6月19日は父の日。何を贈ったらいいか迷っている方は、血圧計などはいかがでしょう? 日本人は40歳を超えると約半数が高血圧になると言われています。人間ドックなどで血圧が高いので気をつけましょう、と言われている親御さんも多いはず。なぜ血圧が高いとマズいのでしょう?『40歳からの予防医学』(扶桑社刊)の著者である医師の森勇磨先生に聞いてみました。

親の健康が気になったら贈りたい、「血圧計」と「血圧ノート」

高血圧になるとどのような影響があるのでしょうか? 森勇磨先生に伺いました。
「血圧が高くても痛くも痒くもありません。でも、それが高血圧の恐ろしさ。そのまま放置していると、確実に血管は傷つき、動脈硬化が進行します。その結果、もし心臓でそれが起こると狭心症や心筋梗塞を引き起こす原因に。脳に症状が出れば、脳梗塞や脳出血。動脈では大動脈解離や大動脈瘤の引き金になります。

高血圧が症状として表れるのは、生死にかかわる状態にまで悪化してから。それゆえ、高血圧の人は、人体に“時限爆弾”を抱えているといわれるのです。日本では年間10万人以上の人が、高血圧が原因のこうした病気で亡くなっています」

●病気を防ぐためには毎日、血圧を測ることが大切

そうした大病に至る前に、血圧を正しく管理することが大切になります。

病院で降圧剤をもらって服用している人はもちろん、そこまで高くなくても最近血圧が気になる、という方には、毎日の血圧を正しく測って記録することをおすすめします。

「塩分を控えるとか、運動するなど、日々の生活習慣を改めようとしても、長年続けてきた行動様式をガラリと変えることは正直難しいものです。無理をしてストレスを溜めるのはよくありません。そこで、たとえば血圧を毎日測定して記録することから始めてみてはいかがでしょう。測定が日課になると、『今日は少し高かった』『昨日は少し飲みすぎたかな』『最近寝不足気味だから血圧に表れているのかも』と、自分の身体に関心が向いてくるはずです」

●血圧計はどのようなものを選んだらいい?

最近は家電量販店などでいろんなタイプの血圧計が売られていますが、どれを選んだらいいか迷ってしまいます。

 

「血圧計はできれば手首ではなく、腕に巻くタイプが正確な数値が出やすくおすすめです。ただ、測り方を間違えると正しい数値が出ませんから、運動後は控えて、心と身体が落ち着いた状態で測りましょう。寒い場所では血圧が高くなるので、適温の室内でイスに座ってリラックスした状態がいいでしょう。気を付けることとしては、血圧計のカフの中心を心臓の位置と同じ高さにすること。テーブルの上に腕を置いて、カフは服の上からではなく地肌に巻く方が正確な数値が出やすいです」

 

●高齢者には血圧をノートで記録するのがおすすめ

最近の電子血圧計は数か月分の数値を記録できるものもあって便利です。またスマホのアプリなどで血圧を管理している人も増えていますが、手書きで記録したいという高齢者の方におすすめなのが血圧ノートです。

体重や一日の歩数を記録することもできますし、メモ欄には通院記録や体調変化など、気になることやイベントを日記代わりに記入できる、便利な一冊です。

「目標は毎日測って記録することですが、毎日続かない人は週1回からでも構いません。大切なのは測って記録することを“習慣化”させることです。数値の変化に関心が向いてくるようになると、次のステップとして、たとえば減塩のためにラーメンの汁を残すとか、運動のために一駅手前で降りて歩いてみるとか、何かしら行動を変えてみましょう。血圧ノートにはそうした12か月間のチャレンジ例も提案してみました。

日々の血圧の上下に一喜一憂する必要はありませんが、記録することで意識が変わって、小さな身体の変化に気づくことができる。それがひいては大きな病気を予防することにつながります」

大切な親の健康のために、血圧計と血圧ノートをセットでプレゼントしてみてはいかがでしょうか?