子犬のような表情で味方の反撃を祈っていた姿にはキュンときた。もっとも、メキシコ戦で最終的に味方が逆転サヨナラを決めたあと殊勲の村上様にゲータレードをブチまけてアメリカ流のお祝いをしたときには「先にありがとうだろ！」となったのも事実。決勝戦では完全に気楽な顔で試合を楽しみ、優勝の瞬間には102マイルの帽子投げを披露していたが、次回はWBCエンジョイ勢ではなく決勝戦のマウンドに立つ大エースであってほしい。同郷人として、岩手に元気と勇気を届けてくれてありがとうございます！

★★★★★大勢さん★★★★★★★

日本代表の守護神として4試合に登板。特に絶体絶命の状況だったメキシコ戦の9回表をしっかりとゼロで抑えて、攻撃へのいい流れを作ってくれたところは大きかった。決勝戦は「夢のリレー」に試合を締める役割を譲ったが、そこはもう納得してもらうしかない。次回は「最後は大勢で」と誰もが思うような選手として再びWBCの舞台に帰ってきてほしい。なお、侍ジャパンが帰国したとき、「空港には大勢のファンが集い…」の定番フレーズが、絶対ナイとは思いつつ「全員大勢のファン説」がよぎって紛らわしかったので次回までに登録名を「TAISEI」とかにしておいてもらえるとありがたい。ガチでありがとうございます！

↓絶対ナイとは思うけど、一応ひらがなで書いておいたぞ！


★★★★★伊藤大海さん★★★★★★★

イタリア戦では大谷さんが2失点したあとのピンチを好リリーフで火消しし、アメリカ戦でも1イニングを完璧に抑えた。立ち上がりのよさ、精神的な強さも含めて「一番ヤバイときには伊藤を行かせよう」と信頼できる貴重な切り札だった。日ハム・新庄監督からの「フォアボール出したらストレートパーマね」という激励は、冗談のようでもあるが、それぐらいやってもらわないと困るという期待の表れでもある。これからも一番ヤバイときを任せようと思うので「四球はストレートパーマ」「被安打はパンチパーマ」「失点はアフロ」を胸に秘めて頑張ってほしい。絶対的安心感をありがとうございます！

↓次回もいろんな誓約を課してあげてください！


★★★★★山本由伸さん★★★★★★★

オーストラリア戦では先発として完璧なマウンドさばき。準決勝メキシコ戦ではもう絶対に離されたくないという厳しい局面で第二先発として希望をつなぎ、「さすが日本プロ野球最高の投手」というチカラを見せた。あの厳しい局面は投手・大谷さんにさえ託すことは難しかっただろう。この選手が日本にいてくれて本当によかった。ただ「この選手が来年も再来年も普通にオリックスにいるのかぁ」と思うと、他球団ファンとしては「もうやることないだろ」「年齢をごまかせないかな？」「国内リーグ戦も65球制限にするべき」と気が重くなる。日本にいるうちにしっかり目に焼き付けつつ、次回はメジャー組としての参加になっていてほしいと切に思う。とりあえず最高のピッチングをありがとうございます！

★★★★★今永昇太さん★★★★★★

韓国戦では先発の誰かが3失点してイヤーな雰囲気になったあとの4回から登板し、試合の流れを引き戻す活躍。準々決勝イタリア戦では必勝リレーの一角に入り、さらに決勝アメリカ戦では先発を託され、見事に役割を果たした。行き掛かり上、自分のユニフォームが野球殿堂に寄贈されてしまったことはよかったのか悪かったのかよくわからないが、生涯忘れがたい記憶が残ったと思うのでユニフォームのことは諦めてほしい。シャンパンファイトでヘンな踊りをしているとき、佐々木朗希さんに暴露された「決勝の先発俺しかいない」と言っていたという件は、決してエース気取りだったということではなく、残っているメンバーを検討したなかでの高い自覚の表れだったと確信している。朗希さんの「エース！」という野次も「社長！」くらいの意味なのだろう、うん。大事なユニフォーム諦めてくれてありがとうございます！



