戸建て2階の階段ホールは腰壁なし、手すりのみ。1年暮らして満足&残念なこと
階段のデザインは、家の見た目の印象を大きく左右します。日刊住まいライターは、ハウスメーカーで家づくりをした際、オープンな階段にFB(フラットバー、平鋼のこと)手すりを採用しました。2階の階段ホールには、あえて腰壁はなし。おかげで階段室はすっきり、光もたっぷり入ります。ほかにもいろいろと気に入ったポイントを紹介。
FB手すりの採用で、2階の階段ホールがひろびろ
筆者の家のリビングは1階にあります。階段の上り口はリビングのほぼ中心に。
階段を上りきって、2階ホールでまず目に入るのは、スチール製のFB手すり。FB手すりを採用することにより、階段ホールには腰壁をつくっていません。
ちなみにこの手すりは、カツデンアーキテックの「横浅タイプ」。カラーはつや消しブラックです。
わが家の階段ホールや廊下の通路幅は76.5cm。一般的な幅ですが、腰壁で仕切られないだけで、広々と見えます。視線が抜けるので、圧迫感がありません。
わが家では、南側に窓を大きくとっています。ここから入る光のおかげで、ホール全体が日中はいつも明るく、気持ちのよい空間に。訪問者が1階からここにきたとき、写真のような眺めをみて、「おぉ!」と広がりに驚いたこともあります。
実際に採用した感想。握りやすくて、冷たくない
1階から踊り場までは、ラバーウッド製の階段手すりを。踊り場から2階部分はスチール製のFB手すりを採用しています。どちらも黒で統一し、違和感はなし。
スチールの手すりを選んだ理由は「無骨でおしゃれにしたかった」から。実際に使ってみると握りやすい。これはうれしい誤算でした。さっとつかめるし、冷たくもない。角は丸くしてあり、優しい感じがします。
メーカーによれば、わが家が採用した製品の特徴は「シャープなデザイン性を損なうことなく、握ったときに痛くないフラットバー」とのこと。角の面取り寸法までこだわっているそう。とがっている部分は、どこにもありません。
実際に80代後半の祖母が遊びに来たときに、この手すりは握りやすいと驚いていました。筆者もそう感じます。平たくてつかみやすい。力を入れやすい気がします。
また、スチールだと冬は冷たいかなと、入居前は心配でしたが、これも問題なし。年中快適です。
室内干しの場所としても活用
景観は損なわれますが(笑)、わが家では布団干しにも使っています。壁にかけるよりも、空気が流れやすいので、湿気もよく抜けそうな気がします。
筆者には花粉症持ちの家族がいるため、部屋干し派。ランドリールームはあるものの、大物のシーツをまとめて洗ったときや、スペースが少したりないときに重宝しています。
自己判断ではありますが、多少濡れたものをかけても、スチール製ですから問題ない気がしています。
ただし、騒音などのデメリットも
まず、隙間が大きいこと。子どもの安全性を考えるなら、かっこよさをあきらめて、落下防止ネットをつける必要があります。もしも、隙間を減らすために、手すりに縦筋や横筋を増やすなど、好みのデザインでオーダーメードするなら、かなりの高額になると設計士からは聞きました。
幸い、わが家の子どもたちの年齢なら、危険はあまり感じていません。しかし、もっと幼かったなら、これでは心配だとは思います。
2つ目のデメリットは掃除に関すること。2階でロボット掃除機を使いたいときに困ります。段差を感知するとはいえ、やはり心配。そこで筆者は、網戸用ネットを使った、ちょっとした壁を自作しました。掃除のときだけ、足元に設置しています。これまで、落下トラブルはなし。
ただし、これは自己責任。手持ちのロボット掃除機との相性も問題になってくるでしょう。
3つ目のデメリットは、汚れにまつわること。塗装の色が黒なので結構ホコリが目立ちます。手アカより、白いホコリのほうが気になる…。
1週間に1度は掃除が必要。筆者は、来客があるときは、必ずチェックするようにしています。もっとも、ドライのお掃除シートでふけば、簡単にきれいになるので、それほど苦ではありません。
4つ目のデメリットは、騒音問題。手すりだけだと、壁よりも遮断するものが少ないため、音が上下に通りやすい気がしています。
ただし、メリットと感じることも。筆者が1階にいても、2階の子ども達の気配はよくわかります。また、1階と2階でやり取りする際も、隙間で顔がお互い見えやすいです。
もっともわが家の場合、写真のように、1階リビングと階段室を仕切る扉をつけたので、ドアを閉めると、音はかなり遮断されます。
以上が、実際に1年間、この家に暮らしてみて感じたことでした。
わが家は黒をポイントにしたインテリアにしています。導入した手すりは、階段すらもおしゃれなインテリアにしてしまう効果があって大満足。加えて、使い心地もよくて、納得のいく家づくりができました。