ここ数年、注目を集めている「推し活」。応援したくなる対象ができたことで、家族仲がよくなったり、 前向きな気持ちになったり...と人生が変わった人がたくさんいます! 今回は、50代以上の「これから」世代の推し活事情と体験者のエピソードをご紹介します。

50代以上の100人に質問!推し活していますか?

まずは50代以上の100人に、推し活事情をリサーチしてみました。

【読者写真】50代推し活の実態

Q:推しはいますか?

いる…46人
いない…54人

Q:推しのジャンルは?

歌手・アーティスト…16人
アイドル…11人
海外タレント…9人
俳優…8人
スポーツ選手…2人

50代以上の「これから」世代は、歌手・アーティストを推している人が多く、次いでジャニーズなどの男性アイドルが人気。海外タレントはおもに韓流系中心に票を集めました。

 

Q:推し活をして失敗したこと

やや出費がかさむ…18人
夫の理解を得られない…4人
SNSでファンとのトラブル…2人

グッズ購入やイベント参加はやはり出費がかさむもの。なかには月20万円使っている人も…。

 

Q:どんな推し活をしていますか?

ドラマやSNSをチェック…31人
グッズを購入…8人
イベントに足を運ぶ…7人
ファンクラブに入会…5人

SNSチェックは当たり前の今、推しからの発信を楽しんでいる人が多く見られました。

 

Q:推し活をしてよかったことは?

生活にはりができた…22人
家族と共通の話題が増えた…16人
きれいになったと言われた…9人
友達ができた…7人

複数回答のこちらは、推し活を通じて生活にはりができた、という人がダントツに。推し活のきっかけが子どもという人も多く、家族との会話が増えたことが大きな喜びという声も。

 

推し活の魅力とは?ときめきの対象がいると人生が明るくなる理由

昨今、推し活は年齢問わず盛り上がりを見せており、50代以上でもハマる人が急増中なんだとか。推し活事情に詳しい横川良明さんに教えてもらいました。

「子育て終え、母としての抑圧から解放された女性が『自分の人生はまだこれから』
と新たな楽しみとして推し活に目覚める人が多いように感じます。自分を解放して『好きなものは好き』と言える時代になってきたのも大きいかもしれません」

推し活は暮らしのなかでも大きな活力になります。その魅力とは?
「自分以外のなにかに関心をもつというのが大きなポイントで、ときめきを感じられるものがあると、内面、ひいては外見も充実してくるもの。自己肯定感が上がった人も多いと聞きます」

推し活の醍醐味は無限大。新しい扉を開く人も続出中です。
「好きなものをだれかと語り合うことの楽しさはやはり格別。実際にお子さんと一緒に楽しんでいる人もいれば、年の離れた友達が新たにできたり、これまでにない出合いもあります。押し活はそれだけ人生を充実させる力があると思います」

推し活って、なにをすればいいの?手軽な始め方

推し活をしてみたいけど、どこからが推し活? 横川さんによると、「推し活は、好きな相手に対してポジティブな行動を起こすこと。ファンレターを書いたり、グッズを買ったり、SNSでコメントするなど小さな行動も立派な推し活」だそう。

手軽に始められる方法を教えてもらいました。

(1) SNSをフォローしてみる

気になる推しができて、SNSをやっているなら、まずはフォローしてみましょう。拡散する場合は、必ずコメントつきでシェアしてみて。その人の価値も上がり、さらなる活躍のきっかけになるかも。

(2) 好きな気持ちを発信してみる

リアルでは言いづらい「好き」をSNSで表明することが、気持ちを高めてくれる手助けに。ファン同士で会話できたり、知らなかった情報を手に入れられるメリットも。推し活が2倍楽しくなります。

(3) 推しに関連するものを買ってみる

グッズやDVDを買ってお金を使うことだけが推し活ではないんです。たとえば、推しがCMキャラクターになっている日用品などを買うだけでも立派な推し活。暮らしも楽しくなるはず!

 

推し活で人生変わりました!読者体験談

「これから」読者に、人生が変わった推し活についてお話を聞きました。

●51歳、推しを意識することで女性らしさを取り戻せるように

<淳子さん(51歳)>

推し対象:B×Bハルク選手
推し歴:10年
きっかけ:友人のすすめ

人生で推しができたのはこれが初めてでした。友人のすすめで「ドランゴンゲート」というプロレス団体のイベントに行ったことで、B×Bハルク選手に一気にのめり込むように。選手との距離も近く、Tシャツやタオルにサインされるともったいなくて使えないっていう気持ちを初めて味わったんです。

大きく変わったのは、自分が女性だという意識が高まったこと。リングサイド席で試合を観ていると、選手は私の顔をしっかり覚えてくれるので、「ちゃんとした格好をしなきゃ」と気にかけるように。試合前には美容院に行って新品の靴やバッグもその日におろしています。ドラゴンゲートには若い女の子のファンもたくさんいるので、年齢に負けたくないという気持ちにもなっています。

選手に会えるというその非現実を楽しみにすることが、変わらない日常を過ごす原動力になっています。イライラすることも減り、今ではなくてはならない存在です。

試合の日はオシャレに余念がありません。「この日のために体調、美容面を完璧にします!」

 

●49歳、辛かった仕事も推しのおかげで今は元気に乗り越えられた【体験談】

<あんりさん(49歳)>

推し対象:シナモロール
推し歴:5年
きっかけ:グッズを購入

5年ほど前、若手俳優にハマっていた時期がありましたが、彼らのスキャンダルに一喜一憂することに心の負担を感じ始めていました。同時期に仕事が一気に忙しくなり、疲れ果てていた私がたどり着いたのは、サンリオのキャラクター「シナモロール」でした。

仕事の外回り中、あき時間に入ったサンリオショップでたまたま購入したのがシナモロールの小さなぬいぐるみ。バッグに忍ばせて次の仕事先に向かうと驚くほどスムーズに話が進み、救われたような気持ちになりました。

それからは目につくたびにグッズを買い、家じゅうがシナモンに埋め尽くされるように。サンリオピューロランドにも行ったり、先日はショップで開かれるグリーティング握手会に参加してきました。

今でも仕事で嫌なこと、やる気が落ちてしまう日もありますが、キャラクターは人間と違ってスキャンダルもないので、安定した気持ちで好きでいられています。

あんりさんのグッズの数々。「知人からちょっとしたプレゼントとしてもらうことが多いです」