京王電鉄28年ぶり運賃値上げ 10月から初乗り10円増 相模原線の加算運賃は廃止へ
2018年度に対する輸送人員の減少率は関東大手民鉄で最大とのこと。
京王8000系電車(2023年1月、大藤碩哉撮影)。
京王電鉄は2023年3月24日(金)、上限運賃の改定を同年10月に実施するため、国土交通大臣宛てに鉄道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表しました。
改定率は13.3%。内訳は普通運賃の平均改定率が13.8%、通勤定期の平均改定率が14.1%です。通学定期は家計負担に配慮し据え置かれます。
初乗り運賃は10円(ICカードなら14円)の値上げに。例えば新宿〜京王八王子間をきっぷで移動すると、現行の370円から「410円」となります。なお、相模原線の京王多摩川〜橋本間で乗車キロに応じて設定されている加算運賃は、運賃改定に合わせ廃止するとしています。
京王電鉄で運賃値上げが行われるのは、消費税率変更に伴うものを除くと、1995(平成7)年以来およそ28年ぶりです。同社は運賃改定の理由について、「新型コロナウイルスの影響で利用者は同業他社と比較しても大きく減少し、今後もコロナ前の水準までの回復は見込めないと想定されるなど、鉄道事業は極めて厳しい経営状況にあります。このような状況下でも『日本一安全でサービスの良い鉄道』を目指し、2021年10月に発生した車内傷害事件を受けた防犯対策や、ホームドアなどのバリアフリー設備の整備などを進め、またそれらを適切に維持管理することで、あらゆるお客様が安全・安心・快適にご利用いただける鉄道サービスを提供し続けていくために、不足する費用の一部についてお客様にご負担をお願いするものです」としています。