子育てなども落ち着き、自分の人生に目を向けられるようになる50代。人生100年時代となると折り返し地点とも言えます。そんな人生後半戦を素敵に生きるコツ5つを、50代のトップブロガー中道あんさんに教えてもらいました。

50代から素敵な生き方を目指してみる!

私にとって50代とは、それまでとは違う、第二の人生の始まりともいえました。三番目の子どもが成人し、重い教育費から解放されて、金銭的な余裕を持つことができました。

同居していた母親の介護も、老人ホーム入所をきっかけに、物理的な距離ができたことで負担が減りました。

子育て終了と親の介護から離脱したことで「家族のための自分」から解放された気がしたからです。そして、定年までのゴールが見えたことで定年後の生活について考え始める時期にもなります。どうせなら後悔のない生き方をしたいですよね。そのために大事にしている5つのポイントをお伝えします。

●(1) 時間の使い方を改める

ママ友が大病したり、同級生が亡くなってしまうことも、50代に入ってからは珍しくありません。使える時間には限りがあると痛感しています。だからこそ、自分の時間をどうでもいいようなことに使っているほど余裕はないと思っています。同じ時間を使うなら「やりたいこと」「楽しいこと」で埋め尽くしたいと思うようになったのです。だから

・なんとなくの人づき合いを手放して、ともに過ごす相手を選ぶ

・家事の時間を減らして自分のための時間を増やす

・何かと年齢を言い訳にしそうですが、今日が一番若い日だと思って、先延ばししないようにする

と変化しました。おかげで、やりたいことは全部やってみる姿勢ができました。すると朝起きたら「今日は何しよう」と前向き1日を過ごせるようになります。

「何をしても楽しくない60代」にならないためには、今日一日を楽しく過ごせる人でありたいと思います。毎日が楽しければ、つまり人生は楽しい人生を終えることができるのですから。

 

●(2) 家族との関係性を見直す

いつまで、子どもの面倒を見なくてはいけないのか。というのを考えたことがありますか。私が娘時代は「結婚するまで親の責任」といわれ、親の考え方や価値観などを押しつけられて、とても窮屈で生きづらさを感じていました。だから子育て終了後の「親の役目はない」と思っています。

そのうえで、子どもには「自分のことは自分で決めれる人」になってほしいと思いました。そりゃあ、若ければ世間を知らないので、失敗することもあるでしょう。でもそれは、知らないだけであって、考える能力が低いわけではありません。わざわざ、親が構い立てしなくても経験が解決してくれます。

だから、高校生くらいになれば、進路などは子どもが決めた方向を応援するというスタンスを取っています。それくらいから自分のことを「ママ」とは言わず「私」というように心がけました。たとえ子どもであっても、お互いに対等な「個」であるという意識づけです。本当に子どもたちと接すると、若者らしいの着眼点や新しい思考をこちらが頂戴していて、教えることは何もないなと感じています。

唯一、あるとしたら50代というおばさんになっても、新しいことに挑戦し、軽やかにイキイキと人生を楽しんでいる姿を見せることでしょうか。そうすれば、「老いる」って「悪くないよね」という希望を与えられるかもしれないと思っています

●(3) キッチンは女の城ではない

料理をつくって食べさせることに、かつては喜びを感じていました。家族がおいしそうに食べている姿に幸福感さえ感じていましたが、「仕事もやって家事もやって」というのは一生続けられるものではないと感じています。

プラス子育もあってスーパー働くお母さんをやっていましたが、若かったからできたのです。しかも「自分の体を酷使している」なんて1ミリも気づいていませんでした。ストレスを感じにくい能天気さからか、50歳手前でメニエール病になってやっと働きすぎていることに気づくという始末。そのせいで左の耳には後遺症が今も残っており、聞こえにくい状態です。

そこから、徐々に食べさせる幸せから、家族と共有する時間そのものに幸せを感じようと思うようになりました。ということでマイルールが自然にでき上がっていきます。

・ズボラ家事もOK!

・総菜をフル活用

・キッチンでの料理は夜のみ

・掃除も洗濯も隔日に

・アウトソーシングに頼っていい

ご飯をつくれない時には、申し訳ないから外食していましたが、純粋に「おいしいものを一緒に食べに行こう」という、同じことをしていても捉え方がずいぶん変わりました。

これも、自分がご飯をつくって当然だという思い込みを手放せたことからです。

 

●(4) 自分で稼ぐことが自信になる

55歳で起業しました。やはりこのまま会社員生活を続けるには「おもしろ味」がないと思ったからです。さほど、得意でもないことで、賃金が上がらないまま、あと5年働いた先に明るい未来を感じなかったからです。

とはいえ、そんなことくらいで「よくもあっさり会社を辞められたね」と思われるかもしれません。それは、スキルなどなかった自分でもパートからはじめて、45歳で就活して正社員になり自分で稼いだことが自信になっていたのだと思います。決して収入が多かったわではなく、自分のことをいいほうに勘違いして信頼できたからです。

だから今の仕事に不満を持っているのであれば、自分らしく働ける方法を模索するのも50代のうちではないかと思います。いったん自分のキャリアについて考える時間もつことは大事。新しいことを始めるのに50代からでも遅くないと実感しています。

●(5) 長く続けられる趣味をもつ

どんなに忙しくても、週に1度のピラティストレーニングは欠かせません。マンツーマンで始めた私に一緒にやりたいと申し出てくれたのは20年以上つき合いのある63歳のオーナー美容師さんです。彼女は60代になると極端に体力の低下を感じたそうです。このままでは、大好きな美容師を一生続けることができないかもしれない、体感を鍛えてアンチエイジングをしたい、とのことからでした。ということで、なんと美容室までトレーナーに来てもらい、トレーニングをしています。

ひとりでは、今日やらない理由をいくらでもつくることができますが、一緒にやる人がいるおかげで切磋琢磨して休むことなく2年間続いています。1時間のトレーニングが終われば美容室は再営業。女性がつるむとなにかと人間関係がややこしくなるケースもあるなか、ピラティスを一緒にやるだけの関係性から発展しないことが、なんとも楽ちんなのです。週に1度、わずか1時間ですが、その時間が1週間の張り合いになっていることも確かです。

自分の時間をつくって趣味や楽しみを育てていけば、老後のお小遣い稼ぎになる可能性だってあります。たとえマネタイズできなくても、歳を重ねてから「やりたいことが見つからない」と困ることもないでしょう。

 

●50代最後の年だから言えること

今年59歳になりますが、戸建てを購入して大家さん業を始めることにしました。その理由が「不労所得を得る」という経済的な意味もありますが、決定的な理由は、「これやったら絶対に人生がおもしろくなるんじゃないか」という直感が働いたからです。「絶対におもしろいよね」と思っちゃったんです。どうしようもなく心がときめいちゃったんです。

もういい歳なんだし、「今さら新しいことを始めるのは難しい」なんて諦めるのはもったいないこと。おかげで、新しい知識をどんどん収集して吸収していこうとワクワクしています。

59歳というと、結構いい歳ですが、それでも今が一番若い時。やりたいことを先延ばしすれば、どんどんリスクが増えるだけだと思っています。何かを始めるに「遅すぎる」ということはありません。やりたいと思ったときがベストのタイミング。それを逃さないことも、50代には大事になってきます。