人生100年時代、年金でどうやって暮らしていけるのか、いつまで働けるのか? とお金や暮らしに対する不安も多いはず。そこで、過去に公開したなかから、人気の高かった50代からのお金と暮らしの記事をまとめて紹介します。

50代から70代まで。お金の使い方と無理しない暮らし

●66歳ひとり暮らしの心豊かに暮らすお金のルール

40代の初めに別居して1人暮らしを開始。57歳で離婚するまで、正社員としてキャリアを磨きながら、息子さんたちが高校を卒業するまでは元の家に通って夕食の支度やお弁当づくりを続けていたというショコラさん。

「それはもちろん、大変でしたよ。いつも時間に追われていたし、仕事は忙しいし。だけど、息子たちにご飯をつくってあげられて、一緒に食べて、笑って、家に帰る。そのルーティーンが私の元気の元でしたから」

現在は、すっかり成人し独立した息子さんたちの実家に近い分譲マンションに一人暮らしです。その住宅ローンも10年ほどで完済!

「40代からずっと、決して贅沢はしてきませんでした。というより、できませんでした。働いたお金は少しでも貯めておいてローン返済に回したし、息子たちの学費も負担していましたし。それでも自分らしく、過度な我慢をすることなく続けられる暮らしをさぐりつづけて、今に至ります」

ものを買うときの大きなルールは3つだけ

ショコラさんがものを買うとき、何かを決断するとき、考えていることは次の3つだといいます。

・身の丈に合っているか

・無理はしていないか

・それは好きなことか

「インテリアもファッションも大好き。もちろん贅沢はできないけれど、好きなことは諦めたくない! 今の時代はネットもあるし、世の中にはいろんな解決策があふれています。少し考えて、できる範囲で自分なりの工夫をすれば、お金をかけなくても楽しめるんです」

●66歳ひとり暮らしの無理をしない働き方

現在66歳、年金をもらいながら週4日パートで働き続ける、人気ブロガー・ショコラさんに、自分らしく働くコツについて教えてもらいました。

1LDKのマンションに、月額12万円の年金(企業年金と公的年金)で1人暮らしをしているショコラさん。

結婚後2人のお子さんを出産。その後別居、離婚を経てマンションを購入し、10年でローンを完済。57歳のときに、それまで働いていた正社員・営業職の仕事を辞め、内勤・事務職のパートに再就職しました。

収入は1/3程度になり、後悔したこともあったそうですが、節約をしながら手取りだけでの生活を決意、今も変わらない生活費でマイペースに楽しく暮らしています。

 

持ち物もお弁当も「定番化」して、無理しない

営業職だった正社員時代と違って、通勤ルートも1日の過ごし方も、ほぼ決まっています。だからこそ、持ち物やランチは最小限の定番アイテムを。それも厳選した「自分にとって心地いいもの」を持つようにしています。

バッグはいつも2個持ち、中身は最低限に

バッグは肩かけできるものとお弁当を入れるミニトートの2個持ち。「ミニトートは3COINSのもの。300円には見えませんよね(笑)」

会社で使うものはデスクに置きっぱなしなので、持ち物は最低限。エコバッグやタオルハンカチのほか、アメやチョコレートも。

●60代からの家計管理は自己流&シンプルに

余計なものを捨てて片付ける『捨て活アドバイザー』として活躍する岡田敏子さん。60代にさしかかったとき、家事を大きく見直して家計簿をつけるように! すると、暮らしにさまざまな変化が現れたといいます。

岡田さんの家計簿はノートパソコンの中。家計簿アプリなどは使わず、表計算ソフトを使って自分なりにつくっています。

「仕事をしているから、家のお金と自分のお金と2系統あるんです。レシートをストックしておいて、数字をひろって入力していくの。出費ごとにお金の出どころもわかるようにしています。それに、ちょっとした節約や工夫をするとすぐ数字に表れるのもいいところ。なにが効果的だったか、すぐわかるので節約のしがいもあります」

・銀行口座は2系統に分けることで管理がシンプルに
銀行口座は2系統。
「家のお金」は貯蓄用口座と家計用口座のふたつ。
・貯蓄用口座は=手軽に出せないように、あえてキャッシュカードは作らず!
・家計管理用口座は=ポイントが貯まりやすいように、いつも行くスーパー系のクレジットカードをここから引き落としに。

一方、「仕事&プライベートのお金」はひとつの口座にしてシンプルに管理しています。
もうひとつ、岡田さんのお金にまつわるユニークなルールがあります。それは「日々持ち歩くキャッシュは1000円だけ」と決めていること。

