スタイリストの山本あきこさんの人気連載。「もしかしてファッション以前?」という素朴な疑問から、「この服のスタイリングはどうしたらいい?」という現実的な着こなしまで、大人の女性の「それ、あるある!」というおしゃれのお悩みにお答えしていきます。

大人でもTシャツをおしゃれに着こなしたい!

こんにちは。梅雨が終わればいよいよ本格的な夏ですね。夏のおしゃれのお悩みを聞いてみると、みなさん「Tシャツ」の着こなしに迷っているご様子。着心地はラクちんだし、汗をかけば洗えるし、種類は豊富で、暑い時期はとにかく重宝する「Tシャツ」。どんなお悩みがあるのでしょうか?

●今どき風に着たはずなのに、部屋着に見える!?

なるほどなるほど、これはオーバーサイズのTシャツが流行している今だからこその「あるある」ですよね! たしかにオーバーサイズはラクですが、大人の女性が着るときにはちょっとだけコツがいるんです。

アクセサリー使いと一手間で「お出かけ感」を出す!

ポイント(1) アクセサリーで華やかさを出し、部屋着との違いをアピール!

Tシャツはカジュアルアイテムなので、どうしてもそれだけでは「お出かけ感」が出せないアイテムです。それでも、若いときは、肌や髪のツヤ、体型のおかげで1枚でも十分かわいく、おしゃれに着こなせてこられたと思います。でも、年齢を重ねていくうち、「なんでもないTシャツを輝かせる力」は失われていきます…。それは、ハイブランドのTシャツを選んでも同じです。

では、どうしたらいいのか? それは、「Tシャツの回りを盛り上げる」こと! つまり、顔回りをアクセサリーなどでしっかり「盛る」ことです。ピアスでも、ネックレスでも、カチューシャでも、キャップでもいいです。とにかく顔回りを華やかに飾って(しっかりお化粧をしたり、濃いめのリップを塗るのもいいと思います)、「これはパジャマではありません!」ということをアピールすることが大切です。

ちなみに、ここで言う「アクセサリー」は、一粒ダイヤのピアスや、細いチェーンネックレスのような繊細で華奢なものではありません。できれば遠目から見てもわかるような、少し大ぶりなものや、派手なものがおすすめ。そうすれば「ご近所コーデ」には見えず、Tシャツコーデが垢抜けて見えるはずです。

 

ポイント(2) 袖を折り返す一手間でこなれムードに

さらに、同じTシャツとパンツの組み合わせでもおしゃれ見えするテクニックがあります。それは、「袖を折り返す」こと。袖をそのままにする着こなしももちろんありますが、ほんの一折り、二折りして身体に沿わせるだけで、ぐんとこなれて見えるんです。

とくにオーバーサイズのTシャツはどうしても「着られている感」が出てしまいがち。でも袖を少し折ることで「自分のものにしている感」が出ますし、「パジャマ感」も払拭されますので、ぜひ試してみて欲しいです。

●今年の大人のTシャツの着こなし、これが正解!

イラスト左は、きちんと袖を折り返して着こなしている例です。Tシャツコーデの場合は、バランスを見ながら裾をウエストインすることで「きちんと見え」する場合も多いです。また、上下を同色系でまとめると簡単に大人らしい着こなしになるのでおすすめです。

イラスト右は、キャップをかぶって顔まわりをしっかり盛っているスカートコーデの例。Tシャツとスカートのコーディネートはかわいいですが、その場合はスカートは、コットンだったり、リネンだったりと、ある程度「カジュアルなもの」にしましょう。あまりきちんとしたスカートに合わせてしまうと、どうしてもカジュアルなTシャツが取ってつけたようになってしまいます。

ストッキングやパンプスなどもですが、「ドレッシーなアイテムとのミックス」は、かなり難易度が高いので、初心者は避けた方が無難。ミックスコーデに挑戦するより、「今日はカジュアル!」と振り切ったほうが雰囲気がまとまります。

●地味見えしない配色で洗練のTシャツコーデ

さて、私のある日のTシャツスタイルはこんな感じ! おそらくパジャマには見えないはず(笑)。ポイントはきちんとネックレスをして顔まわりを盛っていることと、大きめサイズのTシャツなので、袖を折り返してバランスを調整していること。今年たくさん出ているカラーパンツを着こなす際にも、Tシャツは良いパートナーになってくれます。派手色パンツを引き立てるなら、トップスはシンプルかつベーシックカラーのTシャツがいちばん。ぜひみなさんも「Tシャツ上手」になって、これからの夏を乗りきってくださいね。それではまた来月!