「駐禁」切られたくない! 路上駐車“OK”な場所はどこ? 便利な路上駐車標識の見分け方とは

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路上駐車は原則禁止なエリアが多いが、一部駐車可能なエリアも

 ちょっとした買い物や送迎などで路上駐車をしたことのある人は多いのではないでしょうか。路上駐車は原則として禁止されているところが多く、なかなかクルマを停めておくことはできませんが、一部時間帯、場所などによっては有料もしくは無料で駐車できる場合があります。

 今回は、そのような場所の見分け方や利用方法、ルールなどについて紹介します。

路上駐車に関する標識には、さまざまな種類がある

【画像】この標識は何時まで止めていいの?路上駐車に関する標識を画像で見る(19枚)

 そもそも「駐車」とはクルマが客待ち、荷待ち、5分を超える貨物の積み卸しなどの理由で継続的に停止することや、クルマの運転手がその場を離れていてすぐに運転できない状態のことを指します。

 路上駐車は道路上にクルマを停めることであり、駐車している場所や停め方によっては駐車違反とみなされることがあります。

路上駐車違反をするとどうなる?

 それでは、路上駐車違反をした場合、どのような措置をとられるのでしょうか。例えば、「駐車禁止」の道路標識がある場所にクルマを駐車し、その場を離れてしまったケースについては、放置駐車の「駐車禁止場所等違反」に該当し、違反点数2点、普通車で1万5000円の反則金が科される可能性があります。

 さらに駐車車両が交差点内や交通量の多い場所などにあり、交通の妨げや事故を誘発するおそれがあれば、最悪の場合、道路交通法第51条の規定に基づいてレッカー移動される可能性もゼロではありません。レッカー移動にかかった費用は、クルマの運転者や使用者などが負担することになるため、駐車場所には注意が必要です。

 このように、路上駐車をすると駐車違反になるケースは多いですが、場所や道路標識の内容次第では駐車違反にならないこともあります。

駐車違反に該当しない場所とは

 まず、駐車違反に該当しない場所として時間制限駐車区間が挙げられます。

 時間制限駐車区間とは、一定の時間内に限り車両を継続して駐車できる道路の区間のことをいい、近くに備え付けられたパーキング・メーターやパーキング・チケット発給設備で手数料を支払えば、決められた時間内での駐車が可能になります。

 ただし、時間制限駐車区間には「9時から19時まで」、「日曜・休日を除く」といったように利用できる時間帯などが道路標識で示されており、それ以外の時間帯では駐車禁止場所になっていることもあるため十分に注意しましょう。

 また、道路標識によっては手数料がなくても、路上駐車ができる場合もあります。例えば青地に白文字で「P」と書かれた道路標識がある道路では路上駐車が可能です。

 その道路標識の下には「標章車専用」や「土・日曜・休日を除く9−17」のように補助標識が設置されていることがあり、この場合は「高齢運転者等標章を付けた自動車が土・日・休日以外の9時から17時までの間であれば駐車可能」ということをあらわしています。

 ほかにも駐車禁止の道路標識に「8−20」などと数字が書かれていれば、「8時から20時までの間に限り駐車禁止」を意味するため、それ以外の時間帯では駐車が可能になります。

駐車禁止の道路標識がなくても駐車違反になる事例も

 ここで、駐車禁止の道路標識がない場所でも駐車違反が成立する事例についてご紹介します。

 例を挙げると、交差点、横断歩道、踏切、坂の頂上付近などは駐停車禁止場所として定められているほか、駐車場や車庫などの出入口から3m以内の部分、消火栓から5m以内の部分、火災報知機から1m以内の部分などは駐車禁止場所となっています。

車両が指定されている場合は普通車は駐車出来ない?

 そのほか、クルマを道路の左側に沿って駐車した際にクルマの右側部分に3.5m以上のスペースを確保できない場所に駐車をしたり、駐停車可能な路側帯がある道路において、道路の左側に75cmのスペースを空けずにクルマを駐車した場合にも駐車違反が成立します。

 このような決まりがあるのは、道路に適切なスペースを空けておき、他のクルマや歩行者が通行できるように配慮しなければならないからです。駐車すると交通の危険をおよぼす場所や交通の妨げになるような駐車方法などは禁止されているため、今一度、駐車禁止場所や正しい駐車方法について確認しておきましょう。

「貨物車専用」はやっぱり止めちゃダメ?

 路上にある駐車スペースの中には、道路標識や道路標示によって「貨物車専用」などと駐車可能な車両が指定されていることがあります。この場所に普通車を駐車しても良いのかという声も聞かれますが、貨物車専用の駐車スペースに普通車を駐車してはいけません。

 警視庁のホームページによると、このスペースの対象となる車両は貨物を集配中の貨物車であり、ナンバープレートの分類番号が1ナンバー、4ナンバー、6ナンバー、一部の8ナンバーと決められています。

 補助標識によって車種が指定されているため、もし普通車が駐車した場合には駐車違反に該当する可能性があります。きちんとルールを守って使用しましょう。

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 たとえ路上であっても、交通ルールを守って利用すれば駐車できる場合があります。路上駐車を行う際には、事前に駐車可能な場所であるかを十分に確認し、周りの交通の妨げにならないよう配慮して利用することを心がけましょう。