Ian Zelbo

アップルは2022年末までに、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)機能を兼ねそなえたMR(複合現実)ヘッドセットを発表または発売するとの噂されています。そして今回はその最新版として、このヘッドセットが高性能なCPUやGPUを搭載するため、14インチMacBook Proに付属するのと同じ96Wの充電器が同梱されるというお話をお伝えします。

今回の噂の発信源は、アップルの未発表製品にくわしいアナリストMing-Chi Kuo氏の投資家向け研究メモです。Kuo氏は以前もアップル製ヘッドセットが「Macと同じコンピューティングパワー水準」のプロセッサを搭載すると述べており、競合他社製ヘッドセットとは一線を画する処理能力を備えているとの見解は一貫しています。

ちなみに96Wの電源アダプタが付属する14インチMacBook ProにはM1 Proチップのうち、10コアCPUと16コアGPU版が搭載されています(67Wアダプタは8コアCPUと14コアGPU版に同梱)。このMRヘッドセットもそれと同等の性能や、高速な画像解析のために強化されたNeural Engineも搭載されている可能性がありそうです。

これらのスペックはiPhoneやiPadの上位モデルよりも格段に高いものであり、そのため搭載バッテリーも大きくなり、ヘッドセット本体も重くなると予想されます。最近、大手メディアBloombergは本製品が「一日中使うデバイス」ではないと報じていましたが、それはメタバースに一日中入り浸らせることを避けるというよりも「数時間しか付けていられないほど重い」ためかもしれません。

アップルは将来的にヘッドセット製品の新型を投入していくと見られていますが、第1世代はハイスペックながらも非常に高価になると予想されており、3000ドル前後との噂もあります。

そうした高価格ながらも、Kuo氏は2023年のヘッドセット年間出荷台数は300万台、2025年には1500万台にまで拡大すると予想しています。さらに第2世代の製品は2024年に登場し、軽量化と低価格化が実現するとのこと。

さすがに「重くて高い」までは1500万台の達成は難しそうですが、数年がかりで世代を重ね、しだいに一般ユーザーも買いやすくなるようです。ただし、ヘッドセットを被るのではなくメガネのように装着するタイプに関しては、Kuo氏は2025年以降になると述べていたことがあります。

アップルがMRヘッドセットを準備中であることは確実視されながらも、いつ正式発表されるかは明らかではありません。複数の情報源が6月の世界開発者会議WWDC、あるいは秋の特別イベントで発表され、2022年末〜2023年前半に出荷されると伝えています。

が、発売直後は半導体不足もあって品薄が予想されており、いち早くアップルの最新技術を頭にかぶりたい人は、予約開始での争奪戦を覚悟した方がよさそうです。

Source:9to5Mac