★★★★★湯浅京己さん★★★★★

準決勝メキシコ戦の8回、これ以上はもう本当に1点もやれないという状態で救援に送り込まれ、1点やった。まぁ、その、なんだ、1点で止めてくれてありがとうございます！

★★★★★宇田川優希さん★★★★★★

韓国戦とチェコ戦に登板後、何故か出番はなくなったが、コーチ陣から「一番ブルペンのバックアップに回ってくれた」と特別な労いも受けた通称「会長」。実際、ブルペンで準備している映像は何度も見たし、「どうしても困ったときには宇田川のフォークがある」という期待感は大きかった。クレジットカードの付帯保険みたいな感じで、使わないけどあると安心という気持ちになった。ダルビッシュさんのツイッターでも「絶対に映してはいけないもの」があるときに宇田川さんのスマホが大活躍していたように、前に出ることだけが貢献ではないのだ。影の功労者を担当してくれてありがとうございます！

↓ハッシュタグ「#私の息子も混じってます」はもちろんそっちの息子ではない！


★★★★★橋宏斗さん★★★★★★★

弱冠20歳、最年少メンバーとしてチームに勢いを与えてくれた。決勝アメリカ戦では「ここで投げさせるのか…！」「オーストラリア戦で普通に打たれてたぞ…！」「本人と栗山監督とどっちの肝が据わってるんだこれ…！」と若干の驚きを覚えたが、見事に期待に応えてくれた。あのイニングを抑えた瞬間は、本人のガッツポーズ以上に日本がガッツポーズをした瞬間だったと思う。現地の法律の関係で未成年扱いだそうで、シャンパンファイトで飲めなかったお酒は次回大会でぜひ味わってほしい。アメリカを抑えてくれてありがとうございます！

↓誰だ！「固めの盃」とか呼んでるのは！


★★★★★宮城大弥さん★★★★★★

本番での登板はチェコ戦のみとなったが、岩手出身の佐々木朗希さんから始まり、仙台大出身の宇田川優希さんへつなぎ、そして「宮城」さんで締めるというリレーには、この日にこの試合を捧げるという栗山監督の秘めたる意志を感じた。また、佐々木さんとのワチャワチャした仲良しぶりは厳しい戦いの最中にも「癒し」を与えてくれるコンテンツとして大いに楽しませてもらった。佐々木さんからぶつけたお詫びの品を相談されたとき「菓子折り」を提案したのはナイスだったので（※ロッテグループの一員として本人が思いつくべきという話はあるが）、今後も代表としてのチカラを備えつづけ、佐々木さんの相手をしてあげてほしい。社会人として的確なアドバイスありがとうございます！



★★★★★高橋奎二さん★★★★★★

登板はオーストラリア戦の1試合のみだったが、2回を無失点で仕事を果たした。唸る剛腕、唸るストレート、今回は機会が少なかったが次回へ向けてさらなる飛躍を期待したい。登板が少なかったぶんなのか、カメラマンとしてインスタを中心に情報を発信してくれたのは日本で見守るファンとしてもありがたかった。貴重なロッカールームの様子や、貴重な飛行機内の様子を伝えてくれてありがとうございます！

↓人違いされないよう、今後は自撮り中心でもいいかもしれない！


★★★★★栗林良吏さん★★★★★

一次リーグ後に腰の張りで離脱。その後はユニフォームを通じて侍ジャパンを見守ってくれた。この素晴らしい歓喜を見たあとだと、せめてその場にいたかったという口惜しさもこみあげているかもしれないが、次回大会でその想いを実らせてほしい。永久に見返すことになる表彰式ではせっかくのユニフォームがよく見えなかったので、「ユニフォームを持つ担当は最前列に出る」「最前列に出る感じの人がユニフォームを持つ」ことを今後の学びとしていく。貴重な学びをありがとうございます！

★★★★★山颯一郎さん★★★★★

えーと………………ありがとうございます！

★★★★★甲斐拓也さん★★★★★

見せ場の「甲斐キャノン」を発動するほど他国が走ってこないという噛み合わせもあり、出番は少なめとなったが、優勝後にキャッチャー組で抱き合って喜んでいた姿には、キャッチャーにしかわからない苦闘の日々が偲ばれた。4試合出場して中国戦での安打1本というのは素人目にはいかがなものかと思うが、それを補ってありあまるメンバーにしかわからない安心感があったのだろうと確信している。勝利への道のりを知り尽くした「経験」というチカラをありがとうございます！

