カタールワールドカップ、決勝のアルゼンチンvsフランスは素晴らしい試合でした。こんなに楽しくて見応えのあるゲームは久し振り、もしかすると1986年メキシコワールドカップのアルゼンチンvs西ドイツ以来だったかもしれません。

フランスがあまりよくなかったというのはあるにしても、アルゼンチンの戦いぶりは見事でした。80分にエムバペがPKを決めるまで、アルゼンチンの前からの守備は機能していて、その1対1の強さにフランスが後手に回ったと言えます。

この試合をテレビの番組で僕は3-2の打ち合いだと予想していました。実は、勝つのはフランスと言っていたのでそこは外れてしまったのですが、どちらも守備をしながらでも主導権を握ろうとするチームなので複数得点が入ると思ったのです。

もし前半が0-0だったら、1点を争うゲームになったと思います。ですがアルゼンチンの積極的な姿勢が、この試合を迫力あるものにしてくれました。その姿勢も優勝にふさわしかったと言えるでしょう。

さて、大会全般を振り返ると、今回はグループリーグから見応え十分の試合が多かったと思います。その中でもアジア勢は、日本を含めてジャイアントキリングを起して大会を盛り上げていました。この流れは今後も続いてほしいと思います。

そして決勝戦を見たあとにもう一度日本について考えさせられたことがあります。それは、「基本は11人対11人、1対1」だということです。全員が目の前の相手にやられない限り、負けることはないということを再認識させられました。

アルゼンチンもフランスも、相手がキリアン・エムバペやリオネル・メッシであってもどんどん1対1でボールを奪いにいきました。個人の力の差があるからと最初から組織で対抗しようとするのではなく、まずは1対1で怖れず戦いに行っていたのです。

その「個の力」を伸ばしていくことが日本の成長のために必要なのだと改めて感じさせられました。日本も「個」を伸ばして、4年後のワールドカップではさらに躍進してほしいと思います。