なぜ「給油口」は左右バラバラ? 「借り物で困惑も」 車種毎に異なる理由とは

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 クルマの給油口は、モデルによってボディの右側もしくは左側に取り付けられています。

 すべてのクルマで統一されているほうが、給油の際などに困ることがないと思われますが、なぜ給油口の位置はバラバラに設計されているのでしょうか。

なぜ給油口はメーカーや車種でバラバラなのか?

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 最近では、セルフサービスのスタンドも増えているため、自分で給油するという人も少なくなく、家族のクルマやレンタカーの給油時には給油口が左右どちらについているかわからず、困ってしまったという経験があるかもしれません。

 クルマの給油口は、基本的に運転席もしくは助手席側のボディ後方に設けられており、その位置によって、給油をおこなう給油レーンも変わってきます。

 メーカーごとの違いではなく、基本的にモデルごとに違うため、例えば「トヨタなら右」「日産なら左」「BMWなら右」というように断言することはできません。

 すべてのクルマで給油口の位置が統一されていれば、給油レーンで困ることもありませんが、なぜバラバラの位置になっているのでしょうか。

 実は、給油口の取り付け位置について「道路運送車両の保安基準の細目定める告示(2021年9月30日公開)」に記載があり、そのなかの第18条において以下の3点が定められています。

・通常の運行において燃料が容易に漏れない構造であること
・露出した電気端子及び電気開閉器から200mm以上離れていること
・座席又は立席のある車室の内部に開口していないこと

 2005年11月9日に公示されたものでは「排気管の開口部から300mm以上離れていること」が定められていたため、マフラーから給油口までの距離を考慮する必要がありましたが、現在ではマフラーといった排気類との配置は計算する必要がなくなっています。

 高熱を帯びるマフラーと、引火しやすい性質を持つガソリンは相性が悪いことから、かつては「給油口とマフラーは離れた位置に配置するべきだ」という考えが強かったようです。

 こうした安全面以外で給油口の位置を決める要因はあるのでしょうか。

 国産車販売店の担当者は「給油口の位置は、燃料タンクの位置やモデルごとのデザイン性によっても左右される部分となっています」と話しています。

 また国産車系のデザイン担当者は次のように話しています。

「給油口の位置は、燃料タンクの大きさや設置場所、その周辺の構造物を考慮して出来るだけ最短の配管ルートで設けられることが多いです。

 その構造上の問題に加えて、見た目のデザインとして違和感のない場所に給油口を持ってきます」
 
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 なお、給油口を運転席から確認する場合には、メーターパネルに表示されている燃料計アイコンの横に小さな三角マークが指し示す方向で判断することが可能です。

 また最近のクルマでは油種の入れ間違いを防ぐために、給油口に「無鉛レギュラー(レギュラーガソリン)」や「無鉛プレミアム(ハイオクガソリン)」と記載されています。