ライフスタイルの変化によって増えていく“もの”。片づけようと思っていても、なかなか捨てられないという方も多いのでは? 自身もアラフィフ世代で整理収納アドバイザーの小林志保さんに、50代からの「がんばりすぎない片づけ方」を教えてもらいました。

50代のがんばりすぎない片づけ。気をつけるべきこと

子ども時代や独身時代、結婚して子どもが生まれるなど、生活に変化があると、その年月分の「もの」がおうちの中に増えていきます。ライフスタイルごとに変化のある「もの」は、なんとなく捨てられなかったり、たくさんの思い出があったり…。手放すことに不安を感じたままになり、気づけば家の中にものがたまってしまいがちになります。

納戸の箱から出てきたものとは…?<写真>

そんな過去のものを多くもつ50代の片づけは、自分の集中力と体力を考慮して疲れない・がんばりすぎないお片づけでスタートしてみてはいかがでしょうか。

●1日30分から40分程度で、減らすことだけに集中する

押し入れやキッチンを全部完璧に整理しようと思ったら、プロでも3時間から5時間くらいは必要となります。おうちにものがたくさんあると、片づけをスタートすることがすでにストレスで、なかなか手をつけれないという方もいらっしゃるのでないかと思います。

ストレスや疲れを感じない片づけのコツは、始める前に「今日は30分だけ片づけよう」と時間を設定しておくことです。片づける場所は、リビング棚の引き出しや、冷蔵庫の中などの一部分だけ。収納の事は考えずものを減らすことだけに集中します。

私の場合、納戸の中に入れっぱなしになっていて、なにが入っているのか自分でさえ記憶のない箱がありました。その箱の中身を全部出して、必要か不必要かを分けていきます。この程度の作業なら20分もかかりません。

ものが多くて片づけに困っている方は、収納のことは考えず、ひたすら減らす癖をつけていきます。私も、これを繰り返していくうちに家の中からどんどんものが減っていく経験をしています。

無造作に箱に入れられた中身には、「なんでこんなところにこんなものが…?」と、すっかり存在を忘れていたものも。夫のへその緒とか、夫との結婚する前のラブラブな写真など出てきて、ちょっとおもしろい経験もできますよ。

●収納は「いつ、どこで、だれが使うのか?」で分ける

ものの分け方は、使っているもの、使っていないもののほかに「いつ、どこで、だれが使うのか?」で分けることも大切です。

小学校を卒業し、自室にいることが多くなった子どものものをリビングに置きっぱなしにしていないですか?

わが家は数年前からリビングに子どものものを置く場所をつくっていません。自分のものは自室で管理してもらうことで、リビングは夫婦の癒しスペースとなっています。ライフスタイルが変わる今、もう一度家族の行動導線を見直すのもこれからの暮らしがラクになるコツです。

●自分のものは自分で。収納ケースを利用して負担を減らす

ものの区別ができたら実際に収納場所にものを納めていきますが、わが家の収納の仕方は基本的にはザックリ人別で分けています。自分のものは自分で管理してもらうことで、私の負担が減っています。

その仕組みづくりに役立つのが、100均などで売っているケース。人・ものと区別することができたり、布などの雪崩状態も防げるのでオススメのアイテムです。収納用品は自分の中で定番商品を決めておけば、足らなくなったときの追加も簡単で時間の短縮にもなります。

●定位置決めは、ものより“人”で分ける

洗面所、ゲタ箱などには、もの別に分けるよりも人別で収納する方が、定位置はずれにくいようです。自分のものは自分で管理して片づけてもらう仕組みをつくれば、家事全般を任されている方もラクになりますよね。

おうちの片づけでがんばりすぎると、ちょっとお疲れモードになってしまう年代の方には1日の片づけ時間を決めて、ゆっくりと整理をしていくことをオススメします。お子さまも手を離れていく時期ですので、この機会におうちの見直しをしてみてください。

50代は人生の分岐点。自分らしい暮らしを手に入れるスタートは、がんばりすぎないお片づけでおうちの中を少しずつ整えていきましょう。