大橋正嗣容疑者(本人がSNSで公開する動画より)

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「被害に遭ったときは恥ずかしさとショックで言い出せなかった。でも、逮捕されたとニュースで知って……」

【写真】マスクを外した“素顔”の大橋正嗣容疑者

 犯行当時、高校生だった10代女性B子さんはそんなふうに警察に被害を打ち明けた。モデルに誘った20代女性A子さんに「いい表情を撮るため」と言って胸や陰部周辺を触るなどした準強制わいせつの疑いで5月10日に逮捕したカメラマンについて、大阪府警捜査1課と城東署は同31日、B子さんに対する同容疑で再逮捕した。

 堺市西区に住む大橋正嗣容疑者(52)。プロカメラマンの肩書きで、「無料で撮影モデルをしてみませんか」などとSNSで女性を勧誘し、撮影中に犯行におよぶ手口だった。再逮捕容疑は3月上旬の昼ごろ、撮影スタジオとして借りているマンションの一室で、モデルに応じたB子さんに「いい表情を撮るため」などと信じ込ませ、下着の中に手を入れて、胸を揉んだり、陰部を触るなどわいせつ行為をした疑い。

「スタジオに入ると、過去に撮影した写真や動画を見せられ、衣装に着替えさせられ、いろいろなポーズをとらされている。撮影の途中、“表情をつくるため”と言われわいせつ行為が始まった。被害者が最後には“やめてください”と声を出すと、大橋容疑者は“やっぱり無理やったか”と手の力を抜いたという。被害者は起き上がって着替え、隙をみてスタジオから逃げ出した」(捜査関係者)

 助けを呼ぼうにも呼べなかった。「キミのスマホでも撮ってあげる」と言われ、容疑者に渡してしまっていたから。

 最初の逮捕をきっかけに、被害を訴えたのはB子さんだけではなかった。

「反応しているよ」と言われた女性も

「大橋容疑者に身体を触られたなどとする被害相談が府警に41件寄せられた。“反応してるよ”と言われたケースや、着替え中に盗撮されたのではないかと話す女性もいた。スタジオを開いた当初にあたる10年前の被害相談もあり、余罪については慎重に調べている」(前出の捜査関係者)

 警察の取り調べに容疑者は A子さんの事件について、

「胸や尻を触ったが、合意の上だった」と容疑を否認。

 B子さんの事件には、

「いろんな人を撮影しているから覚えていません」

 とこれも否認している。

 被害女性が面識のないカメラマンを信用したのは、SNSで大勢の女性の写真をアップしたり、フォロワーにモデルがいたから。SNSで自分を少しでもきれいに見せたい。自撮りでは限界がある中、B子さんは「無料でプロに撮ってもらえるならラッキーやな」と考えたという。

 犯行現場の撮影スタジオは、大阪市城東区のマンションにある。同マンションの住人が大橋容疑者の様子を振り返る。

「屋外スペースにカメラを持って出てきて、若い女の子を自然光の下で撮影していましたね。ほかの住人を気にしてか、特に“いいね〜”などの掛け声はありませんでした」

 近所の飲食店男性は約3年前の出来事をこう振り返る。

「20歳前後とみられる女の子が立て続けに、撮影スタジオの場所がわからず道を尋ねてきた。コスプレをしていて“写真を撮ってもらいにきた”と言う。着替えが入っているのか、みんな大きなカバンを持っていた」

 大橋容疑者がカメラマンになったのは40歳のころ。SNSにモデル撮影に応じた女性の写真を大量に掲載し、

《撮影の仕事やモデルキャスティングやっています。フォロワー伸びる撮影まかせてください。このアカウントはモデルリストとして掲載しています》

 と仕事を手配できるかのような雰囲気をかもす。

羞恥フェチの本性

 モデルに大きなクマのぬいぐるみを抱かせたり、板チョコやレモンを持たせるベタな構図が目立つ一方、ベッドに仰向けにさせて真上から撮るなど接近ショットも。

《めっちゃ恥ずかしがってるのキュンです笑》

《恥ずかしそうにしてるの見てたらドキドキするやん》

 などと恥ずかしがる表情に過剰反応する“羞恥フェチ”でもあった。

 モデルの掲載基準をフォロワー1万人以上とし、

《アパレルやサロンさんその他の企業さん! 撮影依頼するなら早めに声かけないとですよ》

 と売り込むような言葉も。

妻子持ちの“脱サラ”カメラマン

 自宅周辺の住民らによると、妻と年ごろの娘がいるという。

「仲のええ親子や。普段からきちんと挨拶するし、いいお父さんだっただけに事件は信じられへん」と近所の男性。

 知人男性は言う。

「もとは家電量販店の販売員です。脱サラしてカメラマンになったみたい」

 SNSでは《僕はフォトグラファーとか作品撮影するカメラマンとかではなく商用カメラマン》と自己紹介。

《実は写真撮る事が別に好きとかじゃないんですよね。人が撮った写真に喜んでくれるのが好きなだけで》

 とうそぶいている。被害女性を目の前にしても同じことが言えるだろうか。