【おうちごはんインタビュー vol.31】かわいいイラストも魅力!Makiさん
料理をクリエイティブに楽しむ。Makiさんにインタビュー
プロフィール
Maki
美大を卒業し、インテリアデザイナーとして店の設計などを行なう。現在は、社内の企画部門で戦略や育成に関わる。
ナチュラルフードコーディネーターの資格を持ち、Instagramには和食を中心としたおうちごはんのほか、料理のスケッチやイラストレシピなども投稿している。
Instagramアカウント:@makichi.note
MakiさんのInstagram料理とInstagramが健康回復のきっかけに
出典:https://www.instagram.com
――お仕事はインテリアデザインがご専門とのことですが、フードスタイリングのセンスも素敵です。デザインと料理はどこか共通するものがあるのでしょうか?
ありがとうございます!
実はデザインと料理は、びっくりするほどとっても通じていて。実際にデザインから料理系に行く人も結構多いんですよ。
具体的に手法として、テーマ、食材選び、構図、色彩、盛り付け、スタイリングなど、すべての要素がリンクしていたりもしますし、誰かのために作るという行為も同じです。
デザインも、クライアントや消費者がいてその方々のためにどんな気持ちになってもらうかを考えて空間をデザインするのですが、料理も食べてもらう人のためにデザインしている感覚は通じていますね。
――デザインも料理も昔から興味があったのですか?
小さいころから絵を描くことが大好きで、将来はものを作る仕事がしたいなと思っていました。
なかでも空間デザインは、グラフィックもあれば立体的なものもあるし、何より“体感できる場所を作る”ということに興味がわいて。高校生ぐらいから目指し始めて、美大に進み、現在に至るという感じです。
料理も小さいころから母の手伝いを楽しんだり、お菓子を作ったりはしていましたが、特別得意というわけではありませんでした。
働き始めてからは多忙だったので、自炊はほとんどできずで……。結婚してからも手料理なんてほとんど作ってなかったですね。
夫は美術教員なので、どちらかというと私よりも規則正しい生活をしていて。彼が出勤するタイミングで私が帰宅するということもありました。むしろ、夫の方が作っておいてくれていましたね。
食べることはずっと好きでしたが、当時は料理以外のことに夢中でした。
――そんな中で、料理をするようになったきっかけは?
忙しさから夫が体調不良になって、私もサポートしきれず夫婦共倒れ状態になりまして……。体調を整えるために3食自炊を始めたのがきっかけです。
ちょうどそのころ、Instagramも始めていて。美大のころを思い出し、リフレッシュのためにデッサンを描いたのをInstagramに載せたりしていました。
Instagramを見ていると、とってもおいしそうなお料理写真やスタイリング写真がたくさんあって。
料理もこんな風に楽しめるんだなということを知ってから、自分でも料理をすることが楽しみになっていきました。
料理とInstagramは、私の心身の健康回復として社会復帰をさせてくれるきっかけでもありました。
出典:https://www.instagram.com
――Instagramに投稿された料理を見て、参考にしたり、影響を受けたりした方はいますか?
私が最初に「こんな世界があるんだ!」と感動したのは、料理研究家で活躍されている人気の食インフルエンサーさんでした。
彼ももともとグラフィックデザイナーで、やっぱり色彩感覚とか盛り付けとかセンスとか、さすがなんですよね。お料理は作るだけじゃなくて、そういうところまで楽しめるんだというのを教えてもらった気がします。
その方に初めてお会いできたときは、「やっと会えたー!」とうれしかったです(笑)。
――ファンですね(笑)。料理は独学で学ばれた感じでしょうか?
そうですね。本やネットを見たり、母から教えてもらったり。
料理教室とか学校には通っていないです。ナチュラルフードコーディネーターの資格は、通信講座で勉強しました。
あとはやっぱり、Instagramから学ぶことがすごく多いです。レシピを参考にさせてもらったり、こんな風に作ることができるんだなとかたくさんの刺激をもらったりしています。
――Instagramはどんなときによく見ますか?
大好きなので、空いた時間があると見ちゃいますね。特にコメントをし合っていると、合間合間にチェックしちゃいます。
これまでデザイン系の人たちとはつながっていても、お料理好きの人たちとつながるということはなかったので、コミュニケーションの幅が広がりました。
料理の彩りや盛り付けはスケッチで決める
出典:https://www.instagram.com
――Makiさんといえば、料理の隣にスケッチブックを置くスタイリングが印象的です。スケッチをすることで、どんなことを確認しているのですか?
本業でデザインをするとき、まず行なうのが思い描くことをスケッチすることなんですよね。
なので、料理をするときも何を作ろうか、どの器を使おうか、どんな配置バランスがおいしそうかなど、作る前に自然とスケッチするようになりました。
料理も勉強中だったので、頭の中だけで考えるより、事前に作りたいものを描くということを楽しんでいました。
スケッチはそのまま買い物のリストになったりしますし、家にあるものをどう活用できそうかの整理にもなったりします。
せっかくなので、そのスケッチを完成したお料理に沿えて写真を撮り、Instagramに投稿しました。
――スケッチしてみたけど、いざ作ってみたら思ったようにいかなかったということもありますか?
