〈大木淳夫の1月の新店アドレス〉カンガルー肉を楽しめるグルメハンバーガー店や、YouTuberプロデュースの餃子店が登場

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数々のおいしいお店を訪れ、食べロググルメ著名人として、食べログマガジンでもさまざまなお店を教えてくれる大木淳夫さん。毎月たくさんの飲食店がオープンする中で、大木さんが注目する新店をずらりと紹介します。

教えてくれる人

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。 
好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2023」が発売中。

東京、名古屋の人気店系列のグルメバーガーがオープン

すっかり定着した感があるグルメバーガーですが、相変わらず出店が続いています。

「ハンバーガー生活のすすめ 慶應義塾大学前店」アボカドバーガー 1,500円  出典:三角木葉蛙さん

昨年暮れ、12月22日には三田に「ハンバーガー生活のすすめ 慶應義塾大学前店」がオープン。焼肉屋で修業したという店主が2016年に名古屋で創業し、人気店に。3店目にして東京へ進出です。1,500円の「瞬間スモークベーコンバーガー」をいただきましたが、透明なクロッシュに燻香を閉じ込めた状態でテーブルに運ばれてきました。全体のバランスが良く、ボリュームもあります。

「オセマニア」ルーバーガー  写真:お店から

西新宿には1月16日、銀座や渋谷にあるオセアニアレストラン「Arossa(アロッサ)」が、バーガーショップ「オセマニア」を開きました。こちらはビーフ以外にも、ラムやカンガルーのバーガーがあります。珍しいのでカンガルー肉の「ルーバーガー」1,870円をいただきましたが、こちらはより肉感が強く、オーストラリアの先住民族であるアボリジニのスパイスがいい具合にアクセントとなっています。具材にはビーツが入っていて、これがラムバーガーだとキウイになるのだとか。ハンバーガーの世界は無限ですね。

華麗なる経歴のワンオペシェフと「ポテトフライ」がスペシャリテのビストロ

「bistro IZUMY(ビストロ イズミー)」  出典:Shift2Youさん

オセアニアといえば、注目エリア幡ヶ谷には、オーストラリアで修業したシェフの「bistro IZUMY(ビストロ イズミー)」が昨年12月15日にオープンしています。スペシャリテは「ポテトフライ」。なんでもオーストラリアではジャガイモが日本でいうお米のような存在で、各店オリジナルのポテトフライを競っているのだとか。こちらも相当な秘術が施されていて、オリジナリティがあり、うまいです。他にも肉だけでなく、内臓も入っていて食感の変化が素晴らしい仔羊のパテなど、そそられるメニューが多いので注目でしょう。ちなみに独立前は神泉の「遠藤利三郎商店」に7年在籍とのことです。

「Jfree(ジェフリー)」デーツヌガーグラッセ  写真:お店から

シェフの経歴に驚いて駆けつけたのが1月7日、神楽坂の路地奥にオープンした「Jfree(ジェフリー)」です。陣内翼シェフは33歳ですが、かの辻調フランス校を卒業後、移転前の「フロリレージュ」、「カンテサンス」「L’ EAU」「Hiroya」で修業し、最後は料亭「赤坂しょう山」で料理長という華麗さ。

「Jfree(ジェフリー)」店内  写真:お店から

つい構えてしまいそうですが、木を基調とした落ち着いた雰囲気のカウンター6席と個室の店内は極めて居心地がよく、ワンオペのシェフと明るいサービスの女性のコンビネーションも気持ちがいいので、寛げます。料理は和のテイストを入れつつ、全体としては高レベルのザ・モダンフレンチ。食後は坂口憲二さんの「The Rising Sun Coffee」を素敵なコーヒーカップでぜひ。コースのみですが、今後はより自由度を高めたいとのことなので、ワクワクします。

高レベルのスペイン料理店とオールスターのワゴンサービスイタリアン

「MASIA」  写真:お店から

料理の完成度では銀座ベルビア館に1月5日にオープンした「MASIA」も出色です。マテウ・ビジャレットシェフはスペイン・バルセロナ出身で、各国で修業後に大阪「HAJIME」を経て、梅田にあった「maspi」の料理長を務めていました。カタルーニャの特徴である海と山の料理を軸に、日本の食材や技法を巧みに取り入れていて、美しさと驚きが同居した皿を味わえます。

こちらは、「9月の新店アドレス」で紹介した市ヶ谷「Tinc gana」や広尾「グラシア」、永田町「サンパウ」と同様、株式会社グラナダ系列。グラナダ系のスペイン料理に外れなし、と思わず呟いてしまいました。

「ASTERISCO(アステリスコ)」ワゴンサービス  写真:お店から

監修・小山薫堂氏、料理プロデュース・奥野義幸氏、開業記念スペシャルカクテルは後閑信吾氏というオールスターで話題を呼んでいるのが、1月16日に東京駅前の「YANMAR TOKYO」2階にオープンした“お米と楽しむイタリアン”「ASTERISCO(アステリスコ)」です。飲茶スタイルのワゴンサービスで料理を提供、しかもアラカルトという部分に激しく惹かれてランチにうかがいましたが、ワゴンはディナーのみでした……。米粉パスタのナポリタンをいただきながら、夜のメニューを拝見したところ、奥野シェフらしい独創性と楽しさを感じられたので、改めて行かねばです。

