白地の板に花柄が描かれた「全国版図柄入りナンバープレート」の交付が始まり、まもなく1年。その申込件数は圧倒的に軽自動車に偏っていることが判明しました。軽自動車の黄ナンバーが嫌だという人の受け皿になっているようです。

花柄の全国版図柄入りナンバー、軽に圧倒的な人気

 2022年4月18日に自動車の「全国版図柄入りナンバープレート」交付が始まってから、まもなく1年。その人気は圧倒的に軽自動車に偏っているようです。


全国版図柄入りナンバープレートをつけた軽自動車(乗りものニュース編集部撮影)。

 全国版図柄入りナンバープレートは、交付が終了した「ラグビーワールドカップ特別仕様」「2020東京オリンピック・パラリンピック特別仕様」に次ぐ、全国共通の図柄入りナンバープレートとして誕生したものです。白板に花柄が描かれており、国土交通省は「全国47都道府県の花をモチーフとすることで、『日本全体で立ち上がろう』という思いが込められています」と説明しています。交付対象は自家用登録車、事業用登録車、自家用軽自動車で、それぞれ申込時に1000円以上の寄付をすればフルカラーの図柄、寄付なしならばモノクロの図柄のものが交付されます。

 国土交通省 自動車情報課によると、2023年2月末時点での交付枚数は次の通り。

・自家用登録車:寄付あり約1.8万件、寄付なし約2000件
・事業用登録車:寄付あり、寄付なしとも約600件
・自家用軽自動車:寄付あり約18万件、寄付なし約15.9万件

「特に軽自動車ユーザーから図柄入りナンバーを求める声が高い」(自動車情報課)というように、交付枚数は大きく軽自動車に偏っています。事業用で極端に交付枚数が少ないことについては、「自家用車ほどデザイン性を求める必要がないのでは」とのこと。

 自家用軽自動車の寄付あり、寄付なしを合わせると約33.9万件。2021年度における軽四輪乗用車の新車販売台数が118万972台(全国軽自動車協会連合会調べ)であることを考えると、新車のおおよそ3台に1台という見方もできます。

花柄ナンバープレートとセットで売れる? プレートフレーム

 さらに今回の全国版図柄入りナンバープレートでは、プレートの枠、ナンバープレートフレームもセットで売れているようです。

 カー用品店「オートバックス」を展開するオートバックスセブンによると、ナンバープレートフレームの販売数は2023年2月時点で前年比111.7%だそう。やはり、全国版図柄入りナンバープレートの交付が契機になっているのだとか。

「2022年10月以降、新車販売台数も回復基調にあり、アクセサリー類も売れています。10月からのナンバープレートフレームの売上は平均して前年比約115%となっています」(オートバックスセブン)

 その背景にあるのは、軽自動車でも、「ナンバープレートを白基調にしたい」というニーズだといいます。裏を返せば、黄色いナンバープレートを嫌う人が少なくないということです。

 以前のラグビーとオリパラのナンバーは、「自家用軽自動車の寄付なし」に人気が集中しました。なぜなら、寄付なしは白地の板の右上に大会エンブレムがあしらわれただけのデザインなので、軽自動車でも白いナンバープレートを手に入れることができたからです。オリパラのナンバープレートは4年間で交付された約289万4000件のうち、実に9割近くを「自家用軽自動車の寄付なし(軽の白ナンバー)」が占めました。


オリパラナンバーをつけた軽自動車(乗りものニュース編集部撮影)。

 しかし、新たな全国版図柄入りナンバーは、軽自動車用の寄付なしにも花柄(モノクロ)がデザインされるうえ、黄色い外枠が設けられます。しかも、外枠の左上は、黄色い部分が斜めに塗り足されています。

 黄色い外枠は、「軽の白ナンバー」だと視認性が悪いという意見が高速道路の料金収受員などから出たため、地方版図柄入りナンバーで追加された措置です。ただ、外枠のみだと、ナンバープレートフレームに隠れてしまうことがあるため、塗り足し部分が今回追加で設けられました。

 ナンバープレートフレームを装着すると、確かに黄色い外枠は見えなくなり、左上の塗り足し部分がわずかに見える程度になります。街で見かける全国版図柄入りナンバーを付けた軽自動車の多くがフレームとセットで装着しているようです。