★★★★★大城卓三さん★★★★★★

三人目のキャッチャーという位置づけから、出番も少なく起用機会も限られ、本意ではない部分もあったかもしれないが、絶対に追いつかなければいけないメキシコ戦を最後まで戦えたのは「三人目の男」の存在あればこそ。メキシコ戦9回表での大勢さんとの巨人バッテリーで見せた「立ち上がって一塁走者を牽制しながら、フォークで三振を奪う」という頭脳プレーは、その後の逆転劇への呼び水となった。総力戦に備えてくれてありがとうございます！

★★★★★中村悠平さん★★★★★★★

決勝アメリカ戦はひとりでマスクを被り、日本の投手陣を最後まで導いた。帰国後の会見では大谷さんのボールをブルペンも含めて受けたことがなく「甘めでいいんで、どっしり構えてください」というやり取りがあったことを明かし、「そんなんであのエグいスライダー捕るのか」「投げる方も投げる方だが捕る方も捕る方」「これがプロフェッショナルなんだ…」と改めて世間を感嘆させた。世界一の選手との初顔合わせでも女房役をキッチリつとめる地力の高さ、どっしり感をありがとうございます！

↓万一に備えて練習くらいしないもんなんですかね！


国際大会で毎回いいところで打ってくれたホームランがなかったのは寂しかったが、多くの四球をもぎとり、盗塁でチャンスを広げるなど手堅い貢献をしてくれた。単に打つだけではなく「我々はいつでも狙って盗塁ができる」「我々は美しいダブルプレーでピンチを脱することができる」という走攻守に渡る高い野球能力を示してくれたのは、さすがトリプルスリーの面目躍如。久々の声出しでの「やまーだてつと」に本人も聞き惚れてしまい「初球からは振れなかった」という談話には納得なので、「初球から振ってたら今回もホームラン打ってたわー」と思っておく。やまーだてつとをありがとうございます！

★★★★★源田壮亮さん★★★★★★★★

ただでさえ手薄な内野守備陣にあって、韓国戦で小指を骨折したときには「侍オワタ」「西武ハモトモトオワテル」と思った。しかし、「指が完全に横を向いている」という全治3ヶ月の負傷を負いながら、水も使わずラムネのように痛み止めをクチに突っ込んで試合に戻っていったという栗山監督の話を聞いて、熱い涙がこぼれた。いくつのピンチを源田たまらんが救ったことか。この世界一は源田壮亮抜きでは絶対に成し遂げられていない。西武で見ている源田さんとはやる気や元気が全然違うように見えるのは若干気になるが、こんなに素晴らしいものを見せてもらったので2023年はもう大満足だ。今季の西武のことは心配せず、しっかり怪我を治してほしい。世界一の守備をありがとうございます！



★★★★★牧秀悟さん★★★★★

「元気はいいけど意外に打たねぇな」と考えるか「打てないなかでもチームに元気を与えた」と考えるかの二択があるなら、もちろん後者だ。テンションの高い声出しはチームに活力を与え、控えメンバーのモチベーションをハイに保ってくれたはず。相手のシフト守備を広角打法ですぐさま取り下げさせたり、一応ホームランも打って「デスターシャ！」したりもできたので、次回主力メンバーとして世界一に挑む下地はできたはず。ふとした瞬間に「ファンの人かな？」と思うことがあるので、なんかもうちょっとガチッとかムキッとかしているとわかりやすくてありがたい。ベンチに元気をありがとうございます！

↓「真っ先に大谷さんに駆け寄ったのに避けられた」ときの気持ち、今度教えてください！


★★★★★牧原大成さん★★★★★★

正直、印象には全然残っていないのだが、代走・守備固めで6試合に出場し、チームを支えつづけてくれていた（※記録を見てからそんなに出てたんだーと驚いた）。唯一出場のなかったメキシコ戦は、キャッチャー3人を含めて野手をすべて使い切るなかで、万一誰かが負傷などしても「牧原さえいれば全ポジション何とかなる」と思えたことが真の総力戦を仕掛けることができた理由であり、その貢献は計り知れない。無人島にひとつだけアイテムを持っていくならナイフ、WBCにひとりだけ誰かを連れていくなら牧原なのだ。究極のユーティリティをありがとうございます！

