中川大志さんが両親に感謝していること。「怒られた記憶がない」子ども時代
ドラマや映画など数多くの作品に出演されている人気俳優の中川大志さん。8月19日に公開された『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』では、主役のソニックの日本語吹替を担当しています。
中川大志さんが、いいパフォーマンスのために大切にしていること
前回のインタビューにつづいて、今回は中川さんに収録中のエピソードやご自身の幼少期など、幅広いお話を伺いました。
【写真】すてきな笑みの中川大志さん
●大人から子どもまで幅広い世代が楽しめる映画
世界中で大反響を呼んだ『ソニック・ザ・ムービー』の続編となる『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』。いちばんの見どころは、なんといっても躍動感あふれるバトルシーンです。
「本作では、ソニックにもテイルスという友達ができました。一方、敵役である悪の天才ドクター・ロボトニックも銀河系でもっとも危険な戦士・ナックルズという新キャラクターを引き連れてきたことで、前作の『ソニック・ザ・ムービー』のときよりも、アクションシーンがかなり増えてパワーアップしています。スケールが大きく激しいバトルシーンは、きっとどんな人でも熱中すること間違いないですね!」
しかし、それゆえに収録中はそのテンションを維持するのが大変だったとも語ります。
「僕らのお仕事は身体の状態がすごく表に出やすいので、ソニックのキャラをキープするため、僕自身もずっとテンションの高さを維持するのに必死でしたね。そのために、常にやりすぎなぐらい身体を温めてスタンバイ。また、朝起きて『あ、疲れているな』と思ったら、ストレッチしたり、温かいものを飲んで身体を温めたりして、調子を取り戻すように心がけていました」
●リラックスできる時間を持つことが、芝居にいい影響を与える
多くの作品で、数々の表情を見せる俳優である中川さん。常にいいパフォーマンスを見せるために、常日頃から気を配っているのは「メンタル」のケアなのだとか。
「身体の状態ももちろん大事なのですが、僕たちのお仕事は感情を動かす仕事です。心の状態が、お芝居にすごく影響を与えるので、メンタル的な部分のケアはとても大切にしています」
そのために、日頃から意識するのは、息抜きしてリラックスする時間をしっかりと確保すること。
「台本や役と一生懸命向かい続けていると、次第に『自分の気持ちはどんなものだっけ』『僕自身はどんな人間だったんだろうか』とわからなくなるんです。最終的にはお芝居をするのは自分。だから、『自分はなにをされたらいやで、なにをされたらうれしいのか』『自分はどうしたら怒りを感じるのか』など、自分のことをわかっていないと、お芝居にも反映されない。だからこそ、自分のことを知るために、好きなことに没頭する時間は大切だなと思います」
そんな中川さんが、プライベートで大切にしているのは「犬」と触れ合う時間だとか。
「犬を飼っているので、犬と接している時間はいちばんの息抜きになりますね。あとは、身体を動かして、トレーニングしている時間も楽しいです。運動すると頭も体もリフレッシュするし、体調もよくなりますから。今はキックボクシングやパーソナルトレーニングでウェイトトレーニングもしています。もちろんサボりたくなるときもあるんですが、なるべく仕事の合間を見つけてトレーニングするようにしています」
息抜きにもトレーニングを組み込むというストイックな中川さんですが、そこまで仕事に対するモチベーションを高められる理由はなんなのでしょうか。
「いやいや、僕は全然ストイックじゃないですよ! 『この仕事があるからがんばらなくちゃ』という目標がなければ、身体づくりやメンテナンスも頑張れず、常にダラダラしてしまいます。でも、最後には皆さんに見てもらうということが頭にあるからこそ、自分を追い込むことができるし、見てくれる方がいなければ、がんばれないと思いますよ」
●両親に感謝するのは「距離感」を大事にしてくれたこと
子ども時代から、「自分がやりたいことは曲げないタイプ」だったそうです。だからこそ、大人になった今、ご両親の育て方には感謝する機会が増えてきたと語ります。
「幼少期から両親に怒られたり、『勉強しろ』などと口うるさく言われたりした記憶がまったくありません。もっとも、僕の家は二世帯住宅だったので、祖父母には細かいことを言われて育ったので、両親が意識してくれていたのかもしれないですが。そんな両親だからこそ、小さいときからずっと仲がよく、今でもプライベートから仕事のことまでなんでも話してしまいますね」
また、とくにご両親に感謝しているのは、「ときには、きちんと距離をとってくれたこと」なんだとか。
「どんなに仲がいい家族だからといっても、少し距離や時間を置きたいときもありますよね。うちの両親は、仮に僕の元気がないときは察してくれ距離を取ってくれる人たちで、『どうしたの?』『悩みごと?』などと無理やり聞き出そうとすることはありませんでした。今思えば、僕が自分で言い出すまで、待っていてくれたのかな…。そうやって両親には常に僕の意志を尊重してもらっていたからこそ、今の自分があるのかなと思います」
●もし子育てをするなら、「思いっきり好きなことをやらせてあげたい」
自分自身が自由に育てられてきたからこそ、もし子育てをするとしたら「自分がしてもらってきたように、思いっきり好きなことをやらせてあげたい」と語る中川さん。
「まだ子育てをしたことがないのに、子育てについて語るのは本当に恐れ多いなとも思うのですが…。でも、もし自分に子どもができたときは、僕自身がしてもらってきたように、思いきり好きなことをやらせてあげられたらなぁと思います。
なんでもやってみないとわからないことってありますよね。たとえば、人に『これをしちゃダメだよ』と禁止されても、いざ自分が失敗するまで、ピンとこないことも多い。なんでもかんでも制限し過ぎず、自由にいろんな失敗を経験してもらって、結果的にはそれが学びにつながればいいなと思っています」