「お財布には1000円札1枚だけ! クレジットカードとPASMO(交通系プリペイドカード)にいくらかチャージしてあれば不安なことはありません」

いまどきの都内では、どうしても現金しか使えないところは少なくなりました。それでも現金のみ、と言われたときは「諦める」。そうやってお金を使わないようにセーブしているのです。

●70代のひとり暮らし、1か月5万円でやりくりするコツ

70代、ひとり暮らしのシニアブロガー・紫苑さん。月約5万円の年金をやりくりしながら、お金をかけなくても豊かな暮らしを実践しています。紫苑さんの生活の工夫について教えてもらいました。

60代に入り、仕事が減って貯金をどんどんと崩すことになっても「不安になるだけだから、お金のことは考えないように」と先々のお金のことは見て見ぬふり。収入が減っていくなか、家賃を払い続けることが負担になったため、貯金をほぼ使い果たして築45年の中古一戸建てを購入。国民年金だけでやりくりすることになり、いよいよ現実を直視するようになったといいます。

1か月5万円で暮らすため、衣食住…さまざまな工夫を試しました。食事は安い食材で自炊、オシャレは手持ちをリメイク、インテリアはDIYと、試行錯誤を繰り返すうちに節約を楽しむゆとりも。

「工夫すれば年金で暮らせることがわかり、お金の不安が消えました。自炊と運動で以前より体調がいいし、健康寿命を延ばして、これからの暮らしを楽しみます」

 

1回の買い物予算は4日分で1000円

メインおかずになる魚や肉、そのとき安い野菜のほか、牛乳、卵、ヨーグルトがきれていたら買いたすルール。

「冷蔵庫に残っている食材と組み合わせて3〜4日は十分間に合います」

●50代、老後や年金生活を見据えたケチではない節約

現在59歳、ブロガーとしても活躍する中道あんさん(大阪在住)は、現役の今から老後を見据え、お金のムダを省いた暮らしで年金生活に備えているそう。

おトクに買える定期便を利用したり、積極的にポイ活をしたり。情報を日々アップデートしながら、倹約生活を続けている中道さん。大事にしているのは、子どもの頃に言われ続けた、「始末する心」だと言います。

「関西特有かもしれませんが、“使える間は最後まで使う”という意味です。だから、買うときは値段ではなく、自分が本当に欲しいものをじっくり探すし、買ったものはとことん活用します。ものを大切にすることが、長い目で見れば節約につながる。出し渋ってお金を使う“ケチ”とも違う、その考え方が好きなんです」

浮いたお金は比較的リスクの低い投資に回し、老後資金に備えるのも中道さんらしさ。

「投資をすることで経済の勉強をしたり、ニュースに関心をもつようになりました。脳トレにぴったりだと、気楽に楽しみながら取り組んでいます」

 

お金をかけすぎずに暮らしを楽しむ工夫3つ

(1) 花はコスパを考えて定期便で購入

(2) 観葉植物は買わずに「挿し木」で増やす

(3) 雑貨は新品でなくメルカリで探す

 

●60代夫婦ふたり、年金暮らしの小さく豊かな食卓

現在64歳、夫婦2人の小さな暮らしのコツをYouTubeで発信する、pokkomaさん。60歳で退職したときに、コンパクトなマンションに住み替え、お金の使い方を見直し。お金をかけずに、日々楽しみながら暮らししているpokkomaさんの食卓を見せていただきました。

お金をかけなくても豊かな食卓にする3つの工夫

(1) 旬の食材は、メルカリと道の駅で安く購入

無農薬のレモンはなんと、メルカリでゲット!

「生産者さんと直に取り引きするので、スーパーよりもお得に買えるんです。道の駅の野菜も鮮度がいいのでよく利用しています」

(2) 昼ごはん少しの手間ででごちそう感アップ

ランチは、お金も時間もかけないけれど、ごちそう感が出るものをつくっているpokkomaさん。卵かけご飯は、食べる1時間前にしょうゆに漬け込んだ卵黄を使ってひと手間かけています。「残った卵白を泡立てたり、シラスを加えたりすると、ますますおいしくなります」

(3) 朝は体にいいものを手づくりで

朝ごはんは手軽につくれる手づくりジュースに。夫は夜勤明けの日、朝ごはんを食べてすぐ寝るので、胃に負担のない軽いものを用意。「ミックスジュースは旬の果物でつくるので、市販品よりもフレッシュで安くつくれます」