もちろん、あります。
それでメニューが若干変更になって、間違い探しみたいになっていることも……(笑)。
スケッチ通りにいったときは爽快です!
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――また、イラストで工程を紹介したレシピスケッチもかわいくて分かりやすいです。こんな風にイラストを入れようと思ったきっかけは?
だんだんと頭の中だけで思い描けるようになってからは、事前にスケッチを描くよりも、レシピとしてメモしていくことが多くなりました。
キャプションにレシピを載せたりもしていたんですが、みなさんが動画とかで分かりやすく紹介されている方がとても素敵だなと思っていて。
私は動画を作る自信はなかったものの、絵なら分かりやすく伝えられるかもしれないと思い、スケッチで行程を描いてみることにしました。
出典:https://www.instagram.com
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――ちなみに、イラストが苦手な人でも実際に自分でスケッチをしてみることは大切なのでしょうか?
私は好きで描いているだけですが、描くことで全体のメニューバランスや盛り付け、スタイリングのバランスを確認できるのはいいのかなと思います。
メニュー数が多いときとかは描いてみると最終形のイメージが付きやすいのと、そのままやることリストにもなります。
フォロワーさんからも結構、事前にスケッチしているというコメントをいただくこともあって、同じようにしている方もいるんだなとうれしくなりました。
あと、私の場合は、だんだんと料理を描くこと自体が楽しくなってしまっているのもありますね。焼き魚なんて、普段の仕事では全く描くことがないので、新鮮です(笑)。
おうちごはんは元気の源でデザインそのもの
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――美術教員の旦那さんと2人暮らしとのことですが、普段のおうちごはんはどのような雰囲気なのでしょうか?
ひとりだと料理をする意欲も半減してしまうのですが、やはり食べてくれる人がいるとモチベーションにつながりますし、基本的になんでも食べてくれるので助かっています。
それでいて、「でも、これはいまいちだからレシピにしないほうがいいかな」とかはちゃんと言ってくれるので、良きアドバイザーです(笑)。
盛り付けとか、器探しとかも一緒に楽しんでくれていますね。
――クリエイティブなご夫婦で素敵です。日々のごはんも、身体が喜びそうな和食をはじめ、ときには世界のごはんを作ってみたり、サラダバーのようなスタイルで楽しんだり、夕食にホットサンドという日もあったりとさまざまですよね。
基本的に飽き性なんです。忙しいとマンネリ化しがちなのと、料理もすごいスキルがあるわけでもないので、そんな中で楽しめる工夫をしています。
最近はほとんど在宅になってしまっていることもあり、その分おうちごはんを楽しくできればと思って考えています。
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――「#戸棚におやつ」というハッシュタグも楽しいです。
料理を始めてから器にも工芸品としての興味がわいて数が増えていたので、ずっと食器棚を買い替えたいと思っていたんです。
やっと気に入る食器棚を見つけて、それがアンティークの棚だったんです。そしたら昔、アニメで「おやつは食器棚にあるよ」というシーンがあったことを思い出しまして。
実際にうちでは食器棚におやつはなかったんですけど、あったらいいなっていう憧れを再現してみました(笑)。
このシリーズは楽しみとして継続していきたいですね。
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――日々のごはん作りで心掛けていることや気を付けていることはありますか?
夫婦で一度体調を崩しただけに、やはりバランスの良い食事は心がけています。野菜や和食中心のメニューが多いですね。
夫は家庭菜園をしているので、食材を作るのと食べるのが担当で、私は料理担当になっています。
少し料理のお仕事をさせてもらっている今、夫は食べることは自分の役割だと思っているようで(笑)。試作とかをモリモリ食べてくれるのは助かります。
――家庭菜園では、どんな野菜を育てているのですか?
毎年夏野菜を作るぐらいです。今年はきゅうりとトマトとナスですが、その年によって違います。
夫は植栽とか菜園が好きなので、趣味として楽しんでいるようです。自分の作った野菜が料理になるのがうれしいみたいで、「こんな風になったんだ!」って喜んでいます。
――さすが、クリエイティブですね!最後に、Makiさんにとって「おうちごはん」とはなんでしょうか。
元気の源であり、デザインそのものですね。
もともと家族の健康のためのおうちごはんですが、それだけではなくクリエイティブな要素を日々楽しめるものでもあるなって。
食べるだけでなく、作ること自体が心身を健康にすることにつながっていると思います。
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ありがとうございました!
スケッチしてから料理を作るというアイデア、とても素敵ですよね。
Makiさんいわく、「焼き魚はさすがにイメージだけでは描けないので、買ってきた干物を見ながら描くのですが、そうすると食材のいろんな発見があって面白いですよ」とのこと。
たしかに普段、食材をそこまでじっくりと見ることは少ないですもんね。イラストが苦手だとちょっと尻込みしてしまいますが、やってみたら意外とハマるかも?
Makiさんの投稿を参考に、挑戦してみてはいかがでしょうか!
Maki さん(@makichi.note)のInstagram
(text by コノ)