江戸時代に旧黒羽藩・現在の大田原市で始まり今も名残を残す教育施設「作新館」にちなみ、栃木県内の学術・教育・文化の振興に貢献した人をたたえる表彰式が20日、市内で行われました。

作新館は江戸時代に黒羽地区の城主・大関氏が現在の学校にあたる藩校として設立したのが始まりで、明治以降に私学「大関作新館」を経て現在の黒羽小学校となりました。

その名称と精神は宇都宮市の作新学院に継承されています。

藩校の中でも4400冊に及ぶ書物が残され、学術・教育の面で地域をリードしてきたことから、顕著な功績を残した人にそれをたたえる「大関作新館賞」を贈っています。

3回目の今回は俳句研究家の中田亮さんと歴史研究家の大沼美雄さんが受賞しました。

中田さんは県内の高校や大学の教壇に立ちながら、江戸中期の俳人・与謝蕪村の師で旧烏山町・現在の那須烏山市出身の早野巴人の功績を掘り起こしたり、後進の育成にも取り組んだりしてきました。

大沼さんは足利大学で常勤講師を務めていて、国の助成を受けて幕末・明治初期の黒羽藩における蔵書や幕府に仕えた那須家の蔵書の目録を作成するなど県北地域の郷土史の研究に力を尽くしました。