↓この顔を貼りつけてくれたのも牧原さんですよね！ありがとうございます！


★★★★★中野拓夢さん★★★★★★

源田さんの骨折というアクシデントを受けてショートを守った韓国戦や、初回に失策がありつつも四球3つを選んで挽回したチェコ戦など、守備と足と粘りでチームの勝利に貢献した。阪神以外界隈からは「これが生涯最後のシャンパンファイト」などと失礼な言説が飛び交っているがそんなことは断じてない。次回のWBCでも一緒に世界一になってシャンパンファイトをやろうではないか。きっとできる。あと、どっかに移籍してシャンパンファイトするかもしれないし。シャンパンファイトで大谷さんの背中に氷を突っ込むチャレンジをしてくれてありがとうございます！

★★★★★岡本和真さん★★★★★★★

7試合出場で2ホーマー7打点の活躍。アメリカ戦での決勝点となる一発は「巨人の4番」に恥じないさすがのアーチだった。一塁守備でも安定した守りを見せ、侍ジャパンを支える屋台骨のひとりだった。「最高です」の一言だけで押し切るインタビューの受け答えも、一周まわって高倉健さんの「不器用ですから…」的な、朴訥としたなかにある人間的魅力として感じられるようになったのはコチラとしても成長だった。イタリア戦で単独スチールがアウトになった際に「源田のエンドラン見落とし説」と「岡本のエンドラン見落とし説」で大きく二択あるはずなのに、日本全体が速攻で「岡本犯人説」を採用していた件は、まさかの「清水コーチがウソを教えた」が真相だとわかり、本当に申し訳なく思っている。秒で「オイおかもとー！」と叫んでいたが本当に申し訳なかった。もっとも、帰国後の記者会見で話を振られたときにも明らかにビックリした表情で「もう一回お願いします」と聞き返すなど、「誰の話も聞いてないのでは？」と常々心配にさせるそちらにも責任はあると思う。なので相互に責任がある示談ということで水に流してもらいたい。次回は東京ドームに自分の看板が掲出されるような選手になって、そこにブチ当てることに期待している。巨人の選手が活躍しないと読売新聞社も居心地が悪いのだ。いつもコーチの指示をちゃんと聞いてくれてありがとうございます！

↓犯行を自白した清水コーチは会見中岡本さんの背後でずっと笑っていました！


★★★★★山川穂高さん★★★★★

ご飯を食べたりショッピングに行ったりベンチでリアルペッパーミルをしていたのは印象に残っているが、野球のほうはあまり印象がない。唯一覚えているのはメキシコ戦で代打出場したとき、ワンバウンドしたボールがキャッチャーに跳ね返って顔面に飛んできたところ。怪我がなくてよかったが、巡りの悪さを象徴するような出来事だった。総じて言えば「ベンチにいる面白いオジサン」としては最高だったが、日本の主砲とか代打の切り札というには物足りなかった。やはり「（※大谷さんを見て）マジで野球辞めたい」とか「（※現地球場の土の固さを視察して）守りたくない」といったヒネった感想が出るのは、コメントとしては面白いが、ここ一番の大勝負では起用をためらう感じにつながるように思う。すごい選手を見たとき「憧れるのはやめましょう」と言うのと「マジで野球辞めたい」と言うのとで、どちらがヒーローの資質があるか、改めて考えてみてほしい。言霊はあるのだ。今後は「痛み止めをラムネみたいに飲む」の心意気で西武の優勝のために頑張ってもらえると嬉しい（※「開け方がわからなかったのでビールをシャンパンみたいに飲む」のではなく）。野球辞めないでくれてありがとうございます！



★★★★★村上宗隆さん★★★★★★

日本中をヤキモキさせながら、最後の最後の最後で帳尻を合わせ、美味しいところをかっさらっていった。「56本目打てない打てない詐欺」から最終打席で打つ流れと同様に、最後の最後までいかないと目覚めないタチなのかもしれないが、次回は最初から最後までこの感じで打ちまくってもらわないと困るので、しっかり起きてから合流してほしい。ギリギリのところで起きてくれてありがとうございます！

↓名前被りで人気のお寺が訪問をお待ちしているとのことです！


★★★★★近藤健介さん★★★★★★★

侍ジャパン不動の2番として天才的な打撃センスと選球眼でチームの勝利に貢献。西武界隈、オリックス界隈からは「条件を倍増してでも獲得すればよかった…」と逃した魚の大きさを思う声も出ているが、あとの祭り。7年50億は適正価格だったのだ、払えないだけで。焼肉決起集会の記念撮影ではセンターポジションで足を組んでふんぞり返っていたり、シャンパンファイトでは抜け駆けシャワータイムを楽しんでタオル一枚で現れたり、ちょいちょい垣間見える王様っぽい振る舞いもこの活躍なら納得。大谷さんの前でいつも出塁してくれてありがとうございます！