実力派シェフの四川料理、ホリエモン&ヒカルのエンタメ餃子

「中国菜ARATA」  写真:お店から

中華では人形町のビジネスホテルが並ぶ一角に、1月8日「中国菜ARATA」がオープンしました。店主の中園健司さんは2020年に惜しまれつつ閉店した千駄木「天外天」出身で、「老四川飄香」で副料理長という、王道を歩んでいる料理人です。店内はカウンター10席のオープンキッチンとテーブルが1卓で、大人仕様のモダンシンプル。ワインは日本産で揃えています。

「中国菜ARATA」特製牛肉麻婆豆腐  出典:ガレットブルトンヌさん

コースのみですが、3,300円で5品とデザートを堪能できるランチはお得。もし、締めの“特製牛肉麻婆豆腐”を単品で提供したら行列ができそうです。

「近未来餃子H」  写真:お店から

楽しさでいえば1月6日、渋谷ちとせ会館「渋谷肉横丁」にオープンした「近未来餃子H」でしょう。プロデュースは堀江貴文さんとYouTuberのヒカルさんですから、単なるおいしい餃子屋さんでは済みません。

焼き餃子は一口サイズ6個で450円ですが、ロシアンルーレットのごとく、一つ激辛が潜んでいる「ロシアン担々餃子」や「アップルカスタード餃子」があるかと思えば、ドリンクメニューには65,000円のドンペリや150,000円のアルマン・ド・ブリニャック ゴールドも。メニューを見るだけでも盛り上がれます。もちろん、サワーは550円からあるので、ご安心ください。

昨年8月にもラファエルさんがカレーパン専門店「小麦の禁断症状」を麻布十番にオープンしていますし、人気YouTuberの開店ラッシュが始まるかもしれません。

アラカルトの天ぷら店、「酒井商会」の新店、「ぼんご」系列の「ぼんこ」

和食系では1月16日、西麻布に「天ぷらとワイン しの」がオープンです。

料理長の篠彰喜さんは、山の上ホテル、東京ベイコート倶楽部などで修業後、銀座の和食店で10年ほど料理長を務めてきました。カウンター6席と個室4席で、アラカルト主体といううれしい形態。

木箱に入った魚介や大皿に盛られた野菜を見せてくれるので、そこから好きなものを。迷ったらおすすめ5品ほどをまずいただくのもいいかもしれません。ワインはシャンパーニュやブルゴーニュが充実。グラスでゆっくり味わいながら、軽めに揚げた天ぷらをいただくという贅沢な時間が過ごせます。シルクスイートの焼き芋の天ぷらは、オリジナルの天つゆにつけて、みたらし団子風に食べることを強くおすすめします。

「SHIZEN(シゼン)」眠り〆子猪の薪焼き 檜胡椒  出典:みるみんくさん

未訪ですが1月20日には「酒井商会」「創和堂」が大人気の酒井英彰さんが、酒井商会の上階に「SHIZEN(シゼン)」をオープンしました。薪火と発酵を取り入れた日本料理で、「小室」出身で調布「マルタ」でも修業した國居優さんと近藤元貴さんという、共に27歳の料理人がオープンキッチンで腕を振るいます。新たなチャレンジ、楽しみですね。

「おにぎりぼんこ」  出典:健一郎Jr.さん

また、こちらも未訪ですが、1月26日に新宿三丁目に「おにぎりぼんこ」がグランドオープンです。運営は大塚の大行列店「おにぎりぼんご」の右近由美子社長と、スニーカーセレクトショップ「アトモス(atmos)」創設者の本明秀文さんが共同で設立した会社「こぼんご大塚」。店名は、右近さんに完全に認めてもらえるまでは「ご」の濁点を取った「ぼんこ」だそうです。ただ、予約制テイクアウトのみのプレオープン中にうかがったところ、お昼で予約は完売で買えず。「ぼんご」になる日は早いかもしれません。


<店舗情報>
◆ハンバーガー生活のすすめ 慶應義塾大学前店
住所 : 東京都港区三田3-1-3 MKビル 1F
TEL : 03-6459-4970

<店舗情報>
◆オセマニア
住所 : 東京都新宿区西新宿4-18-2 フィルパーク西新宿 1F
TEL : 050-5600-0919

<店舗情報>
◆bistro IZUMY
住所 : 東京都渋谷区幡ヶ谷1-9-6 リッツ幡ヶ谷 1F
TEL : 03-6383-4415

<店舗情報>
◆Jfree
住所 : 東京都新宿区神楽坂2-11-7 エーワイツービルディング 2F
TEL : 050-3184-1540

<店舗情報>
◆MASIA
住所 : 東京都中央区銀座2-4-6 銀座ベルビア館 8F
TEL : 050-5590-2091

<店舗情報>
◆ASTERISCO
住所 : 東京都中央区八重洲2-1-1 YANMAR TOKYO 2F
TEL : 050-5600-0511

<店舗情報>
◆中国菜 ARATA
住所 : 東京都中央区日本橋小舟町15-17 協栄ビル 1F
TEL : 050-5600-0215

<店舗情報>
◆近未来餃子H
住所 : 東京都渋谷区宇田川町13-8 ちとせ会館 2F
TEL : 03-6416-5402

<店舗情報>
◆天ぷらとワイン しの
住所 : 東京都港区西麻布4-2-15 水野ビル 2F
TEL : 不明の為情報お待ちしております

<店舗情報>
◆SHIZEN
住所 : 東京都渋谷区渋谷3-6-18 荻津ビル 3F
TEL : 不明の為情報お待ちしております

<店舗情報>
◆おにぎり ぼんこ 新宿
住所 : 東京都新宿区新宿三丁目14-23 マヤビル1階
TEL : 03-6457-7877

※価格は税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:大木淳夫、食べログマガジン編集部

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