群馬に「シリコンバレー超える街」を? 「陸軍堤ヶ岡飛行場跡地」活用構想が明らかに
そこは「県央地域に残された最後の優良地」だとか。
MaaSの実装を見据え「様々な交通モードの乗り継ぎ拠点」も整備
群馬県と高崎市は2023年3月16日(木)、旧日本陸軍が使用していた堤ヶ岡飛行場跡地において、デジタルを活用した最先端のまちづくりを共同で推進していくと発表しました。
堤ヶ岡飛行場では、4式戦闘機「疾風」などが運用された(画像:航空宇宙博物館)。
高崎市北部の堤ヶ岡飛行場跡地(約93ヘクタール)は、西毛広域幹線道路と高崎渋川線バイパスの交差部に位置しており、関越道の前橋ICからのアクセスに優れた立地だといいます。ただ鉄道は上越新幹線が近くを通るのみで駅などはありません。
とはいえ、当該地域は河川による浸水の可能性も少なく、BCP(事業継続計画)に優れた地区として山本一太知事は「県央地域に残された最後の優良地」と太鼓判をおします。周辺では「イオンモール高崎」などが開発されましたが、当該地区は広大な農地となっています。現在は掩体壕など、飛行場だった頃の面影はほとんど残っておらず、当時のコンクリート基礎などが残るのみだそうです。
跡地の活用にあたっては、群馬県経済を飛躍的に発展させる「シリコンバレーを超える街」を実現するとしています。ここに世界的なAI・IT関連企業や大学などの教育研究機関を誘致し、DXや再生可能エネルギーの活用を目指すことが街づくりのコンセプトとして盛り込まれました。
16日に開かれた記者会見で、群馬県の山本一太知事は「この地区は周辺に駅がなく、現状、交通手段は自動車とバスに依存しています。こうした状況を活用して、MaaSの社会実装を進め、公共交通を持続可能なものに転換していく必要があると考えています」と発言。新技術を活用した最先端のまちづくりを進めるため、当該地区を様々な交通モードの接続・乗り換え拠点とすることも想定されています。
今後は、2023年度までに基本構想を群馬県と高崎市の合同で策定する予定。2024年度までの都市計画マスタープラン策定、2027年度までの都市計画決定と環境影響評価を経て、2028年度から用地買収造成工事に入るスケジュールを想定しています。
ちなみに、高崎市は2023年度の当初予算案に新規事業として「堤ヶ岡飛行場跡地地区まちづくり基本調査」の関連費用を計上。地区の活用に向けた基本調査の実施や都市計画マスタープランを策定するとしています。