↓シャワーを浴びてスッキリしたメンバーが中央に陣取る記念撮影！


★★★★★周東佑京さん★★★★★★

代走の切り札としてここぞの場面に温存されることがつづき、出場機会は限定されたが、「延長タイブレークに持ち込めば絶対勝てる」と思わせてくれたことでの心理的余裕は大きかった。崖っぷちのメキシコ戦でも逆転のランナーとして送り出され「長打なら絶対生還してくれる」「よしんば外野フライでも盗塁で結果的に二・三塁にしてくれる」「とにかく引っ張って大きいのを打てばいい」と村上さんへの重圧を和らげてくれた。もうちょっとギリギリの長打なら「神走塁」を見せることができたかもしれないが、余裕過ぎて世界に「周東の足」を十分に伝えることができなかったのが惜しまれる。ホームに帰ってくるとき前にいた大谷さんを抜きそうな勢いだったので、今後は周東さんを代走に出すときは前の走者もそれなりに速い選手にしようと思う。マジで抜きかねない。世界一の快速をありがとうございます！

↓「前の走者を抜いて負ける」という歴史的珍事も夢ではなかった！


★★★★★ラーズ・ヌートバーさん★★★★★★★

日本全土に広がった「誰？」の声。しかし、栗山監督の「絶対好きになる」の言葉通り、日本に溶け込むのに時間はかからなかった。全力プレーと明るい性格はまさに日本の元気印。チームに勢いをもたらし、この選手と一緒に世界一になりたいと思える存在だった。キャプテンを置かず、明確なリーダーも設けない今回の侍ジャパンはどうやってチームとしてまとまるかが課題であった。いや、日本代表というものは常にその課題を抱えている。表面上の衝突をしないということにかけては世界でもピカイチの集団だが、ひとつにまとまるという点ではむしろ上手くなく、「緩やかにそばにいるだけ」という代表になりがち。そんななかでヌートバーさんという積極的に近づかなければつながることもできない選手が合流したことは、チームのまとまりを生み出すフックだった。その象徴がペッパーミルパフォーマンス。同じポーズを取ることで同じチームとなる、心理学で言うミラーリングのような効果でチームをまとめ、ひとつの集団とする効果をもたらしたと思う。よくわかんないけど盛り上がって買ってしまった全国のご家庭のコショウ挽きとともに3年後の再会を待っている。日本中の台所用品店さんに代わってありがとうございます！

↓胴上げの個人練習をしておくように！


★★★★★吉田正尚さん★★★★★★★★

全選手最多となる13打点を叩き出した日本の4番。メキシコ戦の同点スリーランは文字通りの起死回生の一発で、あれがなければ眠ったままの選手が起きる前に大会は終わっていただろう。メジャー移籍で本来なら自分の準備に集中しなければいけない時間を侍ジャパンのために捧げてくれたことには感謝しかない。小さな身体が生み出すどでかいホームランをメジャーでもたくさん見せてほしい。なお、優勝した瞬間、ベンチから飛び出すのに失敗してコケているのがひとりいるなーと思って確認したら吉田さんだったのでひとつオマケしておいた。頼れる4番をありがとうございます！



★★★★★鈴木誠也さん★★★★★

2月の時点で故障離脱し、ユニフォームを通じてチームを支えてくれた。日本以外からは「51番だしイチロー・スズキのユニフォームだな」とカンチガイされていたようで、相手が勝手に神通力を感じてビビる効果があった気がする。顔写真を掲出して「亡くなった選手とかじゃないぞ」「亡くなった選手ならこの写真は使わないぞ」「もちろんイチローでもないぞ」と誤解を解く努力はしたわけだし、カンチガイしたほうが悪いのだ。惜しむらくは「誠也さん…俺にチカラを貸してください…！」と言いながら、自分のユニフォームの下にアレを着て打席に向かう選手が誰もいなかったこと。野球漫画あるある満載の今大会なら誰かが絶対やると思ったのだが…。まぁ、そこまで悩むくらいなら先に大谷のバット借りるよなー、とは思ったけど。栄光の51番を背負ってくれてありがとうございます！

