検索エンジンのYahoo、決済サービスのPayPal、PCゲームストアのSteamおよびEpic Gamesといったサービスがインドネシアの規則を順守していないとして、同国の規制当局がこれらのサービスへのアクセスをブロックしました。

Indonesia blocks Yahoo, Paypal, gaming websites over licence breaches | Reuters

https://www.reuters.com/technology/indonesia-blocks-yahoo-paypal-gaming-websites-over-licence-breaches-2022-07-30/

Indonesia bans access to Steam, Epic Games, PayPal, and more - The Verge

https://www.theverge.com/2022/7/30/23285091/indonesia-bans-access-steam-epic-games-paypal-yahoo

インドネシア政府が2020年11月下旬に発表した「MR5」と呼ばれる法律の一部として施行された規則により、「民間電子システムプロバイダー」とみなされた企業は、同国内で事業を行うためにライセンス登録する必要があります。また、MR5によりインドネシアの通信情報省(Kominfo)は「違法とみなされたコンテンツ」や「公の秩序を乱すとみなされたコンテンツ」を、緊急時には要請から4時間以内、そうでない場合は24時間以内に削除するよう強制する権限も与えられているとのこと。

インドネシアはこの規則が発表されてから、民間電子システムプロバイダーに対してライセンス登録を求めてきました。しかし、2022年7月27日に入り、ついに規則に順守していない企業が提供するサービスへのアクセスをブロックし始めました。Kominfoの高官であるSemuel Abrijani Pangerapan氏によると、今回のアクセス制限の対象となったのはYahoo、PayPal、Steam、Dota2、Counter-Strike、Epic Gamesなどです。

ゲーム産業関連のアナリストであるDaniel Ahmad氏もインドネシア政府によるアクセス制限について警鐘を鳴らしており、Pangerapan氏が挙げたサービス以外にOrigin.com(エレクトロニック・アーツのゲームプラットフォーム)やXandr.com(Microsoft傘下の広告マーケットプレイス)もブロックされているとのこと。

今回のブロックにより既に一部のゲームサービスや支払いサービスへのアクセスが不可能になっていることが、Reddit上で報告されています。ブロックされているサービスにアクセスした場合、以下のような真っ赤な警告画面が表示される模様。

一方で、MR5に従う形でApple・Microsoft・Google・Amazon・TikTok・Twitter・Netflix・Spotifyといった企業がライセンス登録を行っているため、これらの企業が提供するサービスは引き続きインドネシアでも利用可能です。

PayPalおよびYahooの親会社であるプライベートエクイティーおよび、Steam・Dota・Counter-Strikeの運営元であるValveは、今回のアクセス制限についてロイター通信からコメントを求められていますが、記事作成時点で返答は得られていません。

Kominfoによる一部サービスへのアクセス制限が実行されてから、「インドネシア通信省によるアクセスブロック」を意味する「#BlokirKominfo」というハッシュタグがインドネシアのTwitterでトレンド入りしています。Twitter上では「インドネシアのゲーム業界やPayPalを利用するフリーランスの労働者を害する動きである」のような、インドネシア政府を批判する声も挙がっています。

また、非営利組織の電子フロンティア財団(EFF)は2021年にインドネシアのMR5について「人権を侵害している」と指摘。さらに、2022年7月初めにもEFFはKominfo宛に書簡を送り、「侵略的なコンテンツモデレーション規則を廃止するように」と要請しています。

Pangerapan氏はインドネシアのユーザーがPayPalから預金を引き出すための解決策を模索すると語っており、ロイター通信は「PayPalへのアクセスがブロックが短期間だけ解ける可能性がある」と報じています。また、Pangerapan氏はウェブサイトがライセンス登録を行えば、アクセス制限を解除するともコメントしています。