同じ間取りであっても、階数によっては価格が違ったり住み心地にも影響が出てくる住宅問題。今回はESSE読者416人にアンケートを実施し、何階に住むのがベストなのかを考えてみました。

低層階と高層階、住みやすいのはどっち?

「子どもがまだ小さいので、生活音を気にしなくてすむ戸建てはとても暮らしやすいです! ただ、以前住んでいた賃貸マンションも、下の階がコインランドリーだったので、子どもが飛び跳ねても下の階を気にしなくてすんでラッキーでした」(東京都・32歳)

小さい子どもがいる家庭にとっては、生活騒音を気にせず、子どもに思いっきり遊ばせてあげられる一戸建ては魅力的。しかし、マンションやアパートなどの集合住宅の場合でも、下の階にお店が入っている場合はそれほど気を使わなくて大丈夫だったという意見がありました。

●虫やゴキブリとの遭遇確率が高め!低層階の虫問題

「現在1階で犬と子どもが走り回っても音を気にしなくていいし、ベランダからの落下などを心配しなくてもよい。でも虫がほかの階より出やすく、次に住むなら2階に住みたい」(神奈川県・30歳)

「以前、1階に飲食店が入っている賃貸マンションの2階に住んでいました。夏に洗濯物を取り込んだ際にゴキブリが一緒に入ってきました」(大阪府・34歳)

「いま、5階に住んでいるのですが、ゴキブリや害虫などがまったくいないのですごく快適です」(大阪府・28歳)

自分好みの暮らしを楽しめる一戸建てに魅力を感じている人の中でも、虫やゴキブリが苦手なので、あえてマンションの高層階を選んでいるという人もいました。

●ジメジメした季節に注意。低層階はカビやすい

「主人の両親の持ち家に住まわせてもらっています。3人子どもが生まれた今、毎日ギャーギャーうるさいので、一戸建てでよかったと思っていますが、とても古い家なので、ワラジムシ・ダンゴムシはたくさん出るし、湿気もひどいのでカビが多く困っています」(北海道・37歳)

一戸建てや集合住宅の1階に住んでいる人から多く挙げられていたのが湿気の問題です。

「1階のマンションに2回住んだが、かなりカビに悩まされた」(東京都・33歳)

「結婚当初住んでいたアパートの1階は、川の近くで湿気が多くある日突然クローゼットや押入れにカビが生えて、収納していたもの(バッグやお財布、ソーイングボックスなど)にもカビが生え、たくさんの物を廃棄しました」(広島県・49歳)

大切な持ちものがカビだらけになってしまうのはショックですよね。2階に住んでいても、クローゼットのなかがカビてしまったという人もいました。立地によっては湿気取りを小まめに取り換えたり、換気に気をつけていても、なかなか湿気対策を完璧にやりきるのは難しいようです。

●忙しい朝にエレベーター待ち…。高層階ならではの不便

「以前は、高層マンションの25階に住んでいたのですが、メリットは景色です。とくに夜景がきれいでウォーターフロントで東京タワーが見える立地だったので、トレンディドラマの主人公にでもなった気分でした。
しかし、エレベーター待ちが長いというデメリットが…。通勤時間帯はかなり待ちます。一度エレベーターを降りて忘れ物に気づいたときなどは、もうため息しか出ません。結果一戸建てが無難だと思いました!」

立地によっては花火を楽しめたり、富士山が見えたりする高層階での暮らし。しかし、朝のエレベーター待ちの時間にうんざりという人はけっこう多い様子。

●マンション住まいの思わぬ落とし穴

「以前は分譲マンション8階角部屋4LDKに居住。見晴らしがよく、周囲からの目線もなく、マンション内の人間関係も良好でした。セキュリティも清掃も行き届いていて安心で。ただ、角部屋のベランダには、鳩が必ず住み着き、どう対策しても、糞害が避けられなかったです」(香川県・48歳)

