Nintendo Switchでもすべてのキングダム ハーツシリーズタイトルがプレイできる「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」が配信されていますが、これはバグだらけでほとんどプレイできない悪夢のような出来であると海外ゲームメディアのPolygonが批判しています。

Kingdom Hearts Switch Cloud Versions review: A hardwire-only nightmare - Polygon

https://www.polygon.com/reviews/22938608/kingdom-hearts-switch-cloud-version-review-performance

「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」は、キングダム ハーツシリーズ1作目となるキングダム ハーツの英語音声版である「キングダム ハーツ ファイナル ミックス」、2作目の英語音声版「キングダム ハーツII ファイナル ミックス+」、キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズのPlayStation 2向けリメイク版である「キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ」、キングダム ハーツ バース バイ スリープの英語音声版「キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」、映像コンテンツの「キングダムハーツ 358/2 Days」と「キングダムハーツRe:コーデッド」、キングダム ハーツ 3D[ドリーム ドロップ ディスタンス]のHDリマスター版である「キングダム ハーツ 3D[ドリーム ドロップ ディスタンス]HD」、映像コンテンツの「キングダムハーツ キー バックカバー」、キングダム ハーツ バース バイ スリープの後の物語を描く「キングダム ハーツ 0.2 バース バイ スリープ -フラグメンタリー パッセージ-」、シリーズ3作目となるキングダム ハーツIIIとダウンロードコンテンツをまとめた「キングダム ハーツIII+Re Mind(DLC)」がプレイあるいは再生できるというもの。

「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」でプレイできるタイトルはすべてクラウド版となっているため、Nintendo Switchにデータをインストールするのではなくインターネット経由でサーバーからデータを直接ストリーミングしながらゲームをプレイすることとなります。

「KINGDOM HEARTS」シリーズ Nintendo Switch Cloud Ver. トレーラー - YouTube

Nintendo Switchのクラウド版キングダム ハーツについて、Polygonは「おそらくこれまでのキングダム ハーツシリーズでも最大の負担であり、不当な価格のパッケージはほとんど機能せず、誰にもオススメできません」と批判しています。

特にクラウド版キングダム ハーツは特に古いプラットフォーム向けに作成されたタイトルほどパフォーマンスが優れていないそうです。また、クラウド版をプレイするにはインターネット接続環境が必要であるという点も面倒なポイントだそうで、Nintendo Switchをスリープ状態にするたびにインターネットに再接続する必要があり、このちょっとした手間が億劫に感じられる模様。また、スリープ状態でしばらくNintendo Switchを放置しておくと、ゲームが完全にクラッシュしてしまうそうで、収録タイトルのほとんどに自動セーブ機能がない「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」ではかなりの頭痛の種になるとのこと。

Polygonの記者であるライアン・ギリアム氏は「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」の収録タイトルのうち、「キングダム ハーツ ファイナル ミックス」「キングダム ハーツII ファイナル ミックス+」「キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」「キングダム ハーツIII+Re Mind(DLC)」の4タイトルをプレイし、プレイを快適にするためにさまざまな設定を試したそうです。

「キングダム ハーツ ファイナル ミックス」はNintendo Switchを専用ドックに置いたままWi-Fi接続でプレイしたそうですが、遅延やフレームレートの低下によりゲーム画面が「ひどく醜いもの」となったそうで、「特定の場所ではほとんどプレイできないと感じるほどだった」と記しています。そのため、ストーリーの最初に訪れるトラヴァースタウンに到着した時点でゲームを止めてしまったとギリアム氏。

続いて、ギリアム氏はNintendo Switch(有機ELモデル)を専用ドックに取り付け有線接続で「キングダム ハーツII ファイナル ミックス+」をプレイ。これによりラグはましになったそうですが、「それでもスムーズなゲーム体験というにはほど遠い出来」だったそうです。ゲームのフレームレートは30fpsを下回り続け、安定することはめったになかったため、主人公・ロクサスの動きはひどく鈍間に感じられたそう。

「キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス」と「キングダム ハーツIII+Re Mind(DLC)」はNintendo Switchの携帯モードでプレイしたそうですが、どちらもやはり遅延やフレームレートの低下が顕著で、Wi-Fi接続ではどれだけ高速なルーターを使用していて、ルーターの側でプレイしていても、ゲームの遅延を常に感じることとなった模様。



「常にインターネット接続する必要がある」「スリープ状態にするとゲームがクラッシュする恐れがある」という2点があるため、外出時などのゲームプレイに最適なNintendo Switchでのプレイに「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」は向いていないとギリアム氏。

「KINGDOM HEARTS INTEGRUM MASTERPIECE for Cloud」は最良のセットアップ(専用ドックに置いて有線接続でプレイ)でもある程度のラグやフレームレートの低下を感じざるを得ないため、さまざまなプラットフォームに対応してきたキングダム ハーツシリーズをわざわざNintendo Switchでプレイする理由はないとしており、Nintendo Switchでキングダム ハーツシリーズのプレイを検討しているユーザーに向けて「ちょっと待ってください!」と語りかけています。