1人のときってタクシーの助手席に座ってもいいの?

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タクシーを1人で利用する場合、多くの人は後部座席へ座るでしょう。しかし、3人でタクシーに乗車する場合は、1人が助手席に座ることになります。

では、1人客での助手席利用は問題ないのでしょうか?例えば、後部座席だと車に酔ってしまうという人は、助手席に乗りたいという希望を通してもらえるのでしょうか?

“1人客を助手席に乗せてはダメ”という明確なルールはないが……

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そもそも昨今は、コロナ対策・拡大防止の観点から、助手席の利用はなるべく避けてもらうようにしているようです。

「一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会」が以前公開した“新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン”には、

「定員上、後部座席に着席可能である場合には、利用者に対して可能な限り後部座席に乗車するよう理解と協力を求める」

という記述があります。

では、新型コロナウイルス感染予防対策以外の理由ではどうなのでしょうか?

結論から言うと、“1人客を助手席に乗せてはいけない”という明確なルールは定められていないようです。しかし、基本的には後部座席が空いている状況であれば、後ろの席に座るようにお願いしているとのこと。

その理由は、運転手から見た防犯面。運転中はどうしても無防備になってしまうので、強盗などに襲われてしまうと防ぐことが難しくなります。そのため、「助手席からではなく、後部座席に誘導する」という選択をしているドライバーは多いようです。

助手席の利用は絶対にNGではないですが、やむを得ない事情がない限り、後部座席に座るのが無難でしょう。

“会話目的”で助手席を希望する迷惑客も……

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しかし、一定数は「乗り物酔いを防ぐために助手席に座りたい」という人もいるようです。

タクシードライバーのコメントでは

「『乗り物酔いになりやすい』と伝えてもらえれば助手席に案内しますし、こちらでエチケット袋も用意したこともあります」

などの体験談が。運転手に事情を説明すれば、快く対応してくれることが多いようですね。

一方で“こんな客は助手席に座られると迷惑”という場合もあるようです。多くのドライバーが口々に言うのは酔っ払いの客。現役のタクシードライバーからは、

「『遠回りしないか見張りたいから前に座らせろ』と高圧的な態度で言ってきた泥酔客。乗車してちょっとしたらすぐに寝てました」

といった不満の声が。面倒なケースが多いようなので、“できれば対応したくない”とのコメントが目立ちました。

さらには、「ひたすら喋り続けるお客さんなら対応したことがある。唐突に『可能なら助手席に座ってもいいですか?』と聞かれたので、ちょっと驚いた……」「男性客から急に『隣、いいですか?』と言われると、『ちょっと怖いな』と思う」

などの声も。

“特別な事情”がない限り、「助手席に座りたい」という要望は警戒されがちのようですが、特にドライバーが女性の場合はそう思われる可能性が高いようですね。

運転歴10年のタクシードライバーに本音を聞いてみた!

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現役のタクシードライバーにも「1人での助手席利用」についてお話をお聞きできました。

今回取材に応じてくれたのは、約10年ほどの経験を持つタクシードライバー。はじめに「そもそも1人のときにタクシーの助手席には座ってはいけないの?」とたずねたところ、

「明確な決まりはありませんが、基本的には後部座席に座ってもらいます。最近はコロナ禍ということもあり、お客様との距離を空ける目的もありますが、なにより後部座席の方が防犯上安全ですからね」

と答えてくれました。概ね前述した通りのルールに則って対応しているようです。

続いて「これまでの経験の中で、助手席に座りたいという申し出を受けたことはありますか?」という質問に対しては、

「1人で助手席に座りたいと言われたのは数えるくらいしかありません。そのときは、『車酔いが激しいので助手席に座らせてほしい』というお願いでした」

と回答。また別の対応例として、

「荷物が大すぎて後部座席が埋まってしまった時に、助手席を案内したこともあります。荷物を助手席に乗せるという選択もあったのですが、お互い防犯意識が働いて荷物の方を後ろにしました。万が一荷物がなくなって私が盗んだと思われても困りますしね」

また彼の場合はあまりないシチュエーションのため、“緊張することもあった”といいます。対応したときのことを振り返り、

「誰が何を考えているかわかりませんから、もし強盗だったらと思うと、1名様を助手席に乗せるのは怖かったです」

と話していました。

10年間タクシードライバーをしていても、なかなか出会う機会のない“1人客での助手席利用者”。防犯面から考えても、特別な事情がない限りはドライバー側から提案してくれることはなさそうですが、理由や事情があれば対応してくれるようです。

やむを得ない事情があり、どうしても助手席を利用したいときは相談してみてはいかがでしょうか?