★★★★★大谷翔平さん★★★★★★★★★★★

誰もが納得する大会MVP。世界最高の選手。投げて、打って、走って、守って、野球のすべてを体現してくれたことはもちろん、苦境に追い込まれるチームに元気と勇気を与える精神面でも侍ジャパンを支える唯一無二の大黒柱だった。最後トラウトさんとの対決となったとき、世界最高のふたりが世界一を争って相まみえるシチュエーションに打ち震え、「なおエンゼルスは」と思って涙があふれた。こんなにも熱く、こんなにも勝利を求める姿が見られてとても嬉しい。彼らは淡々と野球をするマシーンなどではなく、熱い魂を持った人間だったのだ。嬉しくて泣いちゃった説は本人の強い否定を尊重して取り下げておくが、また「心の汗」が流れるような瞬間を生み出してほしい。語り尽くせない「夢」をありがとうございます！

↓大谷翔平が泣くはずがなかった！あれは心の汗なんだ！


★★★★★栗山英樹監督★★★★★★★★

栗山監督でなければこのドリームチームにはならなかったし、あのパーフェクトドリームゲームは生まれなかった。全員の事情を慮り、折り合いをつけていく手腕。コミュニケーションは少なめと言いつつ、手紙やメールや電話で選手と徹底的に向き合っていく情熱。何よりも夢を信じる強い信念。最高のジャパンを生み出してくれたことにただただ感謝するばかり。一部週刊誌の妄想のなかに存在する野球関係者は「圧倒的な戦力に甘えていただけ」などとのたまっているようだが、その圧倒的戦力を集めて、束ねて、「邪魔しないように手伝う」のがどれだけ難しいことか過去の大会を振り返ってよく自覚してほしい。上手くいかないときは選手に電話がつながらなかったりするんだぞ。現役時代に始まり、熱闘甲子園や報道ステーションなどテレビ時代の活躍まで見ても、「栗山英樹が世界一の選手と世界最強の侍ジャパンを率いて世界一になる」姿は想像できなかった。大谷翔平さんが世界一になるところは高校時代から容易に想像できたが、「栗山英樹が世界一になる」ところは出会って10年とか20年とかが経ったあとでさえ露ほども思わなかった。もしかして一番遠い場所にある夢にたどり着いたのは栗山監督なのかもしれないなと思う。これからは次の夢を探していくのだろうが、その手腕を見込んで「違法建築みたいにゴテゴテしている日本野球界の整理」を新たな夢として提案したい。できる気はしないが、できたらいいなという祈りを込めて。侍たちを信じてくれてありがとうございます！

★★★★★ヌートバー母・久美子さん★★★★★★★★

この大会が国民的な盛り上がりを見せるなかにおいて、選手ではないけれど、特筆の活躍をしてくれた功労者。こうしたお祭り騒ぎで「よくわかんないけど楽しそう！」という人をたくさん巻き込むことは未来への種まきとして重要ではあるが、一方でお祭り騒ぎとなることで普段は野球を取り上げないような媒体まで何かやってやろうと群がることでの悪影響も多いもの。特に、野球を知らない人が野球を知らない人向けに発信する「親しみやすい話題」として、選手の家族だとか行きつけの店だとかプライベートまわりを掘り下げる行為は大きな雑音ともなる。しかし、今大会はその雑音群を「全部アタシがまとめて相手してやるよ！」という肝っ玉母さんの感じで、久美子さんが全部請け負ってくれた。久美子さんに聞けば山本クンのお母さんや佐々木クンのお母さんの情報も手に入るので「じゃ久美子さんだけ連絡すればいいや」とメディアもサボるようになり、まるで侍父母会のマネージャーのような雰囲気も。久美子さん自身はこのお祭りを楽しんでいただけかもしれないが、選手たちを野球に集中させ、このお祭りを広めることに大きな効果があったと思う。息子さんともども侍ジャパンを支えてくれてありがとうございます！



いつまでもこの思い出を噛み締めていたいような気もしますが、次の週末にはプロ野球が開幕します。僕も我が埼玉西武ライオンズの応援になど行きまして、世界一の侍ジャパン選手たちに肉声で御礼を届けようと思います。今回のような熱狂がまた3年後に生まれるよう、さらに大きくなって、また集ってもらいたいもの。「野球最高」という思いを胸に、また3年後、これ以上の夢を追いかけましょう！


侍ジャパン選手が持ち帰った金メダルの展示など企画してくれると嬉しいです！