今後高騰する「国産車」は? 日本象徴の「トヨタ最上級セダン」も海外流出加速か 注目される米国「25年ルール」とは
アメリカの「25年ルール」とは? 日本の中古車は大人気!?
アメリカには、通称「25年ルール」と呼ばれる、「クラシックカー登録制度」があります。
昨今、耳にする機会が増えた25年ルールにより、相場が高騰するクルマも出てくるといいますが、そこにはどのような背景があるのでしょうか。
25年ルールとは、通常右ハンドルのクルマの輸入が認められていないアメリカにおいて、製造から25年が経過している場合であればクラシックカーとして登録し、輸入できるようになるという制度です。
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日本で販売されるクルマは原則として右ハンドルであるため、通常はそのまま輸入することはできません。
ただし、製造から25年を経過したモデルであれば輸入が可能になるため、近年では1970年代から1990年代の日本車がアメリカへと流れるようになっています。
さらに、近年では若者の間で「JDM」と呼ばれる右ハンドルのクルマが人気を集めています。
JDMとは直訳すると「日本の国内市場」という意味で、とくになかなか手に入れることが難しいとされる日本のスポーツカーに人気が集まっています。
また、日本における年式の古いクルマに対する重課税制度も、日本の中古車の国外流出を進める理由のひとつになっているといわれています。
重課税制度とは、環境面で優れたクルマに対するエコカー減税の導入に合わせて税収の均衡を図るために設定された制度です。
排気量ごとに概ね15%の重い負担が課せられます。
一方、日本では2年に1回車検をおこなうため、中古車市場に品質の良いクルマが多くあることも、日本の中古車が海外で高く評価される理由のひとつです。
2022年または2023年に25年ルールが適用される日本車はナニ?
2022年または2023年において、25年ルールが適用される国産車はいくつかあります。
まず、2022年に25年ルールが適用されるクルマとしてはトヨタの「センチュリー」(2代目)があります。
初代センチュリーの誕生から30年経ってようやく2代目が発売されたのが1997年です。
センチュリーは、センチュリーとしてはもちろん、国産車として初めてV12エンジンを搭載しています。
魅力は、クラシックで重厚なデザイン、そして日本車初めてのV12エンジンによる滑らかな走りと静粛性です。
また、ショーファードリブンとして開発されているだけあって、後部座席の快適性にも優れています。
シートヒーターはもちろん、ドア連動機能付きシートスライドやシートに組み込まれたマッサージ装置なども装備。
ただし、アフターパーツのラインナップが少ないため、パーツ探しに苦労する人も少なくないかもしれません。
また、ホンダ「シビックタイプR」(EK9)も、2022年に25年ルールが適用されるクルマです。
初代シビックタイプRは、ホンダのタイプRシリーズとしては、3番目のクルマとなります。
魅力は、パワーとそのパワーを支える専用チューニングで、コーナーを積極的に走るのが楽しいクルマに仕上がっています。
アメリカではホンダ車の人気が高いため、シビックタイプR(EK9)も注目を集めるとされています。
ほかには、三菱の「パジェロ エボリューション」も2022年に25年ルールが適用されます。
パジェロといえば1980年代からパリ・ダカールラリーに参戦し、好成績をおさめてきた4輪駆動車として世界的に知られています。
アメリカでは、ラリー車はあまり人気がありませんでしたが、ランエボの人気に伴いその希少価値とともに意外な人気になるかもしれません。
また、2023年に25年ルールが適用され相場が高騰しそうなクルマとして、トヨタの「アルテッツァ」(XE10型)があります。
1998年に登場したモデルで、内外装にはトヨタのロゴマークを装着していないところが特徴のひとつです。
フロントとリアはともにダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用しています。
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近年、JDMはアメリカで注目されているクルマで、日本車は故障しにくく、カスタマイズのパーツや情報が豊富にあると人気です。
その人気とともに相場の高騰が顕著なモデルとして、日産「スカイラインGT-R」が挙げられ、状態が良い場合には数千万円という価格で取り引きされています。
円安が著しい昨今では、海外のユーザーからは日本の中古車が相対的に安く見えることがあります。
こうした為替の影響もあり、さらに日本の中古車が多く海外へと流出していくかもしれません。