ドラマ『やんごとなき一族』で、莫大な財産資産を有する深山家の二男であり、主人公・佐都の夫である健太役を演じている松下洸平さん。ドラマの見どころや、表現者としての強い思いについて伺いました。

松下洸平さんインタビュー「佐都に対する健太の愛情は、より強くなっています」

400年続く名家であり、莫大な財産資産を有する深山家に嫁いだ下町育ちの主人公・佐都(土屋太鳳)が、後継者争いやいじめ、厳しいしきたりに直面し、壮絶な試練を受けながらも、一族全員が幸せになれるよう奮闘する『やんごとなき一族』。

独裁的な父・圭一(石橋凌)が佐都を追い出すための画策を次々と打ち出すなか、佐都を一途に愛し、守り抜いている深山家の二男・健太を演じているのが、松下洸平さんです。

「深山家は、まさに“やんごとない一族”でして(笑)。しきたりや独特なルールが多く、一般庶民には理解しがたい部分がたくさんあって、健太はそこに反感をもっています。その点では佐都と同じ価値観や考え方を抱いていますね。健太を演じるうえでは、家を出るまでは深山家で暮らしていたので、育ちのよさを感じさせる一面をどのように見せていくのか、監督と相談を重ねています。ただ、健太も闘っているし、世間知らずのおぼっちゃまに見えないように意識しています」

佐都が深山家に入り、闘う決心をしたのは、健太の「深山家を普通の家族にしたい」という切なる願いを知ったから。どんな窮地に立たされても、お互いを思いやりながら、夫婦で奮闘する健太と佐都の姿に、深山家の人々の気持ちが少しずつ変化していきます。

「深山家に欠落しているいちばん大きなものは、家族の絆です。自分の家族を大切にするのはもちろん、生まれ育った下町の人たちとも信頼を深めている佐都は、健太にはとても新鮮で魅力的。佐都は突拍子もない行動をすることもありますが、その思いきりのよさに、健太は引っぱられ、支えられています。健太にとって自分にたりなかった部分をもっている佐都への憧れと愛情は、より強くなっているのかもしれませんね」

●自分が満足しているかどうか問いかけることを大切にしています。

そこで、もし松下さんが健太だったら、深山家に戻るか、それとも家には戻らずに佐都と暮らすか、どちらを選ぶか聞いてみました。

「まさに究極の選択ですね(笑)。深山家にいれば、経済的にもなに不自由ない生活を送れるし、仕事も苦労しないですよね。でも、それと引き換えになにかを捨てなければならないとなると、深山家の人間は人として欠落しているところがあるので、どうなるか…。行ったり来たりできたらいいんですけど、難しいですね」

どんな質問にも、優しくほほ笑みながら、紳士的に答えてくれる松下さん。でも、内側には表現者として強い思いを秘めているようです。

「芝居をしていても、歌っていても、これでいいのかを常に考えています。僕自身が満足いくものをつくりたいという気持ちがあってこそ、この仕事が続けられると思うし、満足しないからこそ、もう1回もう1回とがんばれる気がして…。自分が満足しているかどうか。そう問いかけることを大切にしていますし、僕のエネルギーになっていると思います」

誠実な受け答えが印象的な松下さんが演じる、まっすぐに佐都を愛する健太から目が離せません。

INFORMATION
木曜劇場
『やんごとなき一族』
毎週木曜 夜10時
フジテレビ系 全国ネット放送中
https://www.fujitv.co.jp/yangoto/