ずっとデートしていたのに、いつの間にかセカンド女に…。年下男に“同時進行”されてしまった理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼（彼女）は何を思っていたの…？
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は？
▶前回：女の“あるパーツ”に悩殺されていた男。でも「出張へ行く」を最後にLINEが途絶え…
私は大和と付き合っていると思っていた。
それくらい私たちは親密だったし、お互いを思い合っていたのだ。
「まりかごめん。彼女ができたら…これ以上、こういう関係は続けられない」
金曜18時。食事ではなく珍しく「お茶をしよう」なんて言ってくるから悪い予感はしていた。
それでも何かあるかもと思い、一応下着にも気を使ったし、部屋の掃除もしてから来た。
だからこそ、この告白を理解するまでに時間がかかってしまった。
「え…彼女？何を言っているの…？」
この3ヶ月はなんだったのだろうか。
あまりにも想定外のことに、しばらく私は寝込んでしまった。
Q1：男がショックを受けた女の言動は？
大和との出会いは1年以上前のことになる。最初は知り合いの知り合い程度だったけれど、何度か仲間内で顔を合わせるうちに、いつの間にか親しくなっていた。
私は33歳で、大和は28歳。
5歳も年下だったけれど、私を慕ってきてくれる大和が可愛くて、会うたびに彼にハマっていった。
「まりかさん、明日デートしませんか？」
「ごめん。明日は無理なの…」
「じゃあ明後日はどうですか？」
最初は大和のほうが私を追いかけていたと思う。
「まりかさん、今彼氏いないんですか？」
「いないよ」
「じゃあ僕、立候補してもいいですか？」
「またまたそんなこと言って（笑）」
最初は、冗談かと思っていた。でも意外に本気な大和の好意が嬉しくて、いつの間にか私も好きになっていた。
でも私に比べると彼はまだ若く、勢いだけで言っている可能性のほうが高い。傷つくのが怖くて、しばらく本気かどうか様子を見ることにした。
初デートから1ヶ月も経つといつの間にか敬語も消え、名前も呼び捨てになっていた。
「まりかって、今までどういう恋愛をしてきたの？」
あれは12月初旬にデートをしていた時のこと。映画を見終わった後、イルミネーションが始まった六本木を歩きながら、急にそんな質問をしてきた大和に思わず笑ってしまった。
「どうしたの突然」
「いや、どういう人がタイプなのかなと思って…」
― 私のタイプを知ろうとしているの？なんて可愛いの…！そもそもこんなにも頻繁に連絡を取り合って、デートをしている時点で、私は大和ことが好きに決まっているのに。
そんなことを思いながら、少しだけ意地悪をしてみたくもなる。
「そうだな〜大人な男性かな。今は違うけど」
「『今は』って…？」
「昔は年上の人のほうが好きだったってこと。でも今は年下も好きだよ」
「そっかー…。まりかは大人の男性が好きなのか」
「だから、今は違うからね」
周りが聞いていたら、完全にバカップルな会話でしかないだろう。でも恋愛初期なんて、こんなくだらない会話が楽しいものだ。私たちはけやき坂の人混みに押されながら、とるに足りない話ばかりしていた。
「年上って、何歳だったの？」
「私の10歳上だから、当時40歳くらいかな」
「え…おじさんじゃん。なんで結婚しなかったの？」
たしかに、大和からすれば40歳なんておじさんだろう。でも悲しいかな、私の年齢からすると40歳なんてあまり年上感がない。
こういう時に世代ギャップを感じて、少し悲しくなる。
「その人は結婚していたから、できなかったの」
「マジか。それは大人な恋愛だね」
「大和は？どういう子がタイプなの？」
「自立していて尊敬できる人かな。年齢は…年上のほうが好き」
― それって…私のこと？
大和からの好意は、デートを重ねても変わらずに感じていた。ちょっとした仕草や眼差し。そしてLINEなどからビシビシと感じる。
でも大和から、直接的な「好きだ」とか「付き合おう」とかいう言葉はない。
33歳になると、確信が持てない恋愛に踏み込む勇気はなくなる。確実な“何か”がないと、足がすくんで飛び込めない。
でもこんな感じで友達以上恋人未満な関係がしばらく続いたあと、きっと結ばれるとどこかで信じていた。
Q2：男が一線を越えたあとでも態度が変わらなかった理由は？
しかし予想外のことが起こってしまった。この六本木のイルミネーションの夜、私たちは一線を越えてしまったのだ。
お酒が入っていたことも大きいけれど、どこかでお互い遠慮していたし、正式に交際するまでそういう関係にはならないようにしていた。
でも男女の関係になった以上、言葉にはしなくてもわかっていた。これがどういう意味なのかを。
― あぁ、これで関係が確定したな。
そう思っていた。でも私の考えと大和の考えは違ったらしい。
なぜなら、次のデートで渋谷にある魚介類が豊富な『PEZ』で食事中、彼に思い切って聞いてみた時のこと。
「大和ってさ、今好きな人いるの？」
ここで、そろそろ正式に告白されるかと思っていた。
ここまで頻繁にデートをしているし、連絡も毎日くる。体の関係があっても、変わらずにこうやって仲良く楽しく会っている。大和の態度は、以前と変わらず優しい。だから今日のデートで、私は期待していた。
でも大和の答えは、想像とは違って残酷なものだった。
「うーん。まりかのことは好きだよ。でも今は彼女とかはいいかなって…」
― この状況で。それ言う…？というか、その「好き」はどういう意味？
「そっか…そうだよね」
冷静に振る舞ってみるけれど、きっと声はうわずっていたと思う。動揺が隠しきれなかったから。
3ヶ月前まで、「彼氏に立候補してもいいですか」と言ってきていた大和。たしかにデートを重ねるうちにそういうことを言わなくなっていたけれど、私は遠回しに振られたのだろうか。
― なんで？もう私に飽きたってこと？
そしてあの夜以降、大和と私の体が触れ合うことは一度もなかった。
そしてさらに理解できないのは、大和はその後も私と会い続けた、という点だ。
会う時は基本的に二人だし、変わらず仲は良い。大和も私のことを大事な存在だと思っていてくれることもわかる。
「まりかといると、本当に楽しい。マジで尊敬しているし、出会いに感謝しかないな」
「ありがとう。こちらこそ」
ほぼ毎日連絡もくるし、体目的でないことだけは確かだった。
でもこの関係が、なんなのか分からない。
ただの友人関係なのかとも思ったけれど、毎回デートではいいお店に連れて行ってくれるし、年下なのに100％支払ってくれる。
しかし悶々としている私とは対照的に、いつの間にか大和は、「彼女はいらない」と言い放っていたのにちゃっかり彼女を作っていた。
私の存在は、なんなのだろうか。
最初からそこまで私のことを好きではなかったのか。それとも会う回数が増えるにつれて、興味を失っていったのか。もしくは完全に友達ゾーンに入ってしまったのか…。
どのタイミングで、何をすれば私は彼と交際できたのか分からずにいる。
▶前回：女の“あるパーツ”に悩殺されていた男。でも「出張へ行く」を最後にLINEが途絶え…
▶1話目はこちら：「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT：1月15日 日曜更新予定
何度もデートを重ねていたのに男が女を本命にしなかった意外な理由
