長友佑都(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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1日、ワールドカップアジア最終予選で日本はサウジアラビアを2-0と下し、グループ2位を確保するとともに首位サウジアラビアとの勝点差を「1」に詰めた。この結果、日本は3月24日のアウェイ・オーストラリア戦で本大会出場を決められる状況になった。

この試合の前まで、日本の左サイドは大きな批判を浴びていた。南野拓実はゴールに迫れず、長友佑都は消極的なプレーで衰えが見えると、選手交代を促す声は日に日に大きくなっていた。

そんな厳しい目を浴びつつ、長友は吠えた。オーバーラップした13分、奪われたボールをチェイスし、再び自分たちのボールにして思わず大声で叫ぶ。この気迫溢れるプレーに場内は大きな拍手を贈った。

「今日は生きるか死ぬか。今日できなければ代表にいる意味がない」と思っていた長友は、場内の自分を応援してくれる雰囲気を感じていたという。そして常に高いテンションでプレーするだけでなく積極的に攻撃を仕掛け、日本のアグレッシブなプレーを牽引した。

長友は自分への批判で「魂に火がついた」。そして自分を振り返り「いろんなことを経験する中で、慢心もあったのかな」と、「原点に帰らせてくれた」と感謝する。

50分には、本人は意図していなかったと告白したが、伊東純也のシュートをアシストした。また32分には南野も先制点を挙げ、日本の弱点とされた2人は自らの価値を証明してみせた。これで日本の不安材料は一つ減ったと言えるだろう。

本人も満足感があったのだろう。長友は最後に笑顔を浮かべながら、「たくさん批判をもらって、このままだと燃えてしまうので、今日だけでいいので『称賛』という名の栄養なり水がほしいですね。(批判の)2倍ぐらいの」と語り、茶目っ気を見せていた。

【文:森雅史/日本蹴球合同会社 写真:岸本勉/PICSPORT】


(撮影:岸本勉/PICSPORT)



(撮影:岸本勉/PICSPORT)



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