“おこもり”が日常になり、お家で女子会を楽しむなんて日もあるのでは?

女子同士の集まりなら、ガツンとお肉というよりは、さっぱりめの前菜やフルーツなどを用意して、華やかでオシャレに盛り上がりたい!

今回は、そんな軽めの料理と相性が抜群のワインをご紹介。

フレッシュかつミネラリーで、まさに“ワイン界の貴公子”といえる一本だ!



左:東京カレンダー編集部 嵩倉伶奈/右:ワインジャーナリスト 柳 忠之氏


専門誌からライフスタイル誌まで幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト・柳 忠之氏。

柳氏が東京カレンダーでワイン連載の担当となって5年目。ワインの勉強に日々奔走する編集・嵩倉の質問に、いつも親身になって答えてくれる。


オーストリアの銘醸家ふたりがコラボ!


柳「う〜ん。」

――あらっ、柳さん、なに悩んでるんですか?

柳「ああ、クラリン(編集担当の嵩倉)。いや、うちの愛車も車齢15年。あちこちトラブルが出てきて、そろそろ買い替えを検討しなくてはならないんだけど、環境問題を考えたらBEVかな〜と。」

――電気自動車ですか?

柳「そう。そしたら、ソニーとホンダがコラボしてBEV作るって言うじゃない。最初のプロダクトが出るのは2025年だから間に合わないけどさ。

それから、トヨタとスバルが共同開発したBEVが今年のうちに発売されるらしい。」

――どうして、単独で開発せずにコラボなんでしょう?

柳「そりゃあ、内燃機関から電動へと、100年に一度のパラダイムシフトだからね。1社でやるより優れたアイデアも出るだろうし、開発費も抑えられて効率的なんじゃないの?

あっ、そうそう、コラボといえば……。」

――ワインの世界でもありますよね。私の憧れ、オーパス・ワンとか。

柳「うん、新しく登場したコラボワインがオーストリアにあった。」

――ラリアじゃなくてリア?

柳「そう、カンガルーがいない方。そのオーストリアを代表するブドウ品種が、グリューナー・ヴェルトリーナーだ。」


オーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナー
「LENZMARK New Chapter(レンツマーク ニューチャプター)」


使うブドウの大半は、オーストリアでは珍しい石灰質の土壌をもつトライゼンタール産。

ステンレスタンクで発酵、500Lの樽で数ヶ月熟成することでリンゴ、ピーチ、グアヴァなど豊かなアロマを実現している。酸味がフレッシュで、ミネラリーな味わい。

5,800円/オーデックス・ジャパン TEL:03-3445-6895



――また覚えづらそうな名前ですね。

柳「その覚えづらさが一因だと思うのだけど、9割がドイツ語圏で飲まれているそうな。」

――なるほど、さもありなん。

柳「そんな現状に憤懣やる方ないのが、レンツ・モーザーという造り手。なにしろ、所有するブドウ畑がすべてグリューナー・ヴェルトリーナーというくらい、この品種に対する愛情が深い。

それで、親子ほども年が離れていながら、15年来の付き合いがあるマルクス・フーバー氏という若手とタッグを組み、グリューナー・ヴェルトリーナーから世界レベルのワインを造るプロジェクトを立ち上げた。

その名も『ニュー・チャプター』だ。」

――新たな章の幕開け!

柳「なんでも、世界的に評価の高い白ワインを片っ端から試飲し、グリューナー・ヴェルトリーナーに欠けているものを検証したらしい。

その結果、フィネスとエレガンスが必要と考えたふたりは、リースリングとムスカテルをほんのちょっぴりブレンドした。石灰質土壌のテロワールも相まって、後口はミネラリー。偉大な白ワインだね。」

――柳さんも私とコラボしてワイン造りましょうよ!

柳「だめだめ。どうせクラリンは飲むだけでしょ?」


コラボしたのは、このふたりの醸造家


左がレンツ・モーザー氏、右がマルクス・フーバー氏。

レンツは、中国でもワイン造りの経験がある国際派。マルクスは、地元専門誌が認める最優秀醸造家だ。

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