新庄監督「獲得熱望」阪神藤浪を打撃マシンで登板させた理由
形を変えたラブコールかもしれない。
プロ野球キャンプに入ってもオフと変わらず、斬新なアイデア連発で「ビッグボス旋風」を巻き起こしている日本ハム新庄剛志監督(50)が、今度は「藤浪くん」を投入だ。2日、沖縄・名護1軍キャンプに用意したのは総額500万円のバーチャル打撃マシンだった。
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打撃練習の一環で、本人映像に合わせたマシンの投球を打ち返す。最高速度は160キロまで設定でき、変化球も自在に投げ分けられる最新型だ。映像には阪神・藤浪晋太郎、ソフトバンク・モイネロ、阪神の現役時代に登板した「投手・新庄」の3人が登場する。
ここで気になるのが、マシン映像の人選だ。モイネロは球界を代表する左の中継ぎで、対戦機会が多くなるだけに納得できる。それと対になる右の先発型であれば、打撃マシンのメーカーには昨季投手5冠のオリックス山本ら多彩な投手が用意されている。なぜリーグも違い、対戦も少ない藤浪を選んだのか。
新庄監督と藤浪といえば、オフに物議を醸した「獲得熱望発言」。昨年12月31日、日本ハムOBの岩本勉氏のユーチューブに出演し「欲しいのは阪神の藤浪君。俺のところに来たら化ける」などと口にした。一球団の監督が名指しで獲得を希望する選手を公にするのは異例で、賛否を呼んでいた。
そんな騒動余波もあるなかでの藤浪マシン…。新庄監督は人選の理由を「藤浪くんは、いろんなところにボールがいくピッチャーじゃないですか。藤浪くんを打てれば誰でも怖くないだろ、という意味で」と狙いを明かした。
藤浪の荒れ球は球速があるうえに、どこにくるかわからない。体の近くにくれば、命の危険もある。そのボールに対して踏み込んで打ちにいかないといけない恐怖。新庄監督に言わせれば「いろんなところにボールがいく」ほうが打者目線では厄介で、それだけ投手の藤浪を高く評価している裏返しでもある。
これに対し、藤浪本人は戸惑うばかり。日本ハムの打撃マシン導入については、ネットのニュースで把握しており、コメントを求められると「だから何ですかと(笑)。別になんとも」。ビッグボスに気に入られ、振り回されっぱなしの藤浪は苦笑いだ。
成績不振が続く近年、藤浪にまつわるトレードの噂話は絶えないだけに、結果を出せないようなら、新庄監督の有言実行となる可能性もゼロではない。 球界の常識にとらわれず 「再生させる自信がある」とラブコールを送り続けるビッグボス流の行く末はいかに。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]