この方はマンションの老朽化が進んだときに、修繕や建て替えなどの問題が出てくることが避けられないことや、駐車場が抽選で遠い場所に当たると不便なため、毎回落ち着かなかったなどの理由から、戸建てに引っ越したそう。
現在は、駐車場が家の敷地内なので、買いものなど荷物を運ぶのに便利で、お子さんの習い事の送迎でも車に乗る機会が多いので、それも助かっているといいます。
また地震など災害時に備えた、物資などを保存する場所を確保できるスペースができたことにもメリットを感じたそう。

「庭に置けるテントや、段ボールトイレなども準備してあり、いざというときに、庭でも過ごせる準備ができたことは安心感があります。ただ、防犯面では、マンションに比べて不安は残っています」とのこと。

●1階は空き巣リスクも。一度でも被害にあうと恐怖心が残る…

「防犯や、メンテンナンスの楽さなどの理由でマンションに住んでいます。共働きで子どもが留守番をしていても防犯上安心です。
ただ自分好みの設計ができる戸建てにも憧れます。庭つきでBBQができたり、大きなプールが出せたり。実際、自分の子ども時代は一戸建てに住んでいて、庭が広くて野菜を育てたり、植物や虫や生き物を観察したり、ペットも飼っていて楽しかったので、そういう思いを子どもたちにも本当はさせてあげたいと思っています」(東京都・46歳)

この方が子ども時代に住んでいた住宅街では空き巣が多く、実家も空き巣被害にあったことがあったそう。そのときの怖い思いをした経験から、今はオートロックで高層階のマンションに。窓からの侵入もないし、コンシェルジュや管理人さんが常駐していたりする面でも防犯上は安心ですよね。個人の一戸建てだと、セキュリティーをしっかり整えるとそれなりに管理費がかかり続けてしまうという側面も。

●上からものを落とすという悪質ないたずら

「1階だったので、災害時に上からの下水がトイレからあふれて来ないか心配でした。さらに専用庭つきでガーデニングを楽しんでいましたが、上層階からものを落として遊ぶ子どもがいて、怖い思いをしました。そうでなくても庭に上の階からよく物が落ちてきました」(愛知県・52歳)

たまにニュースなどでも報道されていますが、万が一、下にいる人に直撃したらと思うとゾッとします。

災害に強いのは?地震、大雨、火災…、どう乗りきる

「マンションだと火災時、逃げ遅れそうなのが怖い」(徳島県・38歳)

規模の大きいマンションで火災が発生した場合、火元と自分の住まいの位置関係によっては非難ルートがかなり限られてくる恐れがあります。学校や会社と違って、定期的な避難訓練などがないマンション生活。いざというときに、適切な方法で逃げきれるか心配という人もいました。

●大雨の浸水被害が心配。理想は4〜5階!?

近年、増え続けている大雨による災害。何階にいるかで、ときには命に関わる事態に陥ることも…。

「河川近くの1階は危険です。引っ越し後だったのですが、河川が氾濫して浸水していました」(神奈川県・41歳)

●高層マンションで停電や断水したら…

「マンションの方がメンテナンスがラク。現在は10階に住んでいますが、もう少しして子ども独立したら、低層階に移りたいと思っています。震災などで、もしエレベーターが止まってしまったとき今はまだ階段で登れますが、歳を取ったら水などを抱えて、10階まではとても登れそうにはないと思うからです。ただ1階だと、浸水などの災害も考えられるので、4〜5階くらいがいいと夫と話しています」(千葉県・49歳)

マンションの高層階に住んでいて断水した場合は、災害用品を確保しに行ったりゴミを捨てに行ったりするたびに、階段を上り下りせざるを得ない場合も。停電してエレベーター停まって苦労した経験から一戸建てに移り住んだという人もいました。

●ハザードマップや地域の防災・防犯情報を確認しておこう

「今は6階に住んでいます。おすすめはカーテンしなくてもよい開放感。隣近所もなく青空が一望できて気持ちいいです。なにより今後予想されている南海トラフ地震! ハザードマップをみると3階部分まで浸水する区域。なので6階にして正解だと思っています」(大阪府・46歳)

豪雨や地震などの災害に備え、一戸建てでもマンションでも、購入する前にハザードマップをチェックしておく必要がありますね。また地域によっては空き巣や窃盗、電話詐欺などが防犯情報がネットで公開されていることもあります。